バレエ《真夏の夜の夢》@ウィーン・フォルクスオーパー 2013.4.19
今日のキャストは以下です。
指揮:ローレンツ・C.アイヒナー
管弦楽:ウィーン・フォルクスオーパー管弦楽団
演出・振付:ヨルマ・エロ
オベロン:ロマン・ラツィク
ティターニア:オルガ・エシナ
パック:ミハイル・ソスノヴィッチ
テセウス:ライアン・ブート
ヒッポリタ:アレーナ・クロチコヴァ
ハーミア:プリスカ・ツァイゼル
ライサンダー:グライク・マシューズ
ヘレナ:ルイ・タマイ(玉井るい)
ディミトリウス:ドゥミトル・タラン
イージウス:アンドレイ・カイダノフスキー
音楽はメンデルスゾーンの劇音楽《真夏の夜の夢》と序曲ですが、バレエ全体の長さに不足するので、第1幕に同じくメンデルスゾーンの《ライ・ブラス序曲》と交響曲第4番《イタリア》、第2幕に《ヴァイオリン協奏曲ホ短調》の第2~3楽章が追加されています。
ほかの振付でも、やはり、同様に長さを補うためにメンデルスゾーンの序曲などが付加されていますが、曲は振付によって、異なります。
あらすじは、ほぼシェークスピアの原作通りです。複雑なストーリー展開ですが、結局は他愛無いロマンチックコメディーです。それを芸術に昇華させたのは天才シェークスピアの類まれなる筆の力です。
このエロ振付では、特にパックの役割が大きく、狂言回しを飛び越して、まさに主役です。それを踊ったミハイルの素晴らしさには、脱帽です。上半身裸で、身のこなしがおどけているようで、実に美しく、舞台を端から端まで駆け巡ります。場面転換で幕が下りると、必ず、幕の前に立ち、奇妙な動作で魅了します。そして、その彼の周りには、決まって、電飾で光っている小妖精(子供)たちが取り囲みます。これは原作にはありませんね。ともかく、仕草、顔の表情、ステップ、ジャンプ、すべてが見事でパーフェクトなダンスでした。
次いで、男女の妖精たちの群舞も美しいものでした。特に第1幕、《ライ・ブラス序曲》と交響曲第4番《イタリア》の第2~4楽章までは、舞台があまりピリッとした感じがありませんでしたが、《真夏の夜の夢》序曲が始まると、見事な群舞で実に華やかなシーンが展開されます。これこそ、バレエの醍醐味って感じです。第2幕の結婚行進曲のシーンでの群舞も見事でした。
さて、このバレエでは、ティターニアの踊りも楽しみなところ。今日はオルガ・エシナが踊ります。長身の彼女はスタイル抜群で、美人。立っているだけでも、絵になりますが、ステップ、ターン、すべてが美しく、群舞の間にはいっても、ひときわ、目立ちます。妖精の女王の貫禄も感じられますが、妖精の可愛らしさという面では、イリーナ・ツィンバルに軍配があがるそうです。はっぱさんのお話では、イリーナのティターニアは可愛らしく、妖艶だったそうですから、それも見てみたいものです。まあ、大人の女性の美しさを十分見せてくれたオルガにも満足でした。
ヘレナを踊った日本人バレリーナの玉井るいさんはコケティッシュな仕草と切れのよい踊りで、ヘレナ役を役割以上に魅力的に見せていました。今後の検討を祈りましょう。
ハーミア役のプリスカ・ツァイゼルは、まだ17歳だそうで、踊りもまだ未完成な部分が見られましたが、容姿の美しさは抜群です。彼女も今後が楽しみですね。
シェークスピアの名作をベースに楽しく、美しいバレエに堪能した一夜でした。
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