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シューベルト&ショスタコーヴィチ ツィクルス III:ハーゲン・カルテット@トッパンホール 2017.7.5

ハーゲン・カルテットの〈ハーゲン プロジェクト 2017〉と銘打った3夜連続のコンサート・シリーズの3夜目(最終日)です。シューベルトとショスタコーヴィチの後期の作品を並べたものですが、今日は2人の最後の弦楽四重奏曲、第15番が演奏されました。

前半のショスタコーヴィチの弦楽四重奏曲第15番は何という張り詰めた緊張感の演奏でしょう。saraiも聴衆も息をひそめるような雰囲気です。この作品は作曲した翌年にショスタコーヴィチがこの世を去りますが、彼は自分の死を悟って、最後の弦楽四重奏曲を作ったようです。そのため、弦楽四重奏曲というよりもモノトーンのレクイエムといったほうがふさわしい作品です。この作品を聴くときはいつも、ショスタコーヴィチを偲ぶ会に参列しているような気分になりますが、今日もまさにそんな感じです。ハーゲン・カルテットの集中力のある演奏には感銘を受けるばかりです。単なる音楽を超えた何かが心に響いてきました。演奏者も聴衆も最後は魂のぬけがらのようになってしまうくらい、緊張感の持続を強いられました。ふーっ、疲れた!!

そして、真の意味で音楽に魅了されたのは後半のシューベルトです。このシューベルトの作品は同じく最後の弦楽四重奏曲とは言え、ショスタコーヴィチと違って、シューベルトは死の予感などはなく、彼の創作力の頂点で作られた傑作中の傑作です。最晩年の室内楽作品を別にすると、室内楽の高みを極め、さらに上を目指していくというものです。ハーゲン・カルテットの演奏はアーティキュレーションの限りを尽くして、シューベルトの魂の奥底に迫る絶対的な名演を聴かせてくれました。とりわけ、第4楽章の精妙さとダイナミズムを兼ね備えた演奏はただただ、惹きつけられるものでした。ハーゲン・カルテットのメンバーも力を出し尽くした感のある究極の演奏でした。どのフレーズもパーフェクトで心のこもった演奏で、saraiはその演奏に頭が下がる思いです。音楽を演奏する行為は大変な労苦を強いられることが間近で聴いて実感できました。これまた、聴いているこちらも疲れました!! でも充足感に満ちた演奏に大満足。もちろん、力を出し尽くした彼らはアンコールなし・・・当然です。

今日のプログラムは以下のとおりです。

 〈ハーゲン プロジェクト 2017〉シューベルト&ショスタコーヴィチ ツィクルス III

ハーゲン・カルテット Hagen Quartett
    ルーカス・ハーゲン Lukas Hagen (ヴァイオリン)
    ライナー・シュミット Rainer Schmidt (ヴァイオリン)
    ヴェロニカ・ハーゲンVeronika Hagen (ヴィオラ)
    クレメンス・ハーゲン Clemens Hagen (チェロ)

  ショスタコーヴィチ:弦楽四重奏曲第15番 変ホ短調 Op.144

   《休憩》

  シューベルト:弦楽四重奏曲第15番 ト長調 D887


大変、素晴らしい3日間でした。特にシューベルトの魂と通じ合ったような演奏は最高でした。成熟の時を迎えたハーゲン・カルテットは次に何を聴かせてくれるのでしょうか。
最後にこのコンサートに集まった聴衆のレベルの高さにも敬意を表したいと思います。曲の終了後のフライングの拍手などは皆無で、静まり返ったホールは聴衆の感動に満ちていました。演奏したハーゲン・カルテットもこういう聴衆には満足したでしょう。



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テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

       ハーゲン・カルテット,

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たまには、旅ブログも書きます。

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