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最後のパリ散策:オルセー美術館(4)

2015年7月9日木曜日@パリ/14回目

印象派の殿堂、オルセー美術館Musée d'Orsayで名画の数々を鑑賞中です。

ポール・セザンヌの《たまねぎのある静物》です。1895年頃に描かれた作品です。セザンヌのお得意の静物画です。でも、やっぱり、たまねぎの質感はもうひとつに感じます。やはり、りんごとかの果物の静物画のほうがいいですね。

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ポール・セザンヌの《坐る農夫》です。1900年~1904年頃に描かれた作品です。saraiは昔はセザンヌが苦手だったんです。最近は《サント=ヴィクトワール山》とか、静物画とかを見るといいなあと思うようになりましたが、こういうクールな人物画はあまりに地味過ぎて、とっかかりようがありません。肖像画の名人のように人物の内面に迫ろうとしているわけではないし、どう鑑賞したらよいのか、途方にくれます。とは言え、何となく、セザンヌらしい雰囲気は嫌いではありませんけどね。

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ポール・セザンヌの《レスタックから望むマルセイユ湾》です。1878年~1879年頃に描かれた作品です。比較的、初期の作品です。この作品も一見、単なる風景画のように見えますが、そこはセザンヌ。近景と遠景の描き分けが気になります。昔風に言えば、空気遠近法・色彩遠近法ということになるのでしょうが、ある意味、それを悪用して、遠景の質感を見事に描き出しています。この後に描くことになるサント=ヴィクトワール山のような雰囲気です。近景の南フランスの漁村、レスタックはきっちりと描いているように見えますが、セザンヌの対象への思い入れはあくまでも遠景のマルセイユ湾にあります。色彩を抑えた灰色のブロックでごつごつした質感を出して、マルセイユ湾の山々の存在感を浮き彫りにしています。この絵が描かれた当時は、セザンヌの意図は受け入れられたんでしょうか?

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ポール・セザンヌの《水浴の男たち》です。1890年~1892年頃に描かれた作品です。この水浴という主題もセザンヌが度々取り上げたものです。この作品はその水浴を主題とした一連の作品のひとつの到達点とみなされています。注目すべきはまず構図です。中央の直立する2人の男性と左右の端の体を中央の方に傾けた男性、そして、中央の不自然なほどに直立した樹木によって、全体の3角形の構図が作り上げられています。それはこの画面に安定感をもたらすものです。また、中央の2人の裸の男性の盛り上がった筋肉は古典的な彫像を連想させます。実際、セザンヌはルーヴル美術館での古代彫刻のデッサンをもとに裸の男性の筋肉隆々とした肉体を描いたそうです。これによって、この作品にモニュメンタルなイメージを盛り込んでいます。神聖な雰囲気とまで言えば、言い過ぎでしょうか。セザンヌの並々ならぬ意欲が見てとれる作品に仕上がったいますね。

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ポール・セザンヌの《台所のテーブル(生姜壷のある静物、籠のある静物)》です。1888年~1890年頃に描かれた作品です。またまた、セザンヌのお得意の静物画です。これはさきほどの静物画と違って、とっても分かりやすい作品です。セザンヌの静物画の代表作と言っても差し支えないでしょう。果物の質感、多視点で構成された画面の完成度、どこをとっても傑作の誉れです。絵画の美を表現するためには、いかなる不自然さも許容してしまう勇気と自由奔放さ。これこそ、来るべき20世紀絵画への道を指し示したともいえるエポックメーキングな作品です。

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ポール・セザンヌの《モデルヌ・オランピア(近代のオランピア、新オランピア)》です。1873年~1874年頃に描かれた作品です。この作品は、1865年のサロンに出品されたマネの《オランピア》をうけて、セザンヌが制作した作品です。題名の“モデルヌ”は近代の、とか、最新の、という意味で、マネが物議を醸してでも描いた、それまでの美術のお約束事であった、女性の裸体画は神話の世界の女神に限るということを打破した室内の娼婦の裸体を描くということを、さらに推し進めて、印象派の技法で描き出すということを目指したものです。ただし、saraiの目には、残念ながら、この作品はセザンヌの美的傾向からは外れた作品にしか思えません。まあ、初期の作品ですから、若気の至りっていうところでしょうか。

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ポール・セザンヌの《女とコーヒーポット(婦人とコーヒー沸かし)》です。1890年~1895年頃に描かれた作品です。セザンヌのエクス・アン・プロヴァンスの邸宅(父ルイ=オーギュスト・セザンヌが購入した家)で働いていた家政婦を描いたものです。いわゆる労働者階級を描いたものですが、なかなか威厳に満ちた姿に描いています。セザンヌのこの女性に対する畏敬の念の現れと見るべきでしょう。まるで画家自身の妻を描くようなまなざしに思われます。例によって、女性の内面に迫るアプローチではなく、画面構成や色彩感、質感にこだわった、静物画的なアプローチに思えます。ただ、即物的なクールさだけでなく、人間的な温か味も感じられる作品ではあります。

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今回は前回に引き続き、セザンヌの傑作群をご紹介しました。

セザンヌはある意味、印象派を突き抜けた存在ではありますが、まだまだ、印象派の作品群は続きます。



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オペラ・美術が大好きでヨーロッパの旅にはまっています。音楽の聖地ウィーンが中心で、イタリア、フランス、ドイツも巡っています。国内外のオペラ・コンサートの体験もレポートします。

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えりちゃさん、お久しぶりです。saraiです。

なかなか、海外渡航の見通し、立ちませんね。来年あたりはどうでしょうね。長期戦覚悟で我慢するしかありませんね。

こちら

04/10 02:37 sarai

saraiさま、
お久しぶりです!
お元気にコンサートや旅行を楽しんでおられますね!
ブログ、楽しく拝見しています。おフランス、良いね😊
私は春だというのに、仕事と用事以

04/09 05:29 えりちや

気になってたずねても 
誰にも知らんと言われなんやろ
と思いつづけて居ました❗
写真みつけてこれだと思いました❕スッとしました
教えて下さって嬉しいです
ありがとうご

02/13 22:26 みーちゃん

みーちゃんさん、saraiです。

あの謎の建物は雄琴沖総合自動観測所という施設で琵琶湖の水質を測定しているそうです。

https://www.water.go.jp/kansai/biwako/html/repo

02/13 21:40 sarai

ずーと前にうきみどうに行きました
やはり、琵琶湖の真ん中の建物が何なのか気になったままです
分かりましたか
教えてください

02/13 20:54 みーちゃん

五十棲郁子さん、コメントありがとうございます。

水道水のこと、tap waterって言うんですね。知らなかった。単にwaterで通していました。ましてや、フランス語はほとんど

02/11 00:12 sarai

フランスも地方へ行くと英語が通じないでしょう。tap water ぐらいフランス語で言えないとね。

02/10 12:54 五十棲郁子
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