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ヴィニツカヤは美貌だけじゃなかった!!衝撃のプロコフィエフ・・・インバル&東京都交響楽団@東京文化会館 2016.9.15

今回はインバルの80歳記念&都響デビュー25年記念のアニバーサリーコンサートの2回目です。既に東京芸術劇場で素晴らしいシューベルトを聴きました。この東京文化会館ではバルトークが聴けるので期待して出かけました。

まずはグリンカの歌劇『ルスランとリュドミラ』序曲です。これって、ムラヴィンスキー&レニングラード・フィルのお得意の曲ですね。予習で聴きましたが、引き締まって、猛スピードの演奏に大変な感銘を受けました。世の中にパーフェクトというものがあるとしたら、こういう演奏のことだと確信させられました。そういう最高レベルの音楽を聴いた上で今日の演奏を聴きました。正直、驚愕しました。これって、ムラヴィンスキー&レニングラード・フィルと甲乙つけがたい演奏じゃないですか。猛スピードでの突進、そして、素晴らしいアンサンブル。引き締まった上に弦の美しさも聴かせてくれます。インバルがこういう指揮をするとはびっくりですが、もちろん、ムラヴィンスキーのことは意識してやっているんでしょう。その指揮に応えた都響のアンサンブル力のレベルの高さには唖然としました。相当にリハーサルを重ねたと見えます。2週間で全く演目の違う3回ものコンサートをこなすのに、よく、こんな高いレベルまで持っていけたものだと舌を巻きます。どんな練習を重ねたのか知りたいものです。たった10分ほどの短い音楽ですが、凄い演奏に絶句しました。

次はプロコフィエフのピアノ協奏曲 第2番です。音楽もさることながら、パンフレットで見るピアニストのアンナ・ヴィニツカヤの凄い美貌に魅了され、本当にそんな美人が登場して、難曲のプロコフィエフを演奏できるのかと興味津々です。やがて、写真通りの美人、それもグラマーな女優のようなピアニストが登場。これは凄いですね。冒頭のピアノ演奏はなんだかぶっきらぼうな感じ、よく言えば無機的な演奏です。でもそれは最初だけの印象でした。第1楽章の実に長大なカデンツァ(カデンツァというよりもピアノ独奏曲?)に入り、そのダイナミックな超絶技巧の大迫力に圧倒されてしまいます。予習したのは超絶技巧では誰にも負けないキーシンの演奏でしたが、実演の迫力あるピアノを聴くとまったく別物に感じられます。オーケストラとも丁々発止で、ピアノとオーケストラが合っているかどうかも俄かに判断できません。それほど両者は思い切った演奏をしています。スリリングを通り越して、未知の領地にはいっているみたい。このプロコフィエフのピアノ協奏曲 第2番がこんなに凄い曲だとはいうことは初めて知った思いです。有名な第3番よりも凄いかも知れませんが、演奏が超難しそうです。ずっと度肝を抜かれて聴いていましたが、第4楽章の抒情を湛えた美しいピアノには、それまでとの落差が大きくて、一気に天上に上り詰める思いを抱かされます。この一筋縄ではいかないような抒情的なメロディーが難しい技巧で繰り返されるたびに音楽の深淵を感じさせられます、やがて、感動的なフィナーレ、いやあ、凄い演奏を聴いてしまったなあ。美貌は期待していましたが、こんな超ど級の音楽を聴くことになるとは想像していませんでした。恐るべし、アンナ・ヴィニツカヤ。翌日の横浜みなとみらいホールでのリサイタルにもかけつけようと決心しましたが、既に遅し。既に後方席しか残っていなかったので、それは断念しました、また、いつか機会があれば、聴かせてもらいましょう。アンコールはチャイコフスキーでした。憧れに満ちた夢見るような演奏に心が和みました。

休憩後、バルトークの管弦楽のための協奏曲です。これは腕に自信のないオーケストラには弾けない曲ですね。バルトークが白血病で病床にいながら、最後の気力を奮って、心血を注いだ最晩年の大傑作です。とても病床にあったとは思えないエネルギーに満ちた音楽・・・生きていく人たちに生きる力をバルトークはプレゼントしてくれました。インバル&都響は実に見事にこの難曲を演奏してくれました。低弦の分厚いハーモニー、そして、高弦の切れのある響きは特に格別でした。インバルが暗譜でオーケストラを自在にドライブしていたのも見事。saraiが青春時代、繰り返しレコードが擦り切れるほど聴いた大好きな曲ですが、心底、堪能しました。日本のオーケストラがここまで演奏してくれて、感無量です。完璧とまではいきませんでしたが、これは名演と言えるでしょう。インバル&都響に感謝したい思いです。

今日のプログラムは以下のとおりでした。

  指揮:エリアフ・インバル
  ピアノ:アンナ・ヴィニツカヤ
  管弦楽:東京都交響楽団

  グリンカ:歌劇『ルスランとリュドミラ』序曲
  プロコフィエフ:ピアノ協奏曲 第2番 ト短調 Op.16
  《アンコール》 チャイコフスキー:四季 Op.37bより4月《松雪草》

   《休憩》

  バルトーク:管弦楽のための協奏曲 Sz.116

今日も、インバルが振るときの都響は素晴らしく充実した演奏を聴かせてくれました。来週のショスタコーヴィチの名曲(交響曲第8番)も楽しみです。デュメイのモーツァルトも期待できそうです。


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