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ブリュッセルで美術三昧:マグリット美術館、後半

2015年7月5日日曜日@ブリュッセル/13回目

マグリット美術館Musée Magritteでの鑑賞中です。

マグリットはパリに3年間滞在した後、ベルギーに帰国します。パリ滞在中にプルトンたちのシュールレアリスムとは異なる独自の手法を再認識することになりました。彼の手法は心に浮かぶモティーフを組み替えて、その結果生まれる意外な組み合わせで常識に縛られる鑑賞者に衝撃を与えるというものです。彼は終生、その手法を貫き通すことになります。ベルギー帰国後の作品を見ていきましょう。

《意外な返事》です。1933年、マグリット35歳頃の作品です。

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《ジョルジェット》です。1937年、マグリット39歳頃の作品です。妻ジョルジェットの肖像画ですね。単なる肖像画に終わらせないところがマグリットです。

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《接吻》です。1938年、マグリット40歳頃の作品です。

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《美しい歌(ベルカント)》です。1938年、マグリット40歳頃の作品です。

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1939年、あの忌まわしい第2次世界大戦が勃発します。1940年5月10日にドイツ軍がベルギーに侵入します。ナチスは前衛的な芸術を退廃芸術とみなして、徹底的に攻撃します。シュールレアリストのマグリットもその存在を脅かされることになります。それはベルギーが解放される1944年まで、4年間続くことになります。その頃のマグリットの作品を見ていきましょう。

《帰還》です。1940年、マグリット42歳頃の作品です。これは名作ですね。青空はマグリットのシンボルのようなものです。

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《宝島》です。1942年、マグリット44歳頃の作品です。

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結局、マグリットはナチスの手から逃れて、なんとか生き延びることができました。この過酷な体験はマグリットの作風を大きく変えることになります。明るい色彩で印象派風の技法で作品を描くようになります。それは1950年代にシュールレアリスムに回帰するまで続きます。その頃の作品です。

《黒魔術》です。1945年、マグリット47歳頃の作品です。

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《涙の味》です。1948年、マグリット50歳頃の作品です。

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《石ころ》です。1948年、マグリット50歳頃の作品です。これがマグリットとはね・・・。

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マグリットは再び、シュールレアリスムに戻りますが、かつてのような作風に戻ったわけではありません。もう、作品からは鑑賞者を不安にさせる毒は消え、幸福さや希望を感じさせる透明感が支配的になります。そして、代表作が生まれます。

《光の帝国》です。1954年、マグリット56歳頃の作品です。結局はやはりマグリットといえば、この作品に落ち着くということをこの美術館で多くのマグリット作品を見てきた結果、体感しました。saraiや配偶者が魅惑されてきたマグリットの魅力はこの1枚にすべてが凝縮されているようです。

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マグリットも晩年にはいります。その名は世界中に広まり、毎年、マグリット展が催されるようになります。その頃の代表的な作品です。

《アルンハイムの領地》です。1962年、マグリット64歳頃の作品です。絵のタイトルはマグリットが熟読したエドガー・アラン・ポーの作品名から採られています。

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そして、最晩年の作品を見ましょう。明るい青空を最後まで描き続けたんですね。

《空白のページ》です。1967年、マグリット68歳の作品です。

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《囚われの美女》です。1967年、マグリット68歳の作品です。

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この1967年、マグリットはブリュッセルの自宅で68歳で人生を終えます。アトリエとして使っていた台所には、描きかけの作品が残されていたそうです。もちろん、透明感に満ちた作品だったようです。

これで、マグリット美術館の鑑賞を終えます。お気づきだったでしょうか。saraiは彼の作品に対して、感じた印象をほとんど書きませんでした。そこそこマグリット美術館にはマグリットの代表作はありますが、なんだか今一つ彼の魅力が伝わってこず不満足だったんです。流石に1950年以降の4作品は見ごたえがありましたが、大きな期待は空振りに終わった感じです。

そういうことで、気持ちが治まりません。このベルギー王立美術館でデルヴォーやクノップフが見れなかったのも大きく影響しているのは間違いありません。ところで、受付のお兄さんが、ちょっとは展示してあると言ってたけど、1枚も見てないよね・・・ということに2人の意見が一致。館内案内のパンフレットをじっくり検討すると、どうも王立美術館には3つのエリアがあるようなのですが、王立美術館の古典絵画部分とマグリット美術館の部分以外のエリアにどうも行けていません。それが、気になっている階段の下の部分です。もう一度、階段横の係りの人に2枚のチケットを見せて駄目なのかと訊くと、行っていいわよと通してくれました。ヤッタと階段を下りて、その奥の入場の機械にバーコードをかざしますが、ゲートが開きません。と、ゲートの上部にメッセージが出て、このチケットでは駄目とのこと。ここは別料金のようです。奥に見えているのは、印象派の絵です。やはり、この奥に見たいものはあるようです。チケット売り場に取って返し、2枚のチケットを見せ、残りのエリアに行くにはどうすればよいのか訊くと、3ユーロの別チケットを買い足してねとのことでした。はいはい、買いますよ。これが購入したコンビチケットです。

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ようやく謎が解けた気分で、新たなチケットを持って、第3のエリアに向かいます。ようやくゲートが開きます。ベルギー王立美術館Musées royaux des beaux-arts de Belgiqueの世紀末部門Musée Fin-de-Siècle Museumの素晴らしい展示が待っていました。



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首都圏の様々なジャンルのクラシックコンサート、オペラの感動をレポートします。在京オケ・海外オケ、室内楽、ピアノ、古楽、声楽、オペラ。バロックから現代まで、幅広く、深く、クラシック音楽の真髄を堪能します。
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aokazuyaさん

コメントありがとうございます。デジタルコンサートホールは当面、これきりですが、毎週末、聴かれているんですね。ファゴットのシュテファン・シュヴァイゲ

03/03 23:32 sarai

DCHは私も毎週末、楽しみに聞いています。
・スーパースターには、ファゴットのシュテファン・シュヴァイゲルトの名も挙げたいところです。
・清水直子さん後半のみ登場、D

03/01 19:22 aokazuya

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大学入学直後からの長いお付き合い、素晴らしい伴侶に巡り逢われて、幸せな人生ですね!
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10/07 08:57 堀内えり

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08/04 21:31 G線上のアリア

じじいさん、コメントありがとうございます。saraiです。
思えば、もう10年前のコンサートです。
これがsaraiの聴いたハイティンク最高のコンサートでした。
その後、ザル

07/08 18:59 sarai

CDでしか聴いてはいません。
公演では小沢、ショルティだけ

ベーム、ケルテス、ショルティ、クーベリック、
クルト。ザンデルリング、ヴァント、ハイティンク
、チェリブ

07/08 15:53 じじい@

saraiです。
久々のコメント、ありがとうございます。
哀愁のヨーロッパ、懐かしく思い出してもらえたようで、記事の書き甲斐がありました。マイセンはやはりカップは高く

06/18 12:46 sarai
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