ガランチャの美し過ぎる?カルメン@ウィーン国立歌劇場 2013.6.2
そして、ガランチャのカルメンを聴き終えた今、素直な感想は、あらゆる意味でガランチャは美し過ぎるということに尽きます。素晴らしい美声、美しい容姿、何の不満とて、ありません。しかし、美し過ぎるカルメンには、毒がありません。もちろん、ガランチャは蓮っ葉さやエロチックさを表現していましたが、せいぜい、やんちゃな美女という感じです。その点、容姿も若さも劣り、美声でも張り合うことが難しいカサロヴァのカルメンのほうが1枚も2枚も上に思えます。saraiにとって、最高のカルメンは、チューリッヒ歌劇場で聴いたカサロヴァのカルメンです。その時の記事はここです。
カルメンの出来の評価は別にして、やはり、ガランチャ自体は素晴らしく、かなり、出産前の状態に戻ってきていると感じました。4月に聴いたシャルロッテは最高でしたし、昨年のオクタヴィアンも素晴らしかった。
こうなると、来週、ドレスデンで聴くオクタヴィアンにさらなる期待を持ってしまいます。指揮はティーレマンだしね。
ところで、オーケストラですが、手慣れたドゥ・ビリーの指揮にもかかわらず、出だしから、アンサンブルが揃っていなくて、少し、雑な演奏。次第にアンサンブルが揃ってくるのはいつものことですが、出だしからばしっと決めてほしいものです。まあ、ソロ・パートのうまさは抜群ですけどね。間奏曲のハープとフルートはさすがの演奏でした。
アラーニャは4月のウェルテルのときほどは声が出ていませんでしたが、感情移入した歌には慄然とさせられます。まさにドン・ホセ、女に捨てられて必死にすがろうとする純情な男を演じきっていました。今後のアラーニャには期待できそうです。
ミカエラを歌ったハルティッヒはそのリリカルな歌に心が揺さぶられました。ガランチャのカルメンも食ってしまいそうな勢いです。第1幕のドン・ホセとの愛の2重唱では、思わず、ほろりときてしまいました。実はsaraiはカルメンでは、あの場面が一番好きなんです。そのまま、ドン・ホセとミカエラの純愛で幕を閉じてしまってほしいくらいです。
マッシモ・カヴァレッティはチューリッヒ歌劇場でもエスカミーリョを歌いましたが、今回はより満足できる歌唱でした。この役もなかなか難しいですが、好演でした。
最後になりましたが、今日のキャストは以下です。
演出:フランコ・ゼッフィレッリ
指揮:ベルトラン・ドゥ・ビリー
管弦楽:ウィーン国立歌劇場管弦楽団
カルメン:エリーナ・ガランチャ
ドン・ホセ:ロベルト・アラーニャ
エスカミーリョ:マッシモ・カヴァレッティ
ミカエラ:アニータ・ハルティッヒ
明日は一転して、ベルリン・フィルでブルックナーを聴きます。ウィーンでは連日、凄いものを聴けます。
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この記事へのコメント
sarai さん、こんにちは。Steppke です。
Garanca、歌いましたね。
良かったですねぇ。うらやましい。(やっぱり行けば良かった..)
Kammersängerin(宮廷歌手)に奉られた時点で、今回は余程のことがない限り歌うだろうと、予想がついてました。
こうなると、1週間後のドレスデンが不安になって来ます。
それに洪水の被害がひろがっているようで、Feri さんの情報では、鉄道での移動に支障が出ているそうです。
ドレスデンは10年くらい前に Semperoper も水に浸かったし、心配です。
早く引いてくれると良いのですが..
2, saraiさん 2013/06/04 21:33
Steppkeさん、こんにちは。saraiです。
そうです。ガランチャ出ました。惜しいこと、しましたね。ウィーンでカルメン見るのは、アグネス・バルツァ以来ですが、若くて綺麗なカルメンでした。バルツァはあの、その・・・
次はドレスデンの心配ですね。とりあえず、ウィーンにおいでになるのをお待ちしています。
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