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魅惑のハイドン、美しい響きのブルックナー・・・ミンコフスキ&東京都交響楽団@東京文化会館 2017.07.10

実に半年ぶりに聴く東京都交響楽団の演奏です。もちろん、saraiは都響の定期会員のままですが、現在、改修中のサントリーホールの定期会員なので、サントリーホールの再開待ちなんです。定期演奏会は一時的に東京オペラシティで開催中ですが、それはパスしてしまったので、9月のサントリーホールの再開後の定期演奏会から再び聴く予定です。今日はマルク・ミンコフスキの指揮という魅力に惹かれて、東京文化会館の定期演奏会にお邪魔させていただきました。

前半のハイドンは小編成での演奏ですが、ミンコフスキの操る都響の演奏は見事としか言えません。変な表現ですが、フランス風のハイドンという感じで、とても魅力的です。バロック風、宮廷風でありながら、とても斬新な感じもあります。こういうハイドンならば、全交響曲を聴き通したいとさえ思ってしまいます。アンサンブルの精緻さは当然ですが、ハイドンがいかに構造的な作品を生み出したかがくっきりと浮かび上がるような構築性のある演奏です。第1楽章の序奏の美しい響きに心を奪われていると、流麗な主部が始まります。都響には珍しいヴァイオリンを対向配置したことで、第2ヴァイオリンの掛け合いが構造的に響いてきます。その弦の響きの向こうから、美しい木管が割り込んでくるという具合に実に有機的に織り込まれた魅惑の演奏が続きます。第2楽章に入ると、弦の響きがさらに冴え渡ります。うっとりと聴き入るのみです。第3楽章は典雅な響きです。続く第4楽章の活き活きとした弾むような生命感あふれる演奏には、聴きながら思わず笑みがこぼれてしまうほどの音楽の喜びが満ち溢れています。熱演なのですが、むしろ、心に残ったのは瑞々しさと爽やかさに包まれたハイドンでした。第1級の演奏を聴かせてもらいました。

後半のブルックナーですが、普段、あまり聴かない第3番です。ですから、的確な判断が難しいというのが本音です。半年前に聴いた都響の演奏がやはり、同じブルックナーでしたが、それは第5番で美しくて、素晴らしい演奏でした。今日の第3番も終始、濁りのない美しい響きで、都響はすっかり、ブルックナー・オーケストラと化したかのような感じです。ブルックナーの響きという面では文句なしに素晴らしい演奏でした。とりわけ、今日演奏された第3番は珍しい1873年初稿版なので、ワーグナーのワルキューレやタンホイザーの引用も美しく響き、ワーグナーに触発されたブルックナーの音楽の魅力が直に伝わってくる感じでした。それはそれでよいのですが、正直、物足りなさも感じます。指揮やオーケストラは見事ですが、それだけにこのコンビでもし第9番を聴いたら、どうなんだろうと想像してしまうんです。ブルックナーの響きにうっとりはしましたが、感動にまでは至りません。やはり、ブルックナーならば、感動したいですよね。そろそろ、このコンビで後期の交響曲に取り組んではいかがなものでしょう。

予習ですが、ハイドンは以下を聴きました。

 トマス・ビーチャム指揮ロイヤル・フィル
 シギスヴァルト・クイケン指揮ラ・プティット・バンド

ビーチャムの古き良き日の演奏に心を奪われました。

ブルックナーの1873年初稿版のCDはほとんどありません。インバル盤、シモーネ・ヤング盤というところなので、手持ちのインバル盤を聴こうかとも思いましたが、伏兵とも思えるロジェストヴェンスキーのブルックナー完全全集なるなるものに心が動きました。第8番第1稿を除いて、録音当時存在していた複数ヴァージョンをすべて網羅したという鬼のような全集です。もちろん、第3番の1873年初稿版も含まれています。第2稿も第3稿もあります。なんだか奇妙な響きの演奏でしたが、興味津々の演奏ではありました。先日、読響でスクロヴァチェフスキがブルックナーの第5番を指揮するとのことで聴きに行くつもりでしたが、残念ながら健康上の理由でスクロヴァチェフスキの来日が取りやめになり(その後、スクロヴァチェフスキはお亡くなりなりました。合掌)、代わりにロジェストヴェンスキーが指揮をすることになり、結局、saraiは聴きにいかなかったんです。しかし、これは後で考えると残念なことでした。何とロジェストヴェンスキーは悪名高きシャルク版で第5番を演奏したそうです。ある意味、これは聴きものだったようです。因みにロジェストヴェンスキーのブルックナー完全全集には第5番は原典版のみでシャルク版は含まれていません。シャルク版はシャルクが第5番を初演したときのもので、大幅なカットや改変をほどこし、シンバルが鳴り別働隊のブラスが加わるという大変興味深いものです。ロジェストヴェンスキーって、変人ですね。ともかく、変人ロジェストヴェンスキーで予習をしましたが、今日のフランスの才人ミンコフスキの演奏はとってもまっとうなものでした。


今日のプログラムは以下のとおりでした。

  指揮:マルク・ミンコフスキ
  管弦楽:東京都交響楽団

  ハイドン:交響曲第102番 変ロ長調 Hob.I:102

   《休憩》

  ブルックナー:交響曲第3番 ニ短調 WAB103《ワーグナー》(ノヴァーク:1873年初稿版)


これで9月のサントリーホールの再開までは都響を聴くのはお休みかと言うと、それは違います。来週、ヨーロッパ遠征の直前ですが、インバル指揮のマーラーは聴き逃せません。ザルツブルク音楽祭でハイティンク指揮のウィーン・フィルでマーラーの交響曲第9番を聴きますが、それに先駆けて、マーラー晩年のもう一つの傑作《大地の歌》を聴かなくてはね。5年前にインバル&都響で聴いた《大地の歌》は素晴らしい演奏でした。そのときの感想はここです。



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オペラ・美術が大好きでヨーロッパの旅にはまっています。音楽の聖地ウィーンが中心で、イタリア、フランス、ドイツも巡っています。国内外のオペラ・コンサートの体験もレポートします。

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お返事ありがとうございます。
本当に!私もレイルジェットや美術館の手配もしているので、祈るような気持ちです。

03/10 19:06 kico

kicoさん、初めまして。saraiです。

心配ですね。私はそのまま、沈静化するのを待っています。シュターツオーパーのチケットも購入しました。何としても行こうとは思って

03/09 22:12 sarai

はじめまして。私も同じ時期にウィーン滞在の計画をしており、楽友協会でのベルリンフィルのチケットを購入しました。が、新型コロナの件で、そもそも旅行に出られるのかど

03/09 16:59 kico

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01/18 15:18 sarai

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01/18 13:50 hisa

のりしんさん

saraiです。コメントお寄せいただき、ありがとうございました。
同じ追っかけ仲間、今後ともよろしくお願いいたします。
彼女の声は素晴らしいですね。

12/01 12:07 sarai

私も中村さんの追っかけやっております。昨日の演奏も圧倒的でしたね。中村さんの歌を聴いていると、なぜか涙腺が緩んで来ます。

12/01 09:39 のりしん
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