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最後のパリ散策:オルセー美術館(1)

2015年7月9日木曜日@パリ/11回目

ブーローニュの森Bois de Boulogneのバガテル公園Parc de Bagatelleから、バスとメトロ、PERで印象派の殿堂、オルセー美術館Musée d'Orsayに移動します。途中でエッフェル塔の横を通るので、見上げて御挨拶です。1時間ほどでオルセー美術館に到着。美術館の白い壁が青空に映えています。

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チケット購入の列に並ぶと、ちょうど6時になりました。割引料金の時間です。

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意外に列は短いです。列の先頭に出て、セキュリティチェックを待ちます。

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まず、入館チケットを購入。割引チケットは一人8.5ユーロです。

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館内マップはフランス語/英語/スペイン語で書かれています。日本語版はありません。

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改装後のオルセー美術館は初めてです。オルセー美術館を訪問するのは、2011年4月以来、およそ3年ぶりです。前回の訪問では、改装工事中のなか、無理な展示を見て、がっかりしました。改装後はどうなったんでしょうか。中に入ると、かなり多くの人がいます。まず、2階のゴッホとゴーギャンの展示コーナーを見て、満足。ゴッホの後期の名作の充実度は今回の旅で見たアムステルダムのゴッホ美術館を上回ります。ちょっと気になったのは勝手にぱちぱちと写真を撮っている人がいることです。美術館のスタッフも見て見ぬふりのようです。今回の訪問で驚いたのは、実はゴッホ、ゴーギャンの作品以外は写真撮影ができるようになっていたことです。以前は全面的に撮影禁止だったんですが、ヨーロッパの趨勢は写真撮影を可にしているところが増えてきており、このオルセー美術館もその流れに乗ったようです。ですから、撮影禁止のゴッホ、ゴーギャンのコーナーでも写真を撮る人がいたんですね。でも、どうやら、これもsaraiの勘違いでゴッホ、ゴーガンも写真撮影禁止ではなかったのかもしれません。日本でも特別展は別ですが、常設展は写真撮影を許可してもらいたいものですね。美術の大衆化が進むでしょう(最近は上野の国立西洋美術館の常設展は撮影可能になっていますね)。ですから、ゴッホとゴーガンの写真は残念ながらありません。
続いて、5階の印象派の大展示スペースに移動します。ここにはモネ、ルノワールなど名だたる印象派の画家の作品が一堂に会しています。ここからは写真を撮れるので、初めて、オルセー美術館の作品を写真でご紹介します。

まず、目に飛び込んできた絵はこれ。

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これって、マネの有名な《草上の食事》と構図が一緒ですが、着衣だし、マネっぽくないし、絵が2つに分断されているし、ええっと言う感じです。
慌てて、絵の説明板を見ると、クロード・モネが1865年~1866年に描いた作品です。

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マネが《草上の食事》を発表したのが1863年ですから、その2~3年後にモネが描いたんですね。絵が2つに分断されているのは、家賃を滞納した貧乏人のモネが家主に家賃代として取り上げられて、その後、取り戻した時には絵の損傷が激しくて、仕方なしに2つに分断したそうです。

クロード・モネの《かささぎ》です。1868-69年頃に描かれた作品です。これは素晴らしい作品ですね。代表作の《印象・日の出》(1872年)に先立つ3~4年前に描かれたものですが、やはり、モネの画力は凄いことを実感させられます。雪景色がとても美しく、標題のかささぎが画面の左端のほうにポツンと描かれています。文句なしの傑作です。ところで、かささぎはさっき、バガテル公園で見たばっかりですね。なにか、今日はかささぎに縁があります。

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クロード・モネの《ひなげし》です。1873年頃に描かれた作品です。1874年の第1回印象派展に《印象・日の出》などとともに出品されました。これも大好きな作品です。この頃のモネは特によかったですね。

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カミーユ・ピサロの《エルミタージュの丘、ポントワーズ》です。1873年頃に描かれた作品です。ピサロは同名の作品が何点か、あります。ピサロは1872年からセーヌ川下流のオワーズ川流域のポントワーズの裏側にあるエルミタージュ地区に住み、80年代まで中心的画題として、その地の風景を描きました。この作品もそのうちのひとつです。ピサロは印象派の画家のなかでは比較的地味な存在ですが、その作品は落ち着いた品格があり、saraiの好きな画家の一人です。

