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ブラームス_弦楽五重奏曲第2番を熱演:プラジャーク・カルテット@鶴見サルビアホール 2016.12.2

プラジャーク・カルテットは40年以上のキャリアを誇るチェコの名門アンサンブルです。2010年になって、カルテット設立時から第一ヴァイオリンを担ってきたヴァーツラフ・レメシュが引退を余儀なくされたため、何人かのヴァイオリニストがその役を引き受けてきましたが、ようやく、昨年より、現在の若手女性ヴァイオリニストのヤナ・ヴォナシュコーヴァがその任を負うことになりました。プラジャーク・カルテットの新時代が始まったようです。今日の演奏を聴くと、安定したアンサンブルが醸し出されていました。

前半はまず、ハイドンの弦楽四重奏曲 第81番(第66番) Op.77-1が演奏されます。ハイドンの晩年の作品で、未完成の第83番を含めると、最後から3番目の弦楽四重奏曲です。既にメロディーの美しさに頼らずに骨格のしっかりした傑作だと思える作品です。今日の演奏は水準以上の演奏で、すっかりとその響きに惹き込まれてしまいました。特に第1楽章のリズミカルでありながら、時折、大胆にテンポを変える、熟達した演奏は素晴らしいものでした。予習したCDは以下です。

 エマーソン・カルテット
 エンジェルス・カルテット

いずれも素晴らしい演奏ですが、全集盤の1枚であるエンジェルス・カルテットの演奏の美しさには驚愕しました。今日のプラジャーク・カルテットの演奏もそれに迫るものでした。

前半の最後はブルックナーの弦楽四重奏曲。弦楽五重奏曲は有名ですが、この四重奏曲はブルックナーの初期の作品です。まだ、交響曲を作曲するのはこの後になります。初期の作品とは言え、後期ロマン派の香りの漂うロマンティックで美しい作品です。今日の演奏もまったく美しい演奏で、大変、満足しました。それに滅多に聴けない珍しい作品ですから、それが聴けた喜びもあります。

後半はブラームスの弦楽五重奏曲 第2番 Op.111です。プラジャーク・カルテットにロータス・カルテットのヴィオラ奏者の山碕智子が加わっての演奏です。これもあまり演奏機会の多い作品ではないので、しっかりと聴かせてもらいましょう。予習したのは以下のCDです。

 ブダペスト四重奏団、トランプラー
 ハーゲン・カルテット、コセ
 アマデウス四重奏団、アロノヴィッツ

ブダペスト四重奏団はベートーヴェン演奏では素晴らしい演奏を聴かせてくれますが、この演奏はもうひとつです。硬い響きの演奏でこの作品の良さが引き出せていません。一方、アマデウス四重奏団はとても美しい演奏です。さらに素晴らしいのがハーゲン・カルテットです。ブラームスの晩年の作品の素晴らしさを実感させてくれます。メロス・カルテットのCDも評判がよいのですが、未聴です。

さて、今日の演奏ですが、第1楽章のスケール感と分厚い響きに聴き入りました。ちょっと弾き込み不足で完璧なアンサンブルでなかったのは残念ですが、この曲の持つ雰囲気は十分に伝わってきました。第2楽章と第3楽章の魅惑的な美しさは万全の演奏で大変聴き入ってしまいました。第4楽章はもともとブラームスの創作力が衰えたと感じさせるものなので、それなりにしか、心に響いてきません。第4楽章さえ、万全に作曲されていたら、この作品は大傑作になったんですけどね・・・。もっとも、この翌年にあの名曲、クラリネット五重奏曲が生まれるんですから、まあ、いいでしょう。ともあれ、全体としては大変、充実した演奏でした。ブラームスらしい美しいメロディーの数々には酔わされてしまいました。

今日のプログラムは以下です。

  弦楽四重奏:プラジャーク・カルテット
   ヴァイオリン:ヤナ・ヴォナシュコーヴァ ヴァイオリン:ヴラスティミル・ホレク
   ヴィオラ:ヨセフ・クルソニュ チェロ:ミハル・カニュカ
  ヴィオラ:山碕智子=ロータス・カルテット

  ハイドン:弦楽四重奏曲 第81番(第66番) Op.77-1
  ブルックナー:弦楽四重奏曲

   《休憩》

  ブラームス:弦楽五重奏曲 第2番 Op.111

   《アンコール》
    モーツァルト:弦楽五重奏曲第1番変ロ長調 K.174から第3楽章メヌエット・マ・アレグレット



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