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ウィーンでしか聴けない!《カプリッチョ》@ウィーン国立歌劇場 2013.6.20

いやはや、さすがにウィーンとしか言いようがありません。まったく、一分の隙もないキャストにウィーン国立歌劇場のオーケストラの素晴らしい響き、そして、エッシェンバッハの何ともロマンティックな音楽作り。R・シュトラウスの最後にして、畢生の楽劇《カプリッチョ》を堪能しました。

マドレーヌを歌わせたら、この人しかいないルネ・フレミングの歌唱。彼女のオペラもずい分聴きましたが、これほど、ぴったりするものは他にはありません。彼女のR・シュトラウスへのひたむきとも思える思いが結実しています。それに、クルト・リドルのラ・ロッシュ、ウィーンでは初披露だそうですが、オックス男爵に匹敵する名歌唱です。この人は今や、絶頂にあるのではないかと思わせられます。ミヒャエル・シャーデのフラマン、やっぱり、素晴らしいですね。少し、線が細いのかなと思っていましたが、明るく軽い声で、作曲家のひたむきな心情を歌いあげてくれました。特にソネットをマドレーヌに歌う場面、見事としか、言いようがありません。彼の歌に続くフレミングの歌唱と合わせて、これこそ、愛の2重唱で、感動してしまいました。オリヴィエ役のマルクス・アイフェの歌唱も予想外?の見事さ。ボー・スコウフスは実力通りの歌唱。そして、久しぶりに聴くキルヒシュラーガー、体型は少し変わりましたが、相変わらずの美貌。フレミングの歌唱を聴いていると、メトロポリタン・オペラを聴いているような錯覚も覚えますが、キルヒシュラーガーが登場すると、やはり、ここはウィーンだと納得。彼女を聴いた中ではベストの歌唱で、メゾ・ソプラノの美しい響きにうっとりしました。

オーケストラは最初の弦楽6重奏の美しいこと、オペラで最高の室内楽を聴けて、幸せです。しかし、これは室内楽ではないことをはっきり認識もしました。エッシェンバッハがしっかりと指揮していたんです。名人揃いのオーケストラメンバーに任せないで、エッシェンバッハの積極的な音楽作りが目立ちました。R・シュトラウスの擬古典主義の実に耽美的なロマンティシズムを余すことなく、見事に表現しきった指揮に大いに感服し、堪能させてもらいました。これなら、《ばらの騎士》を振っても素晴らしそうですね。あと、もちろん、《月光の音楽》も美しい響き、メロディアスな抒情、何も言うことはありません。

この《カプリッチョ》、R・シュトラウスが戦時中のナチス政権下でどんな思いで作り上げたのか、窺い知ることはできませんが、極限状況のなかで、芸術論のみに徹し切ったオペラを完成させた意気込みたるや、想像に余るものがあります。R・シュトラウスが最後のオペラとして、オペラそのものを題材として、言葉と音楽のいずれが重要かを論じ、結論として、その2つの融合こそがオペラの本質だとしたことは、オペラファンとしては納得できます。最後のオペラ=楽劇として、素晴らしいものを我々に残してくれたものです。このオペラは普遍の価値がありますが、やはり、ウィーンでの公演は格別です。オーケストラの素晴らしさ、劇場の素晴らしさ、そして、それにふさわしい華麗な舞台装置と衣装・・・このオペラはこうでないといけません。オペラの素晴らしさをオペラ自身でも公演自体でも描き尽くした決定版だと思いました。

《カプリッチョ》はやっぱり、ウィーンで聴かなくっちゃね!!!

今日のキャストは以下です。

  演出:マルコ・アルトゥーロ・マレッリ
  指揮:クリストフ・エッシェンバッハ
  管弦楽:ウィーン国立歌劇場管弦楽団

  伯爵夫人(令嬢):ルネ・フレミング
  伯爵:ボー・スコウフス
  フラマン:ミヒャエル・シャーデ
  オリヴィエ:マルクス・アイフェ
  ラ・ロッシュ:クルト・リドル 
  クレロン:アンゲリカ・キルヒシュラーガー
  ムッシュー・タウペ:ミシェル・ロイダー
  イタリア人ソプラノ歌手:イリーデ・マルティネス
  イタリア人テノール歌手:ベンジャミン・ブルンズ
  
もう、こんな素晴らしいオペラを見たら、今回の旅を切り上げても悔いは残りませんが、明日もこのウィーン国立歌劇場で《ロミオとジュリエット》を楽しみます。


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ジャンル : 音楽

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オペラ・美術が大好きでヨーロッパの旅にはまっています。音楽の聖地ウィーンが中心で、イタリア、フランス、ドイツも巡っています。国内外のオペラ・コンサートの体験もレポートします。

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08/07 00:28 sarai

えりちゃさん、saraiです。お久しぶりです。

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07/20 12:41 sarai

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04/23 21:47 

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