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美しきアランフェス!メストレ&読売日本交響楽団@みなとみらいホール 2017.5.27

ハープ版のアランフェス協奏曲も悪くありません。無論、ギター版が本筋ですが、2回目に聴くメストレのハープのアランフェス協奏曲も耳慣れしてきたせいか、自然に聴こえます。メストレの演奏もこれまでで一番よかったような気がします。ハープという楽器の性格上、音量が小さいということはどうしようもありませんが、それ以外はとても素晴らしい演奏でした。読売日本交響楽団のサポートも素晴らしく、とてもバランスのよい演奏でした。なかでも有名な第2楽章のハープ、オーケストラの演奏は格別でした。冒頭のハープのソロに続くコールアングレの独奏にはただただ、うっとりさせられました。コールアングレの演奏は北村貴子さんだったようです。その情感あふれる演奏は感涙ものでした。続くハープのソロでメストレも負けずに素晴らしい演奏。これでこそ協奏曲です。

プログラム前半は芥川也寸志の《弦楽のための三楽章「トリプティーク」》。初めて聴きましたが、この曲はショスタコーヴィチを連想する明快な音楽です。読売日本交響楽団の演奏はまさに明快、くっきりしたもので最上のアンサンブル。ただ、日本人作曲家が過去にこういうショスタコーヴィチばりの曲を作っていたのは何か、違和感もあります。楽しくは聴けたのですが・・・。

後半の今日のメインの曲目、ブラームスの交響曲第1番ですが、saraiの偏見かもしれませんが、どうしても日本人指揮者のブラームスは納得したことがありません。残念ながら、今日もその偏見がくつがえることはありませんでした。一体、何が納得できないのか、演奏を聴きながら、考え込んでしまいましたが、強いて言えば、響きでしょうか。ブラームスのロマンを感じるけれども、渋くもある、ほの暗い独特の響きが不足している感じです。特に第1楽章のハ短調の響きが明るく響いてしまって、これは読売日本交響楽団の美しい響きが逆効果に感じられます。最後の第4楽章に至って、ハ長調に転じるところからは、かなり、納得できる響きには感じられはします。圧倒的なフィナーレで、もやもやが解消されるかと思っていたら、そこは響きではなく、盛り上がりの推進力が空回りの印象です。もちろん、悪かっただけではなく、読売日本交響楽団の素晴らしいアンサンブルは見事でしたし、とりわけ、木管の素晴らしい響きにはうっとりさせられ続きでした。ハードルを少し下げれば、素晴らしい演奏ではあったんです。実は今回がちょうど、よい機会だと思って、予習がてら、聴いていなかったCDをたくさん聴いたのがよくなかったのかもしれません。それも粒よりのCDばかりだったんです。予習したCDは以下です。

 1950年7月  フルトヴェングラー指揮アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団
 1951年10月 フルトヴェングラー指揮北ドイツ放送交響楽団
 1952年1月  フルトヴェングラー指揮ウィーン・フィル
 1952年2月  フルトヴェングラー指揮ベルリン・フィル
 1951年 ベイヌム指揮アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団
 1958年 ベイヌム指揮アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団
 1952年9月 トスカニーニ指揮フィルハーモニア管弦楽団
 1967年6月 シュミット=イッセルシュテット指揮北ドイツ放送交響楽団
 2002年9月 ハイティンク指揮シュターツカペレ・ドレスデン

フルトヴェングラーは録音のよいウィーン・フィルとベルリン・フィルが素晴らしく、とりわけ、ウィーン・フィルとの演奏には圧倒されました。今回、一番の聴きものだったのはベイヌムです。今まで、ほとんど聴いたことがありませんでしたが、素晴らしいブラームスです。特に1958年の録音はステレオで音質も素晴らしく、聴き惚れてしまいました。ブラームスの残りの第2~4番を聴くのが楽しみです。トスカニーニは手兵のNBC交響楽団ではなく、伝説的なフィルハーモニア管弦楽団とのライヴ録音です。ある意味、トスカニーニらしくない、柔らかい演奏ですが、緊張感あふれる演奏でもありました。これも残りの第2~4番を聴くのが楽しみです。シュミット=イッセルシュテットの演奏は定評のあるものです。ステレオ録音ではありませんが、それを感じさせない音質です。やはり、世評通りの素晴らしい演奏でした。ハイティンクのブラームスは全集がアムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団、ボストン交響楽団、ロンドン交響楽団の3種がありますが、このシュターツカペレ・ドレスデンとの第1番はロンドン交響楽団との全集録音の直前にライヴ録音したものです。演奏のコンセプトはロンドン交響楽団との演奏とほぼ同じで、大変、素晴らしいです。一昨年、ロンドン交響楽団との来日公演で聴いた最高の演奏を思い出しました。
と言うことで、素晴らしい9枚のCDを聴いたので、ちょっと、今日の演奏の評価には厳しくなってしまったようです。

