ブリュッセルで美術三昧:ベルギー王立美術館、印象派とアンソール
ベルギー王立美術館Musées royaux des beaux-arts de Belgiqueの古典絵画部分とマグリット美術館の部分を見終えて、最後の世紀末部門Musée Fin-de-Siècle Museumの展示スペースに入場することができました。これが世紀末部門の案内パンフレットです。地下3階から地下4階までを抜けて、地下5階から地下8階までがそのエリアになっています。

世紀末部門の珠玉の作品群を見ていきましょう。
ニカイス・デ・カイザーの《ルイス・ヴァン・カンペンボートの肖像》です。1847年頃、デ・カイザー34歳頃の作品です。このベルギーの画家は今は有名な画家ではありませんが、この作品はなにか気になる作品です。

フィンセント・ファン・ゴッホの《農夫の肖像画》です。1885年頃、ゴッホ32歳頃の作品です。有名な《ジャガイモを食べる人達》の登場人物を描いたと言われています。こういうゴッホも素晴らしいですね。

ここからは近代ベルギーを代表する画家の一人であるジェームズ・アンソールの作品を見ていきましょう。この旅でも北海沿岸の町オステンドでアンソールの家(お土産物屋)を見たことを思い出します。
ジェームズ・アンソールの《奇妙な仮面》です。1892年頃、アンソール32歳頃の作品です。アンソールは20代半ばから急に仮面の人物の作品を集中的に描き始めます。この作品はその中でも傑作だと言われています。仮面を描くことでその人間の内面を暴き出すという屈折した作品です。

ジェームズ・アンソールの《陰鬱な婦人》です。1881年頃、アンソール21歳頃の作品です。仮面の人物を描き始める以前のアンソールの作品です。

ジェームズ・アンソールの《エイ》です。1892年頃、アンソール32歳頃の作品です。魚とは思えないような不気味な印象の作品です。

ジェームズ・アンソールの《カラリスト》です。1880年頃、アンソール20歳頃の作品です。これも仮面の人物を描き始める以前のアンソールの作品です。カラリストとは、色彩効果を重視する画家のことだそうです。色彩画家とも言うそうです。

ジェームズ・アンソールの《団扇とシノワズリー》です。1880年頃、アンソール20歳頃の作品です。これも仮面の人物を描き始める以前のアンソールの作品です。ジャポニスムにはまっていたんですね。ただ、中国と混同していたのはご愛敬かな。

ジェームズ・アンソールの《ロシアの音楽》です。1881年頃、アンソール21歳頃の作品です。これも仮面の人物を描き始める以前のアンソールの作品です。印象派風ですね。

アンソールに続いて、フランスの画家たちです。
ジョルジュ・スーラの《グランド・ジャット島のセーヌ川》です。1888年頃、スーラ29歳頃の作品です。精密な点描法の作品です。大変な労作です。この超人的ともいえる作品作りが画家の命を縮めたと言われていますが、それも納得できそうな凄さです。

ポール・シニャックの《岩だらけの入り江》です。1906年頃、シニャック43歳頃の作品です。これまた、点描法の労作。本当に点描法は体に悪い!

エドゥアール・ヴュイヤールの《二人の小学生》です。1894年頃、ヴュイヤール26歳頃の作品です。ヴュイヤールはナビ派の一人。このくっきりとした色彩の明確さはいかにもナビ派らしい作品です。

アルフレッド・シスレーの《ルーヴシエンヌの道》です。1873年~1874年頃、シスレー34歳~35歳頃の作品です。印象派で独自の道を歩んだシスレーの作品を見ると、心が和みます。このふわっとした空気感はいいですね。

アルフレッド・シスレーの《村のはずれ、春》です。1885年頃、シスレー46歳頃の作品です。シスレーは強い主張がありません。自己の内面に従って、素直な画面を作るだけ。それがシスレーのいいところです。

次はいよいよ、この美術館の白眉とも言えるクノップフの作品群を見ていきます。
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