ブリュッセルで美術三昧:ベルギー王立美術館、イタリア絵画~ヤン・ブリューゲル、ハルス、レンブラント
ベルギー王立美術館Musées royaux des beaux-arts de Belgiqueの入口前は朝11時の開館直前で入館待ちの行列ができています。

saraiは予約チケットを持っているので、並ぶ必要はないのですが、入館するにはこの列に加わるしかありませんね。ガランガランとロワイヤル広場前の聖ヤコブ教会l’église Saint-Jacques-sur-Coudenbergの鐘が鳴り響いています。しばらくすると入り口のドアが開きます。整然と行列のまま、入館します。

中に入ると、エントランスホールのあまりの広さに戸惑います。素晴らしく豪華な内装にも圧倒されます。

建物の装飾自体が美術品みたいなものですね。

王立美術館への矢印とともに、マグリット美術館Musée Magritteへの矢印もあります。隣の建物のはずですが、ここからも行けるようですね。そう言えば、マグリット美術館も王立美術館の一部なんですね。マグリット美術館は午後2時の予約をしているので、まずは王立美術館をじっくり見ていきましょう。チケットはネットで購入済です。ちゃんとシニアチケットを購入していますよ。

王立美術館(古典絵画エリア)の案内パンフレットだけ、いただきます。古典絵画は本館の3階部分に展示してあるようです。

自宅でプリントアウトしたチケットをスタッフのかたに見せるだけですっと入場できます。ほぼ、一番乗りです。
王立美術館の古典絵画エリアには、15世紀から18世紀のフランドル絵画、オランダ/ベルギー絵画の粒よりの作品が展示されています。順に見ていきましょう。
まず、イタリア絵画があります。目に付く作品をざっと見ていきましょう。
グエルチーノことジョヴァンニ・フランチェスコ・バルビエーリの《4聖人と聖母子(Giuseppe Gaetano Righettiの寄進)》です。1616年、グエルチーノが25歳のときの作品です。若い頃はカラッチの影響があったそうです。なかなか、よく描けています。もう少し、後年の作品なのかもしれません。美術館の説明には制作年がありませんでした。

ジュリオ・チェザーレ・プロカッチーニの《天使に救われる聖セバスチャン》です。制作年は不明です。マニエリスムの影響を少し受けているバロック期のイタリア絵画ですね。

グイド・レーニの《エジプトへの逃避行》です。制作年は不明です。バロック期にあって、カラヴァッジョ風の陰影表現も見られますが、むしろ、古典的な美の追求こそが彼の最大の美点でしょう。この作品でもそれが感じられます。

イタリア絵画でめぼしいものは以上の3点。この後はフランドル絵画、オランダ/ベルギー絵画になります。
まず、花のブリューゲルことヤン・ブリューゲルです。有名なピーテル・ブリューゲルの次男ですね。有名な父親の作品も兄の作品も後で登場します。彼はアントワープに工房を持ちましたから、ベルギーの画家の一人です。子供のヤンも画家なので、ヤン・ブリューゲル(父)もしくはヤン・ブリューゲルⅠと表記します。彼はルーベンスとも共同制作をしたことが知られています。父親のピーテルとはまったくと言っていいいほど、作風が異なります。父親の模作の多かった兄のピーテル・ブリューゲル(子)とは違った方向に進みました。
ヤン・ブリューゲルの《金の皿と花輪の静物画》です。1618年、ヤン・ブリューゲル50歳のときの作品です。あだ名の花のブリューゲルに恥じない美しい作品です。

次はオランダの画家、フランス・ハルスです。この旅でもハーレムのフランス・ハルス美術館、アムステルダム国立美術館でたくさんの絵画を見てきました。
フランス・ハルスの《ウィレム・ファン・ヘイトハイゼンWillem van Heythuysenの肖像》です。1650年、フランス・ハルス68歳頃のときの作品です。いかにもハルスらしい、くだけた表現でいて本質を突いたような肖像です。

次もオランダの画家、レンブラント・ファン・レインです。彼の傑作《夜警》をアムステルダム国立美術館で見てきたばかりです。
レンブラント・ファン・レインの《ニコラース・ファン・バムベークの肖像》です。1641年、レンブラント35歳頃のときの作品です。アムステルダムの豊かな商人を描いた肖像ですが、レンブラントらしい陰影のくっきりとした端正な佇まいの作品です。

次はまとめて、フランドルの画家、アンソニー・ヴァン・ダイクを見ていきます。
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