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最後のパリ散策:オルセー美術館(8)

2015年7月9日木曜日@パリ/18回目

印象派の殿堂、オルセー美術館Musée d'Orsayで名画の数々を鑑賞中です。

0階での鑑賞を続けます。

エドワード・コーリー・バーン=ジョーンズの《王女サブラ》です。1865年頃に描かれた作品です。この頃のバーン=ジョーンズはラファエル前派に心酔しており、この作品もロセッティの絵画を思わせる雰囲気です。この作品で描かれている庭園で読書してる王女サブラは聖ゲオルギウスの有名な竜退治で救われる女性です。バーン=ジョーンズは友人たちと訪れたイタリアで15世紀イタリア絵画に関心を抱きました。中でもヴェネツィア派の画家カルパッチョの《聖ゲオルギウスと龍》から大きな影響を受け、その主題に基づく連作絵画《聖ゲオルギウス》を制作しました。この作品はその7枚の連作絵画の1番目になるものです。バーン=ジョーンズが描く女性はとても美しいですね。ロセッティに肉薄するほどの素晴らしさです。

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エドワード・コーリー・バーン=ジョーンズの《運命の女神の車輪》です。1877年~1883年頃に描かれた作品です。連作「運命の車輪」の4枚の絵画のうちの1番目のものになります。この1番目の《運命の女神の車輪》にはバーン=ジョーンズは思い入れが強かったようで、ほとんど同じ構図で7枚も描いています。オルセー美術館の作品はそのうちの6番目の作品のようです。さて、この作品の主題の「運命の車輪」というのは、ローマ神話の運命の女神フォルトゥーナFortunaが司る運命の車輪のことで、人々の運命を決めると言われています。saraiはすぐ音楽のことを連想してしまいますが、カール・オルフ作曲の世俗カンタータ《カルミナ・ブラーナ》の冒頭とフィナーレの有名な合唱が「おお、運命の女神よ」で、この運命の女神フォルトゥーナを主題としていますね。この作品は先ほど鑑賞したシャヴァンヌとはまた異なる画風で古典彫刻を思わせるものです。このバーン=ジョーンズも時代の趨勢を超越した絵画作品を残しましたが、最近、再評価されているようです。何と言っても作品が美しいですからね。芸術の根本は“美”であると信じています。

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モーリス・ドニの《ミューズたち》です。1893年頃に描かれた作品です。ドニは1890年にボナール、ヴュイヤールらとナビ派を結成します。ナビと言うのは、ヘブライ語で預言者のことで、絵画の世界で新しい表現を目指すという心意気をあらわすものだったそうです。同時にドニは1890年に発表した絵画理論の中で、「絵画は、本質的に、ある順序で集められた色彩で覆われた平坦な表面である」という有名な言葉を残しています。まさにその頃に描かれたのがこの作品です。平坦な表現でパステル画のような色調で輪郭線を強調した独特の画面を構成しています。画面には、9人のミューズたちが描かれていますが、決して、神話の世界の雰囲気ではなく、まるで現実の風景であるかのように描かれています。その独特の色彩感とデフォルメされた人物や木々は見る者の視線を捉えて離しません。saraiもこの作品の前にじっと立ち尽くしてしまいました。ところで何となく、ミューズたちがみな同じような印象を受けると思ったら、すべてモデルは妻マルタだったようです。画家の妻たちはみなモデルでもありますね。

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モーリス・ドニの《9月の夕べ》です。1891年頃に描かれた作品です。この作品も《ミューズたち》同様にドニの絵画理論通りに描かれています。画面全体が装飾的に構成されています。もう少しでマティスの世界が始まりそうな気配すら感じてしまいます。

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モーリス・ドニの《10月の夕べ》です。1891年頃に描かれた作品です。《9月の夕べ》と連作なのでしょうか。似たようなイメージではありますが、それぞれ独自の美しさに包まれていて、1枚1枚、見入ってしまいます。

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オルセー美術館には、モーリス・ドニの珠玉の作品が並んでいます。もっとほかの作品も見たくなります。ドニの魅力にはまってしまいそうです。

0階で鑑賞すべき作品はもう残り少なくなってきました。ロートレックとミレーくらいはさっと見ておきましょう。



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首都圏の様々なジャンルのクラシックコンサート、オペラの感動をレポートします。在京オケ・海外オケ、室内楽、ピアノ、古楽、声楽、オペラ。バロックから現代まで、幅広く、深く、クラシック音楽の真髄を堪能します。
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