今日のプログラムは以下です。

  指揮:尾高 忠明
  ハープ:グザヴィエ・ドゥ・メストレ
  管弦楽:読売日本交響楽団 小森谷 巧(コンサートマスター)

  芥川也寸志:弦楽のための三楽章「トリプティーク」
  ロドリーゴ:アランフェス協奏曲(ハープ版)
   《アンコール》ファリャ:オペラ《はかなき人生》よりスペイン舞曲 第1番

   《休憩》

  ブラームス:交響曲 第1番 ハ短調 Op.68


今日の演奏会場が横浜みなとみらいホールだったので、コンサート終了後、横浜で開催中の全国都市緑化よこはまフェア、愛称:ガーデンネックレス横浜2017のバラを見に行きます。実は5月初旬にも見ましたが、まだ、バラがほとんど咲いていなかったんです。先週、見に行った配偶者からバラが満開だったということを聞いたので、saraiもそれではと出かけることにしました。会場の港の見える丘公園で、素晴らしい満開のバラを見て、感動! 

2017052701.jpg


公園のデザインも含めて、ヨーロッパでも見られないレベルだと思いました。次に山下公園に移動。ここも凄まじい量のバラが咲き誇っています。

2017052702.jpg


岸壁近くには、こんなお茶目なガーデンベアの立体花壇もあります。

2017052703.jpg


バラ園の花壇をよく見ると、バラの間にライトのようなものが見えます。夜はライトアップするようです。これは夜を待って、ライトアップしたバラを見ないといけませんね。山下公園の向かいには、ホテル・ニュー・グランドがあります。とりあえず、そこで有名なナポリタン(発祥のレストラン)でも食べようと配偶者が言ってくれるので、断る手はありません。予約していないので、少し待ちましたが、コーヒーハウス ザ・カフェのテーブルにつくことができました。しかし、パスタと言っても、ナポリタンは2000円近くします。カレーライスも2500円。それくらいなら、貧民は3500円の格安コース(3皿)でもいただきましょう。肉と魚の2種類をオーダーして、2人でシェアしていただきました。何故か、コースではパンかライスか、選べます。普通はパンしか食べませんが、配偶者がライスと言ったのに反応して、saraiもライスをオーダー。これが正解でした。懐かしい洋食のような味だったので、ライスで美味しくいただきました。大変、コスパがよいので、また、来ようねってことになりました。で、ライトアップされたお洒落なバラ園を散策しながら、ご機嫌で帰還しました。結局、1万5千歩以上も歩き、疲れましたが、充実した1日でした。
明日から、コンサート通いがまだ3日続きます。


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たまには、旅ブログも書きます。

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じじいさん、コメントありがとうございます。saraiです。
思えば、もう10年前のコンサートです。
これがsaraiの聴いたハイティンク最高のコンサートでした。
その後、ザル

07/08 18:59 sarai

CDでしか聴いてはいません。
公演では小沢、ショルティだけ

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クルト。ザンデルリング、ヴァント、ハイティンク
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07/08 15:53 じじい@

saraiです。
久々のコメント、ありがとうございます。
哀愁のヨーロッパ、懐かしく思い出してもらえたようで、記事の書き甲斐がありました。マイセンはやはりカップは高く

06/18 12:46 sarai

私も18年前にドレスデンでバームクーヘン食べました。マイセンではB級品でもコーヒー茶碗1客日本円で5万円程して庶民には高くて買えなかったですよ。奥様はもしかして◯良女

06/18 08:33 五十棲郁子

 ≪…明恵上人…≫の、仏眼仏母(ぶつげんぶつも)から、百人一首の本歌取りで数の言葉ヒフミヨ(1234)に、華厳の精神を・・・

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