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魅惑するシェエラザード:読売日本交響楽団@みなとみらいホール 2017.6.11

今日は本当に期待していたのはショスタコーヴィチのチェロ協奏曲 第1番でしたが、綺麗な演奏に留まり、ショスタコーヴィチの本質を抉るようなところまでいかなかったのは残念でした。宮田 大のチェロがもっと突っ込んだ演奏をしてくれるだろうと大いに期待していたのですけどね。オーケストラもそのチェロをサポートするだけで丁々発止といかなかったことも残念な点です。
むしろ、今日の収穫だったのは最初に演奏されたシベリウスの"トゥオネラの白鳥"がとても美しかったことと後半のリムスキー=コルサコフの交響組曲「シェエラザード」がメリハリの利いた素晴らしい演奏だったことです。

今日のプログラムは以下です。

  指揮:ダニエル・ブレンドゥルフ
  チェロ:宮田 大
  管弦楽:読売日本交響楽団 長原 幸太(コンサートマスター)

  シベリウス:組曲「レンミンカイネン」から"トゥオネラの白鳥"
  ショスタコーヴィチ:チェロ協奏曲 第1番 変ホ長調 Op.107
   《アンコール》サン=サーンス:『動物の謝肉祭(動物学的大幻想曲)』より第13曲「白鳥」

   《休憩》

  リムスキー=コルサコフ:交響組曲「シェエラザード」Op.35


冒頭の"トゥオネラの白鳥"は弦の美しさとイングリッシュホルンの素晴らしい演奏が光りました。特に北村貴子のイングリッシュホルンは毎回、素晴らしい響きで魅了されます。前回のアランフェス協奏曲のときと同様に見事な演奏でした。

ショスタコーヴィチはチェロ協奏曲 第1番は宮田 大のチェロの響きの美しさは特筆すべきものでしたが、やはり、ショスタコーヴィチの深刻さ、沈痛さを特に第2楽章、第3楽章で表現してもらいたかったものです。この曲の新古典主義のシンプルな美しさは表現されていましたが、ショスタコーヴィチはそれだけでは本質に迫れないでしょう。サポートすべきオーケストラもあまりにおとなしい演奏でがっかりです。予習したCDは以下です。

 ミッシャ・マイスキー マイケル・ティルソン・トーマス指揮ロンドン交響楽団

マイスキーのチェロは見事です。ショスタコーヴィチの本質に迫る気迫の演奏でした。

後半の「シェエラザード」は読売日本交響楽団のオーケストラの機能性が十分に発揮された見事な演奏でした。特に弦と木管の響きは最高に素晴らしいものでした。長原 幸太のソロ・ヴァイオリンの美しい響きには魅惑されました。また、この曲はチェロのソロが活躍することに初めて気が付きました。遠藤真理のチェロはさすがに素晴らしいですね。木管ではフルートが素晴らしい響きとテクニック。倉田 優のフルートですね。今後、注目しましょう。予習したCDは名演の誉れ高いチェリビダッケの海賊盤です。

 セルジュ・チェリビダッケ指揮ミュンヘン・フィル レーベルはMETEOR

今回の演奏とは多分、10分以上も遅い演奏ですが、チェリビダッケらしく、濁らない響きの美しい演奏です。ただ、もう少し、速くないと部分的に迫力に欠けるきらいもあります。好みの分かれる演奏になるでしょう。まあ、一度聴いてみる価値はあるとは思います。

「シェエラザード」の素晴らしい演奏の余韻に浸りながら、みなとみらいのインターコンチネンタルホテルの裏の横浜港を望む岸壁で美しい風景を眺めます。風も涼しく、しばらく、海を見ていました。30分ほど、配偶者と何でもない話をして、ゆったりした時間を過ごしました。夕刻になって、みなとみらいの遊園地のざわめきの中を抜けて、ランドマークタワーに向かいます。今日は配偶者が誕生月特典の割引を利用して、フレンチのディナーをご馳走してくれるそうです。いつものランドマークタワーの68階の高層レストラン「ル シエール」です。予約していたので、窓際の眺めのよい席に案内されます。
まずは贅沢にシャンパンをいただきます。

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今日はコース料理《星のきらめき》をいただきます。
アントレはホワイトアスパラガスとホタテ貝です。ホワイトアスパラガスはしゃきしゃきして美味しく、ホタテ貝もこりっとした美味しさで満足。

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パンはsaraiはフランスパンを選択。さすがの美味しさです。

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スープはトマトの冷製スープ。上品で複雑な味の絶品です。ガスパッチョよりも美味しいねって、配偶者とうなづきあいます。

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魚は鱸のカダイフ巻き。カダイフというのはトウモロコシの粉をパスタのようにしたものだそうです。この揚げたカダイフと鱸がマッチして絶妙な味わいです。

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ここでグラニテとして、ソルベが出ます。さっぱりしますね。

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メインは仔牛フィレ肉のポワレをsaraiがいただきます。

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配偶者は合鴨胸肉のポワレです。無論、いずれも文句のつけようのない美味しさ。

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デザートは定番のクレームブリュレ。「ル シエール」自慢の一品だそうです。ぱりっとして美味しいです。

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2時間かけてディナーをいただくうちに外は美しい夜景になりました。みなとみらいから横浜駅のほうにかけての光の絨毯です。

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ちなみに視界がよければ、富士山ももちろん見えます。サービスにここからの眺めの写真をいただきました。

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スカイツリーや筑波山も見えるそうです。

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今日は耳も舌も贅沢をして、よい1日になりました。



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ジャンル : 音楽

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首都圏の様々なジャンルのクラシックコンサート、オペラの感動をレポートします。在京オケ・海外オケ、室内楽、ピアノ、古楽、声楽、オペラ。バロックから現代まで、幅広く、深く、クラシック音楽の真髄を堪能します。
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08/04 21:31 G線上のアリア

じじいさん、コメントありがとうございます。saraiです。
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07/08 18:59 sarai

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07/08 15:53 じじい@

saraiです。
久々のコメント、ありがとうございます。
哀愁のヨーロッパ、懐かしく思い出してもらえたようで、記事の書き甲斐がありました。マイセンはやはりカップは高く

06/18 12:46 sarai

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コメント、ありがとうございます。正直、もう2年ほど前のコンサートなので、詳細は覚えておらず、自分の文章を信じるしかないのですが、生演奏とテレビで

05/13 23:47 sarai
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