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感銘!異形のブラームス:ユリア・フィッシャー ヴァイオリン・リサイタル@トッパンホール 2016.10.16

ああ、こんなブラームスもあるんだという、ブラームスの室内楽らしくない表現の演奏でしたが、このブラームスのヴァイオリン・ソナタ 第3番はとてもユリア・フィッシャーの演奏スタイルに合っていて、それはそれで大変な感銘を覚えました。室内楽というよりも協奏曲でも聴いたような感覚です。実際、実にスケールが大きくて、熱い演奏でした。ともかくユリア・フィッシャーのヴァイオリンはこの小さなトッパンホールに大きく響き渡ります。そのあたりが前半、そして、後半の初めに演奏されたドヴォルザークとシューベルトのソナチネには悪く作用して、弾き過ぎの感を否めませんでした。このブラームスを聴くまでは初めて聴くユリア・フィッシャーのヴァイオリンにがっかりしていたんです。響きも立派、テクニックも立派、しかし、音楽に心がこもっていないという感じだったんです。それがブラームスでは一変して、ステージ上で派手な動作で弾きまくるユリア・フィッシャーのヴァイオリンにすっかりと魅了されました。もちろん、こういう演奏がブラームスのヴァイオリン・ソナタのベストの演奏だとは思いませんが、この曲自体にスケールの大きな協奏曲的な性格があるのも事実でしょう。それをちゃんと認識させてくれたユリア・フィッシャーに感謝です。とは言え、こういう感想では誤解を生むかも知れません。このブラームスのヴァイオリン・ソナタ 第3番で一番感銘を受けたのは第2楽章でした。彼女はばりばり弾きまくるのではなくて、大きな構えのたっぷりした表現の音楽を奏でるんです。第2楽章では、ゆったりと美しい音楽を紡いでいきました。それがブラームスらしい抒情を歌い上げます。ただ、晩年の枯淡の境地ではありませんが、ブラームスだって、晩年は枯淡だけではありませんからね。
アンコール曲ももちろん、ブラームス。珍しいF.A.E.ソナタの第3楽章 スケルツォです。saraiは初めて聴きます。F.A.E.ソナタはシューマン等との合作ですが、この第3楽章だけがブラームスの作曲という珍品です。この曲も素晴らしい演奏でした。もちろん、強い響きの演奏でスケールの大きな演奏です。
最後のアンコール曲はユリア・フィッシャーがヴァイオリンを持たずに出てきて、マルティン・ヘルムヒェンと並んでピアノの前に座り、高音部を受け持って、連弾です。ユリア・フィッシャーはピアノもうまいということでしたが、そのレベルはまあ、言わないほうがよさそうですね。
ところでピアノのマルティン・ヘルムヒェンは先日のトッパンホールの室内楽フェスティバルでも聴きましたが、堅実な演奏が印象的です。ただ、ユリア・フィッシャーのブラームスのダイナミックな演奏に呼応した演奏ではパーフェクトとは言い難いタッチも多かったのが残念でした。

ユリア・フィッシャーの素晴らしいブラームスに魅せられたリサイタルでした。彼女の演奏するブラームスのヴァイオリン協奏曲が聴きたくなりました。

今日のプログラムは以下です。

  ヴァイオリン:ユリア・フィッシャー
  ピアノ:マルティン・ヘルムヒェン

  ドヴォルザーク:ヴァイオリンとピアノのためのソナチネ ト長調 Op.100
  シューベルト:ヴァイオリンとピアノのためのソナチネ 第3番 ト短調 D.408

   《休憩》

  シューベルト:ヴァイオリンとピアノのためのソナチネ 第1番 ニ長調 D384
  ブラームス:ヴァイオリン・ソナタ 第3番 ニ短調 Op.108

   《アンコール》

  ブラームス:F.A.E.ソナタから第3楽章 スケルツォ WoO post.2
  ブラームス:ハンガリー舞曲第5番 嬰ヘ短調(4手用版) ピアノ:ユリア・フィッシャー&マルティン・ヘルムヒェン



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オペラ・美術が大好きでヨーロッパの旅にはまっています。音楽の聖地ウィーンが中心で、イタリア、フランス、ドイツも巡っています。国内外のオペラ・コンサートの体験もレポートします。

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ありがたいコメント、嬉しいです。マーラーのファンのかたにこそ、読んでいただきたかったので、気持ちを共有できた思いです。自然の中にこそ、マーラーの音楽の本質はあり

04/23 23:45 sarai

マーラーの作品を聴きながら、ブログを読ませていただいています。
読みながら画像を見て、マーラーの過ごした風景に想いを馳せて楽しんでいます。
素敵なブログをありがと

04/23 21:47 

マーラー6番ですか・・・ハンマー打撃は勘弁してほしいものです。あったとしても、3回目の打撃だけは・・・

04/11 18:10 sarai

まさにマーラー6番な状況です笑

04/11 17:51 kico

お互い、残念でしたね。今年でヨーロッパ遠征を終わりにする予定でしたが、悲劇的な状況になりました。天はまだ我に旅を続けよというご託宣を与えたのでしょうか。1年延期

04/11 03:13 sarai

以前にもコメントさせていただいた者です。来ましたね、楽友協会からのメール。私たちはとりあえず1年延期としましたが、どうでしょうね。困っている人が多い中贅沢な悩み

04/11 00:33 kico

お返事ありがとうございます。
本当に!私もレイルジェットや美術館の手配もしているので、祈るような気持ちです。

03/10 19:06 kico
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