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名曲!シューマンのピアノ五重奏曲:ゲヴァントハウス弦楽四重奏団&仲道郁代@東京オペラシティ コンサートホール 2016.9.29

いよいよ秋らしくなると、室内楽のシーズンです。コンサートも室内楽が続きます。今日は仲道郁代のデビュー30周年ということでお祝いも兼ねて出かけます。ゲヴァントハウス弦楽四重奏団との共演で室内楽を楽しみます。そう言えば、ちょうど2年前にも今日のコンサートと双子のようなコンサートを聴きました。ピアノがピーター・レーゼルに置き換わり、シューマンがブラームスに置き換わったようなものです。弦楽四重奏は同じゲヴァントハウス弦楽四重奏団でした。そのときの記事はここです。とても素晴らしいブラームスのピアノ五重奏曲でした。さて、今日のシューマンのピアノ五重奏曲はどうでしょうね。

前半は弦楽四重奏曲の有名曲が続きます。
まず、ハイドンの弦楽四重奏曲第67番「ひばり」です。ドイツ伝統の弦楽四重奏団であるゲヴァントハウス弦楽四重奏団ですから、重厚で骨太のハイドンを聴かされると思っていたら、とんでもありません。なんとも繊細で優雅な演奏です。ドイツ的というよりもウィーン風といった風情です。何とも美しいアンサンブルでハイドンの名作を心ゆくまで楽しませてもらいました。とりわけ、第1ヴァイオリンのエルベンの抑制のきいた品のよい演奏にうっとりとしました。

次は、ドヴォルザークの弦楽四重奏曲第12番「アメリカ」です。ドイツの弦楽四重奏団でチェコものとは選曲誤りかと思いましたが、考えてみたら、本拠地のライプツィヒはチェコも近いので、そう遠い関係でもないのかもしれません。でも第1楽章は正直、硬い表情の演奏でぎこちなく聴こえます。やはり、武骨な演奏になるのかと思っていたら、第2楽章がとてつもなく美しい演奏です。まさにボヘミアの美しい風景を思わせるような究極の美を感じます。第1ヴァイオリンのエルベンのヴァイオリンの響きが例えようもないほどの美しさです。第3楽章、第4楽章も見事な演奏でした。いい意味で予測を覆してくれた名演でした。

休憩後はいよいよ期待のシューマンのピアノ五重奏曲です。仲道郁代がドイツ人の大男たちに囲まれて、ステージに登場します。新しいドレスに身を包み、いつも以上の艶やかさです。演奏はゲヴァントハウス弦楽四重奏団は文句なしの美しい響き。仲道郁代はちょっとパワー不足でいつものタッチの美しさも不足気味。第2楽章の中間部でのピアノが活躍する部分でも、弦楽四重奏としっくりとかみ合っていません。このまま、終わるのかと思っていたら、第3楽章は出色の出来。ピアノの響きも美しく、弦楽四重奏とのバランスも素晴らしいです。第4楽章にもそのまま突入。終盤の対位法的な部分では少しパワー不足で残念でしたが、フィナーレの高揚感は素晴らしいものでした。全体的に考えると、ゲヴァントハウス弦楽四重奏団の文句の付けようもないドイツ的な響きと仲道郁代の繊細なタッチがうまくかみ合わなかったという感じです。お互いにもう少し共演を重ねるとよいアンサンブルになるのかもしれません。ゲヴァントハウス弦楽四重奏団とは気心の知れたピーター・レーゼルがピアノを弾けば、素晴らしい演奏になったでしょうが、別に仲道郁代の演奏が悪かったわけではありません。むしろ大変な熱演だったんです。単にまだ相性が悪いというだけのことでしょう。音楽って難しいものです。アンコールで演奏した第3楽章は素晴らしい出来でした。全編、こんな感じの演奏だったら、素晴らしい演奏だったのに残念なことです。

ところで、仲道郁代さんはおいくつになってもとても美しいです。カーテンコール時のにこやかな笑顔を見ると、saraiもドキドキします。まるでアイドルです。11月のデビュー30周年記念のソロリサイタルが楽しみです。得意のショパン、思いっ切り弾いてくださいね!!

今日のプログラムを紹介しておきます。

  弦楽四重奏:ゲヴァントハウス弦楽四重奏団
   ヴァイオリン:フランク=ミヒャエル・エルベン
   ヴァイオリン:コンラート・ズスケ
   ヴィオラ:アントン・ジヴァエフ
   チェロ:レオナルド・フレイ-マイバッハ

  ピアノ:仲道郁代

  ハイドン:弦楽四重奏曲第67番 ニ長調「ひばり」Op.64-5
  ドヴォルザーク:弦楽四重奏曲第12番 ヘ長調「アメリカ」Op.96

  《休憩》

  シューマン:ピアノ五重奏曲 変ホ長調 Op.44

   《アンコール》
     シューマン:ピアノ五重奏曲 変ホ長調 Op.44から第3楽章

シューマンの名曲を聴くので、CD(またはアナログディスク)で聴ける名演を予習しました。

 ゼルキン&ブッシュ四重奏団(アナログディスク)
 ゼルキン&ブダペスト弦楽四重奏団(アナログディスク)
 リヒテル&ボロディン弦楽四重奏団
 レーゼル&ゲヴァントハウス弦楽四重奏団

すべて名演です。ブッシュ四重奏団が思ったほどの素晴らしさではなかったのが意外でした。レーゼル&ゲヴァントハウス弦楽四重奏団はとても素晴らしい演奏です。ゲヴァントハウス弦楽四重奏団は今日のメンバーとは異なっています。名演の誉れ高いデムス&ウィーン・コンツェルトハウス四重奏団はウィーン風なので、今回はあえて聴くのを避けました。



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オペラ・美術が大好きでヨーロッパの旅にはまっています。音楽の聖地ウィーンが中心で、イタリア、フランス、ドイツも巡っています。国内外のオペラ・コンサートの体験もレポートします。

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たかぼんさん、初めまして。saraiです。

嬉しいコメント、ありがとうございます。ブッシュ四重奏団は素晴らしいですよ。とりわけ、第14番は最高です。
もっとも、ブッシュ

09/17 02:04 sarai

とても素晴らしいお話をお聞かせ頂き感謝いたします。
私は今まで、後期の4曲はブダペスト四重奏団できまり!と思っておりました。
ブッシュ四重奏団は別なレコード(死

09/16 13:52 たかぼん

ミケランジェロさん、saraiです。

遅レスで申し訳けありません。敬愛するジョナサン・ノットをご評価いただき、ありがとうございます。

相変わらず、独自の音楽探求を続

06/23 23:50 sarai

こんにちは。

ジョナサン・ノット氏の公演鑑賞を拝読したく参りました。毎回とても沢山の公演記録を私達に届けて下さり、ありがとうございます。

マエストロは数年前のイ

06/14 08:27 michelangelo

えりちゃさん、コメントありがとうございます。
最終公演に行きますが、ムーティ&ウィーン・フィルは渾身の力で凄い演奏を聴かせてくれますよ。特にシューベルトは有終の

11/09 22:13 sarai

尻上がりに素晴らしくなりました!
あの弦の響きにもうハマるのですよ!
あと2公演ありますが、もう既に同じプログラムを2回演奏しているので、ますます良くなるか、ち

11/09 10:56 えりちゃ

えりちゃさん、お久しぶりです。saraiです。

なかなか、海外渡航の見通し、立ちませんね。来年あたりはどうでしょうね。長期戦覚悟で我慢するしかありませんね。

こちら

04/10 02:37 sarai
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