庄司紗矢香、文句なし!・・・ウルバンスキ&NDRエルプフィル@オーチャードホール 2017.3.7
ところで、今日のプログラムは伝統あるドイツのオーケストラにしては、前半はロシアもの、後半はドヴォルザーク、すなわち、チェコものとは、ある意味、驚きです。ブラームスとかベートーヴェンとかドイツものを何故やらないんでしょう。ヴァントの指揮でブルックナー、ベートーヴェン、ブラームス、シューベルトなどの名演をCDに残してくれていますし、古くはシュミット・イッセルシュテットのブラームスやフルトヴェングラーのブラームスの伝説の名演は忘れられません。そうそう、テンシュテットとのマーラーというのもありましたね。実は2005年の来日演奏では、アラン・ギルバートの指揮で庄司紗矢香とのブラームスのヴァイオリン協奏曲も取り上げています(NHKで放映されたので、saraiの秘蔵映像になっています)。まあ、ドイツもの以外もやるよってことでしょうか。でも、saraiの気のせいか、このオーケストラの持ち味だった渋いドイツ風の響きも聴けなかったような感じもあります。
ということで、後半のドヴォルザークの交響曲第9番「新世界より」ですが、なかなか美しい演奏で気持ちよくは聴けましたが、今一つ、お腹に響いてくるような迫力とか、渋みがありません。これが先ほどから書いているドイツ風の重心の低い響きが不足しているということにつながります。北ドイツ放送交響楽団という看板がなければ、素晴らしい演奏と褒め称えたいところですが、やはり、伝統の力に期待してしまいますからね。今度はドイツものでsaraiの懸念を払拭してもらいましょう。
とは言っても、今日のお目当ては庄司紗矢香のヴァイオリンを聴くことですから、十分に満足しました。コンサート自体、2月は1回も聴かなかったので、実演に触れて、音楽の楽しさを再認識しました。また、ぼちぼち、コンサートに通いましょう。
今日のプログラムは以下です。
指揮:クシシュトフ・ウルバンスキ
ヴァイオリン:庄司紗矢香
管弦楽:NDRエルプフィルハーモニー管弦楽団(ハンブルク北ドイツ放送交響楽団)
グリンカ:歌劇『ルスランとリュドミラ』 序曲
プロコフィエフ:ヴァイオリン協奏曲第1番 ニ長調 Op.19
《アンコール》バッハ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第2番イ短調 BWV1003より、第3楽章《アンダンテ》かな?
《休憩》
ドヴォルザーク:交響曲第9番 ホ短調 Op.95 「新世界より」
《アンコール》
ドヴォルザーク:スラヴ舞曲第1集 Op.46より、第8番ト短調
庄司紗矢香がアンコールで弾いたバッハの無伴奏ソナタですが、やはり心のこもった素晴らしい演奏でした。このところ、彼女はバッハに取りつかれているようです。また、昨年のような無伴奏のリサイタルを期待しています。
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