オペラ《リナルド》@チューリッヒ歌劇場 2013.4.14
のっけの序曲から、あのヘンデルの美しいメロディ、一転してのダイナミックな早いパッセージに身も心もうっとり、のりのりになります。指揮のボルトンの優雅なタクトさばきも見事ですが、古楽アンサンブルの響きといったら、素晴らしい!の一言です。チューリッヒ歌劇場のオーケストラよりもずっと優秀に聴こえます。特にコンサート・ミストレスのおばさまの見事な演奏には惚れ惚れです。ヴァイオリン協奏曲もどきもあるんです。ともかく、コンチェルト・グロッソから室内楽、チェンバロ独奏まで、ヘンデルの器楽曲のほとんどのレパートリーが楽しめる、お得で嬉しいオペラがこの《リナルド》です。
歌手はリナルド役のソニア・プリーナが素晴らしいの一語。グラインドボーン音楽祭の《リナルド》公演のヴィデオで聴いたときよりも数段、上の歌唱です。力強さが増しています。リリックなところも聴かせます。存在感では、チューリッヒ歌劇場の花、マリン・ハルテリウスのアルミーダ役が突出しています。本来、敵役のアルミーダなので、ハルテリウスはアルミレーナ役を想像しますが、実際に聴いてみると、アルミーダ役にぴったりとはまっています。美しい彼女にこそ、アルミーダははまり役です。彼女が主役かと思ってしまうほどです。それに彼女がこんなにヘンデルのころころが歌えるとはビックリです。あとの歌手もみな及第点でした。特にアルガンテ役のルーベン・ドロールは声量も声の質も抜群です。アルミレーナ役のジェーン・アーチボルトもそれなりの歌唱で、有名なアリア《私を泣かせてください》は胸にジーンときました。もっとも、伴奏のオーケストラの演奏に半分以上、ジーンときたんですけどね。
今日のキャストは以下です。
指揮:アイヴァー・ボルトン
管弦楽:チューリヒ歌劇場“ラ・シンティラ”管弦楽団
演出:ジェンス-ダニエル・ヘルツォーク
リナルド:ソニア・プリーナ
アルミーダ:マリン・ハルテリウス
ゴッフレード:ローレンス・ザッツォ
アルミレーナ:ジェーン・アーチボルト
エウスタツィオ:アンナ・ゴリャチョーヴァ
アルガンテ:ルーベン・ドロール
こんな素晴らしいバロック・オペラが聴けるのは、やはり、ヨーロッパならではです。だから、ヨーロッパ詣ではやめられません。
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