オペラ《ムチェンスク郡のマクベス夫人》ヤンソンス指揮ウィーン・フィル クリーゲンブルク演出@ザルツブルク祝祭大劇場 2017.8.5
このオペラはなかなか音楽が難解ですが、オペラ自体を一言で言うとこうなります。愛の不毛は心が凍り付くような恐怖。どこにも救われるところはありません。フィナーレでは配偶者の愛にすがりつきたくなったsaraiでした。
このオペラを見事に表現したのはヤンソンスの力です。こういう音楽で彼がウィーン・フィルを振ると、あの優美で柔らかい響きを持つウィーン・フィルも暴力的ともいえる野性的な響きに変身します。その対極で繊細な音楽も奏でて、愛の不毛とその結果である底なしの恐怖を徹底的に暴き出します。ヤンソンスの棒に応えたウィーン・フィルも底なしの実力です。
歌手もまあよかったのですが、これはオーケストラの演奏を楽しむオペラでしょう。伝統のウィーン・フィルと巨匠ヤンソンスはさすがの超ど級の演奏で、そう簡単に、クルレンツィスとムジカエテルナに牙城を明け渡しませんね。
また、ウィーン国立歌劇場でオペラを見たくなりました。
今日のプログラムは以下です。
ショスタコーヴィチ:歌劇「ムチェンスク郡のマクベス夫人」
指揮:マリス・ヤンソンス
管弦楽:ウィーン・フィル
演出:アンドレアス・クリーゲンブルク
カテリーナ:ニーナ・シュテンメ
ボリス:ディミトリー・ウリャノフ
セルゲイ:ブランドン・ヨヴァノヴィッチBrandon Jovanovich
多分、この公演はNHKでも放映するでしょうから、その凄さを皆さんも味わってくださいね。ヨーロッパで聴くオペラの凄さを体感しました。そうそう、saraiはヤンソンスに最も近い最上の席でヤンソンスと一緒に指揮している感覚を味わいました。
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