モーツァルト・マチネ2 アントニーニ&ザルツブルグ・モーツァルテウム管、ベザイデンホウト@ザルツブルク・モーツァルティウム大ホール 2017.8.5

ところでシャンパンではありませんでしたね。ミネラルウォーターをただのワイングラスで飲んでいたようです。
サインはこちら。こんなお洒落なサインはもらったことがありません。さすがにオランダ人です。

サインをもらった後で、彼に今日のアンコール曲を尋ねると、モーツァルトのSuiteだと答えてくれました。まさかモーツァルトだとは思っていなかった上、モーツァルトに組曲:Suiteがあるとは知らなかったので、聞き違えかと思って、えっと言う顔をしていると、重ねて、Suiteと言った上で、K.399と教えてくれました。サンキュウ! 後で調べると、モーツァルトはこの時期、バロックショックを受けて、J.C.バッハやヘンデルの音楽を研究していたんですね。とりわけ、ヘンデルに傾倒していて、このアンコール曲もヘンデルの組曲に倣ったもののようです。saraiは実はフレンチ・バロックかと思って聴いていました。モーツァルトもまだまだ知らない曲がありますね。
前半のプログラムの最初に演奏されたモーツァルトの交響曲第29番はごく少人数の室内オーケストラという感じで演奏されましたが、このザルツブルク・モーツァルティウム大ホールにはよく響きます。モーツァルトの当時では、この規模のオーケストラも大編成って感じだったんでしょうね。ちなみにオーケストラの人数を数えたらちょうど29人。まさか第29番に語呂合わせで人数を揃えたんじゃありませんよね。第1ヴァイオリンが7人、第2ヴァイオリンが6人、ヴィオラが5人、チェロが4人、コントラバスが3人、オーボエが2人、ホルンが2人です。その彼らの演奏はアンサンブルがぴったりと揃い、耳馴染んだ曲が気持ちよく聴けます。
前半の最後はクリスティアン・ベザイデンホウトが弾くモーツァルトのピアノ協奏曲第24番。ピアノのソロが目立った演奏でした。
後半はシューベルトの交響曲第4番ハ短調「悲劇的」。何でモーツァルト・マチネでシューベルトかと思いましたが、それはそれとして、とても素晴らしいシューベルトの演奏でした。とりわけ、終楽章の主題、何かに追われているような切羽詰まったような感じがとても印象的です。これが繰り返し、現れながら、疾風怒濤のような雰囲気を醸し出します。あまり、聴き込んでいない曲ですが、中期のシューベルトもなかなか聴き応えがあります。最近、後期を中心にシューベルトの魅力に捉われつつありますが、後期以前のシューベルトもなかなかいいですね。
今日のプログラムは以下です。
指揮:ジョヴァンニ・アントニーニ
ピアノ:クリスティアン・ベザイデンホウト
管弦楽:ザルツブルグ・モーツァルテウム管弦楽団
モーツァルト:交響曲第29番イ長調K.201
モーツァルト:ピアノ協奏曲第24番ハ短調K.491
《アンコール》モーツァルト:ピアノ組曲ハ長調 序奏とフーガ K.399
《休憩》
シューベルト:交響曲第4番ハ短調「悲劇的」D.417
今回はこのザルツブルク・モーツァルティウム大ホールに5回も足を運んでしまいました。この小ぶりで美しいホールはホールトーンの響きもなかなか美しい、よいホールでした。なお、お隣の建物がザルツブルク・モーツァルティウム音楽院です。明日を目指す音楽家たちのピアノの音やソプラノの声が漏れ聞こえていました。若い音楽家たちには、音楽の祭典、ザルツブルク音楽祭など、無関係で己の進む道をめざしているのですね。
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