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プレイエルでもYAMAHAでも魅惑のショパン、仲道郁代ピアノ・リサイタル オール・ショパン・プログラム@東京文化会館 小ホール  2016.11.13

仲道郁代さんは最近聴いたユリアンナ・アヴデーエワのような天才的な煌きに満ちたショパンを聴かせてくれるわけではありませんが、何か惹き付けられる魅力があるんです。ピアノももちろん素晴らしいんですが、それ以外の何かがあります。その美貌も魅力ではありますが、お人柄が音楽全体にあらわれることも大きな魅力です。そのひとつでもあるのが、研究熱心でプレイエルのピアノをご自分で購入して弾きこなしていることです。プレイエルのピアノは古ぼけた音色ではありますが、ピアノの魅力の原点を感じさせてくれます。その濁りのないピュアーな響きを聴いていると、スタインウェイよりも惹き付けられる気持ちも沸き起こります。

今日のリサイタルは仲道郁代さんのデビュー30周年を記念するもので、お得意のオール・ショパン・プログラムです。その目玉はやはりプレイエルのピアノです。3部構成のプログラムでは、第1部はプレイエルとYAMAHAの弾き比べで響きの違いを検証?すること。その上で、第2部はショパンの名曲をプレイエルで鑑賞します。最後の第3部はYAMAHAの最新型のピアノCFXでショパンの名曲を鑑賞します。なお、練習曲の「革命」と「別れの曲」は第2部、第3部で共通して弾かれますので、プレイエルとYAMAHAの聴き比べにもなります。

今日弾かれたショパンの作品はすべて名曲(有名曲?)ばかりなので、個々にコメントするほどのことはありません。第1部では、いかにプレイエルのピアノの響きが魅力かを再認識させられました。第1部の最後には、《アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ》が前半の《アンダンテ・スピアナート》はプレイエルで弾かれ、後半の《華麗なる大ポロネーズ》がYAMAHAで弾かれました。プレイエルで弾かれた《アンダンテ・スピアナート》が優美な響きで素晴らしかったのはもちろんですが、YAMAHAで弾かれた《華麗なる大ポロネーズ》が迫力があり、かつ美しい響きだったのが意外?でした。今日はモダンピアノがスタインウェイでなく、どうしてYAMAHAなのって疑問がありましたが、少し分かったような気がします。YAMAHAは弾き方によってはとても繊細なピュアーな響きが出せるんですね。音が重なっても濁った音色にならかったのが不思議です。

第2部はプレイエルの素朴とも思える純な響きにうっとりと聴き入ります。さすがに「革命」は響きがちょっと物足りない感じでしたが、意外に聴き映えがしました。素晴らしかったのはやはり、バラード第1番です。プレイエルで聴くのはなかなか贅沢な感じ。これぞ、ショパンですね。

第3部はYAMAHAのCFXの素晴らしい響きを仲道郁代さんが見事に引き出してくれました。YAMAHAでこれほどの音色を聴かせてくれるのはこれまではピリスだけでしたが、仲道郁代さんの素晴らしい技術に脱帽です。第2部のプレイエルを上回る出来でした。スタインウェイではこうは弾けなかったでしょう。最初の幻想即興曲の第1音から素晴らしい響きが聴けました。「革命」は断然、素晴らしい響きです。プレイエルの時代に生きたショパンもこれなら納得してくれるでしょう。

全体を通して、仲道郁代さんの丁寧で安定した演奏が印象的でした。それを支えていたのが左手が刻む正確なリズムと響きです。特にインテンポのときにその素晴らしさを実感しました。たまにミスタッチはありましたが、それは些細なもので鑑賞には差支えがなく、仲道郁代さんは最近、ますますテクニックに磨きがかかったという印象です。音楽的にもスリリングさとかデモーニッシュさこそ感じられませんが、王道を行く納得の演奏です。心地よく聴くことができました。

今日のプログラムは以下です。

  フレデリック・ショパン

  ワルツ第1番変ホ長調Op.18「華麗なる大円舞曲」
  練習曲変イ長調Op.25-1「エオリアン・ハープ」
  前奏曲第7番イ長調Op.28-7
  ワルツ第7番嬰ハ短調Op.64-2
  夜想曲第20番(遺作)嬰ハ短調「レント・コン・グラン・エスプレッシオーネ」
  アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ 変ホ長調Op.22

   《休憩》

  マズルカ第13番イ短調Op.17-4
  前奏曲第15番変ニ長調Op.28-15「雨だれ」
  練習曲ハ短調Op.10-12「革命」
  練習曲ホ長調Op.10-3「別れの曲」
  バラード第1番ト短調Op.23

   《休憩》

  幻想即興曲嬰ハ短調 Op.66
  夜想曲第2番変ホ長調Op.9-2
  練習曲ハ短調Op.10-12「革命」
  練習曲ホ長調Op.10-3「別れの曲」
  ポロネーズ第6番変イ長調Op.53「英雄」

   《アンコール》

    エルガー:愛の挨拶 Op.12

つい、ふらふらと仲道郁代さんの最新のショパンアルバムのCDを買い求め、サインをいただきました。配偶者は少々、呆れ顔でしたけどね。YAMAHAの響きが素晴らしかったとお話しすると、にっこりと美しい微笑みを浮かべながら、「それはYAMAHAの人が喜びますよ」と答えてくれました。次は来年1月のサントリーホールでのコバケンさんとの協奏曲コンサートです。ショパンとチャイコフスキーの2曲を弾くという豪華版です。ピアノはきっとスタインウェイでしょうが、できれば、YAHAMAで弾いてほしいな ⇒ 仲道さん。


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