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今年はアンドラーシュ・シフのピアノを聴く年:シューベルト予習編

シューベルトの最晩年の遺作ソナタ3曲、第19~21番(D.958~D.960)のうち、ピアノ・ソナタ第20番 イ長調 D959とピアノ・ソナタ第21番 変ロ長調 D960の2曲について、集中的に聴きます。シューベルトのピアノ・ソナタ集(全集含む)や後期ピアノ・ソナタ集でこの2曲を録音したCDが多いのですが、第21番単独のものも結構あります。以下が聴いたCDです。計32枚(内、第21番D.960が20枚)です。


第21番D.960単独

クララ・ハスキル 1951年録音 スタジオ録音 モノ
クララ・ハスキル 1957年録音 ザルツブルク音楽祭 ライヴ録音 モノ
クララ・ハスキル 1957年録音 エジンバラ 第1楽章欠落 ライヴ録音 モノ
クリフォード・カーゾン 1972年録音 スタジオ録音
スヴャトスラフ・リヒテル 1972年録音 ザルツブルク ライヴ録音
マリア・ジョアン・ピリス 1985年録音 チューリッヒ スタジオ録音
ウラディミール・ホロヴィッツ 1986年録音
グリゴール・ソコロフ 1992年録音 ヘルシンキ音楽祭 ライヴ録音
マリア・ジョアン・ピリス 2011年録音 ハンブルク スタジオ録音
アンドラーシュ・シフ 2014年録音 1820年製作のウィーン製フォルテ・ピアノ使用


第20番D.959単独

マレイ・ペライア 1987年録音 ロンドン・ヘンリー・ウッド・ホール


ピアノ・ソナタ集(第20番D.959、第21番D.960)

ヴィルヘルム・ケンプ  1967年録音
アルフレード・ブレンデル 1971年録音
クラウディオ・アラウ  第20番 1982年
            第21番 1980年
マウリツィオ・ポリーニ 第20番 1983年 ウィーン楽友協会 
            第21番 1987年 ミュンヘン・ヘルクレスザール
アルフレード・ブレンデル 1987年/1988年録音
アンドラーシュ・シフ 1993年録音
田部京子 第20番 1997年 岐阜サラマンカ・ホール 
     第21番 1993年 秋川キララ・ホール
内田光子 1997録音 ウィーン楽友協会
アルフレード・ブレンデル 第20番 1999年 アムステルダム・スネイプ ライヴ録音
             第21番 1997年 ロイヤル・フェスティヴァル・ホール ライヴ録音
マレイ・ペライア 2002年録音 ドイツ・ノイマルクト


ご覧の通り、巨匠、名人たちが揃っています。いずれの演奏も素晴らしいものばかりですが、そろぞれの持ち味が異なるので、これだけ聴けばよいというものではありません。いずれも聴き逃がせない名演ばかりです。作品が作品だけに演奏者も持てる技術・精神力のありったけを注ぎ込んでいます。それにしても第20番D.959の音楽的完成度の高さ、第21番D.960の水墨画を思わせるような枯れた成熟度は30歳を少しだけ超えた青年の作品とは到底思えません。音楽史上に燦然と輝く素晴らしい傑作です。昔、最初に聴いた頃は何て長い作品なんだろうと思いましたが、今では短く思えて、もっと長くてもいいのにと思ってしまいます。

まず、第21番D.960で一番好きな演奏は何と言ってもクララ・ハスキルの3枚のCDです。第2楽章以降の素晴らしさは言葉では表せないほどです。中でも1951年のスタジオ録音はモノラルながら音質もよく、ハスキルならではのピアノの響きに感動してしまいます。第20番D.959もいかにもハスキルに向いた作品なので、彼女が演奏を残してくれなかったのがとっても残念です。saraiの頭の中では彼女の演奏する様子が想像できるのですが、実際の音がなければ何にもなりません。

クリフォード・カーゾンの演奏も素晴らしいです。何度も聴きたくなるような魅力があります。世評に高いリヒテルはいくらなんでもテンポが遅過ぎの感でもうひとつ琴線に触れません。ただ、ユニークな演奏なので一度は聴いておかねばなりません。巨匠ホロヴィッツはよほど、この第21番D.960がお好みだったようで、晩年に録音を残してくれました。愛情あふれる演奏です。マリア・ジョアン・ピリスの第21番D.960も好きな演奏です。新しい録音のほうが聴き応えがありました。マレイ・ペライアも美し過ぎる演奏です。彼のピアノの響きを聴いているだけでも天国に上る心地になります。そして、天才ポリーニの演奏はやはり素晴らしいです。昔から手元に置いている愛聴盤ですが、その冴えた演奏は誰にもまねができません。その素晴らしさを再認識しました。昔から聴いていると言えば、ヴィルヘルム・ケンプもその一人です。彼のドイツ的な演奏は心がなごみます。
さて、日本人演奏家ですが、内田光子はさすがの演奏。今回初めて聴いた田部京子にはびっくりです。こんなに弾ける人がいたんですね。ともかく、ロマンティックな雰囲気が醸し出される演奏に聴き惚れます。
そして、やっぱり、アルフレード・ブレンデルのシューベルトは素晴らしいです。1970年代、1980年代、1990年代の3種類を聴きましたが、1970年代、1980年代の演奏はとってもいいです。これって、saraiがシューベルトのピアノ・ソナタを初めて聴いたレコード(1970年代)だったんです。当時、シューベルトのピアノ・ソナタに夢中になったことを思い出しました。一時、ブレンデルの実演を聴いて、その退屈さに心が離れていましたが、今回、久しぶりに聴き直して、その素晴らしさを再認識しました。なお、1990年代の演奏はライヴ録音で、緊張感はありますが、音楽的な完成度では、1970年代、1980年代には及びません。資料的な価値はあります。

肝心のアンドラーシュ・シフですが、今日は第20番D.959までしか聴いていません。第21番D.960はリサイタルの前日に予習します。第20番D.959は明日の演奏が待ち遠しくなるような美しい演奏でした。現在のシフはもっと完成度の高い演奏を披露してくれるでしょう。



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テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

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オペラ・美術が大好きでヨーロッパの旅にはまっています。音楽の聖地ウィーンが中心で、イタリア、フランス、ドイツも巡っています。国内外のオペラ・コンサートの体験もレポートします。

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06/23 23:50 sarai

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11/09 22:13 sarai

尻上がりに素晴らしくなりました!
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