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ポール・セザンヌの《自画像》です。1875年頃に描かれた作品です。ごつごつしたタッチでまったく自分を美化しないところがセザンヌですね。

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ポール・セザンヌの《オーヴェール=シュル=オワーズの首吊りの家》です。1873年頃に描かれた作品です。セザンヌ初期の代表作です。この作品も第1回印象派展に出展されました。後年の作品に比べると、随分、柔らかいタッチで描かれていますが、大胆な画面構成はセザンヌならではのものです。なお、「首吊りの家」という奇妙な名前の家は画面の左上にある家で、一見すると2軒に見えますが、L字型の1軒の家だそうです。後年、このオーヴェール=シュル=オワーズに移り住んで一生を終えたゴッホもこの「首吊りの家」を逆の側から描いています。共通の友人のガシェ医師の示唆によるものかもしれません。この「首吊りの家」は現在でもほぼそのままの姿で残っているそうです。

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ポール・セザンヌの《農家の庭》です。1879年頃に描かれた作品です。一見、何でもない作品に見えますが、なかなか、手強い作品です。まず、その大胆な構図に驚きます。画面の両側が壁で切り取られ、強制的に真ん中の家に視線を集中させられます。そして、中央が葉の落ちた幹だけの木で分断されます。色彩も上から、青、緑、赤、茶、緑のブロックに区切られています。まるで具象的なイメージで描かれた抽象画の体をなしています。セザンヌが印象主義を脱却し、構成主義に移行した頃の作品です。

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カミーユ・ピサロの《赤い屋根、村のはずれの冬の印象》です。1877年頃に描かれた作品です。この作品もさきほどのピサロの作品と同様にポントワーズのエルミタージュ地区の風景を描いたものです。エルミタージュ地区のコート・デ・パブ(牛の丘)で制作しました。画面の手前の果樹園の木がリズミカルな構成で描かれ、その木立の先に並ぶ赤い屋根の家々との対比がとても絶妙です。ピサロの渾身の一作です。

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アルフレッド・シスレーの《ルーヴシエンヌの雪》です。1878年頃に描かれた作品です。いやはや、理屈抜きでとっても美しい作品です。この1枚だけでシスレーを好きになってしまいますね。シスレーは雪景色を多く描きましたが、なかでも彼が好んで描いたのがルーヴシエンヌの雪景色です。この作品は一番、雪深い景色で、雪道の奥にぽつんと黒い人影が見えます。なんとも印象深い作品です。

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こうやって見るとシスレーの絵も印象派としてはモネに並ぶレベルなのが分かります。

まだまだ、印象派の作品群は続きます。



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テーマ : ヨーロッパ
ジャンル : 海外情報

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オペラ・美術が大好きでヨーロッパの旅にはまっています。音楽の聖地ウィーンが中心で、イタリア、フランス、ドイツも巡っています。国内外のオペラ・コンサートの体験もレポートします。

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えりちゃさん、お久しぶりです。saraiです。

なかなか、海外渡航の見通し、立ちませんね。来年あたりはどうでしょうね。長期戦覚悟で我慢するしかありませんね。

こちら

04/10 02:37 sarai

saraiさま、
お久しぶりです!
お元気にコンサートや旅行を楽しんでおられますね!
ブログ、楽しく拝見しています。おフランス、良いね😊
私は春だというのに、仕事と用事以

04/09 05:29 えりちや

気になってたずねても 
誰にも知らんと言われなんやろ
と思いつづけて居ました❗
写真みつけてこれだと思いました❕スッとしました
教えて下さって嬉しいです
ありがとうご

02/13 22:26 みーちゃん

みーちゃんさん、saraiです。

あの謎の建物は雄琴沖総合自動観測所という施設で琵琶湖の水質を測定しているそうです。

https://www.water.go.jp/kansai/biwako/html/repo

02/13 21:40 sarai

ずーと前にうきみどうに行きました
やはり、琵琶湖の真ん中の建物が何なのか気になったままです
分かりましたか
教えてください

02/13 20:54 みーちゃん

五十棲郁子さん、コメントありがとうございます。

水道水のこと、tap waterって言うんですね。知らなかった。単にwaterで通していました。ましてや、フランス語はほとんど

02/11 00:12 sarai

フランスも地方へ行くと英語が通じないでしょう。tap water ぐらいフランス語で言えないとね。

02/10 12:54 五十棲郁子
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