旅のしめくくり
その1 全般
旅の前半はトラブルとミスの連発でめろめろ。後半はいつもの調子に戻ったかな。トラブルとミスを列挙します。
・PC盗難事件
ヨーロッパに到着した日にミラノからヴェローナに鉄道移動。魔がさしたのか、いつもは上げない網棚にPCバックを上げてしまいました。気が付かないうちに隣席の大きな男が横から手を伸ばしてPCバックを盗んで、途中の停車駅で降りたようです(隣席のご婦人が目撃)。ノートPC2台とIPOD、ヘッドフォンなどが入っていました。いずれも愛用の品でした。ぐすん。
・ホテルへのチェックインのトラブル
その後、ヴェローナに到着し、ホテルにチェックインしようとすると、別の客たちがホテルの前庭で待機中。聞けば、ホテルのスタッフが不在でチェックインできないようです。とりあえず、ヴェローナ駅に戻って、警察に盗難届を出して、また、ホテルに取って返しますが、依然としてスタッフ不在。一部の宿泊客の主導で自主的に空いている部屋に順次、侵入し、それぞれの部屋として確保します(いいのかなあ・・・)。部屋に荷物を置いて、いったん、ヴェローナの町へ代替のPCを購入に出かけます。首尾よくPCをゲットしてホテルに戻り、オペラに出かけるために着替えます。オペラにでかけようとすると、ホテルの入り口のキーを開けている男性と鉢合わせ。実はホテルの入り口は暗証番号でロックされているのですが、宿泊客同士が情報交換して、暗証番号を教えあっていたんです(それも変ですね)。てっきり、別の宿泊客かと思っていたら、どうやら、この男性がホテルのスタッフのようです。別の宿泊客が挨拶して、握手しています。でも、その宿泊客は昨日から宿泊しているそうですが、ホテルのスタッフに初めて会ったそうです。腹立たしいのですが、saraiもスタッフと挨拶し、勝手に部屋を確保したことを説明します。で、握手! 部屋のシャワーでお湯が出ないと苦情を言うと、一応、ボイラーのチェックをして、問題ないはずだとのこと。でも、水しか出なかったんだよ! あまり、時間がないので、それ以上追及せずに、明日のチェックアウトについて確認します。さすがにそのスタッフは宿泊料金のことを気にします。こちらがExpediaで既に前金で支払い済だと言うと、急に興味をなくし、そのまま出ていってくれればいいとのこと。いやはや、あきれました。まるで無法地帯です。部屋が綺麗に掃除してあったのだけが救い・・・それとエアコンがあったので部屋が涼しいこともプラス。こんなホテルって、許されるんでしょうか。長い間、ヨーロッパに出かけていますが、こんなに無茶苦茶な管理のホテルは初めてです。
・電車へ乗り間違え・・・あわや!
翌日、ヴェローナからミラノへ電車移動。今回はsaraiと配偶者のほかにsaraiの姉と姪っ子の4人連れの旅です(旅の前半だけ)。電車が来たので、急いで、saraiと姪っ子で電車に荷物を積み込んでいると、荷物を3個積み込んでsaraiが電車を降りたところでドアがすーっと閉まります。ええーっと驚いていると、荷物と姪っ子を乗せた電車が走り出します。さすがにこれには焦りました。まだ、発車時間じゃなかったはずです。実はこの電車はsaraiが乗るはずの電車のひとつ前の電車。姪っ子とスマホで連絡を取り合って、ミラノ中央駅で待ち合わせすることにして、大事に至りませんでした。姪っ子には電車のチケットを渡していませんでしたが、車掌さんは事情を了解してくれたそうです。よかった、よかった。ひやひやものでした。
・電車を降り間違え・・・ひえーっ!
ミラノで姉たちと別れ、saraiと配偶者はトリノ観光に出かけます。ミラノ中央駅からトリノまで快適なファーストクラスで寛ぎます。これまで色んなことがあったし、電車の中でも新しいPCのセットアップに余念がありません。ふと停車した駅で駅名を見ると、Torinoって書いてあります。泡を食って、PCと荷物を掴んで、電車を飛び降ります。あー、危なかった。さあ、トリノ散策を始めましょう。ん、駅のどの出口に向かえばいいのか、よく分かりません。それもその筈。ここはトリノには違いありませんが、目的の駅であるトリノ・ポルタ・ヌオーヴァ駅Torino Porta Nuovaではなく、トリノ・ポルタ・スーザ駅Stazione di Torino Porta Susaです。ピッカピッカの新しい駅です。トリノへは初訪問なので、まったく、地理が分かりません。駅員さんに訊くと、トリノ・ポルタ・ヌオーヴァ駅へは30分後の各駅停車の電車に乗るしかないそうです。まあ、このミスも盗難事件の余波ですね。あー、まったく。
・やっぱり、イタリア国鉄は時間通りに走らない・・・はらはらどきどき!
翌日はまた、姉たちと別れ、saraiと配偶者はクレモナ観光に出かけます。クレモナからの帰りの電車がずいぶん遅れます。そう言えば、最初の盗難事件の発端も電車の遅延からだったんです。電車がシステム制御の問題とかで途中で停まっているときに盗難が起きたんです。このシステム制御の問題というのがずっと続いています。昨日もヴェローナからミラノ経由でトリノに行く際も同様に電車遅延。このときもはらはらだったんですが、乗り換える電車も遅れていたので問題なかったんです。今日はクレモナからミラノに戻った後、スイスのベリンツォーナ行きの電車に乗り換えます。姉たちとホテルで待ち合わせでしたが、ぎりぎりになりそうです。イライラしながら、ミラノへ向かいます。姉に携帯で連絡し、ミラノ中央駅での待ち合わせに変更。そこそこの遅れでミラノに到着し、脱兎のごとくホテルに荷物を取りに行き、駅に戻り、何とかベルンツォーナ行きの電車に駆け込みます。姉たちとも合流できました。ふーっ・・・。
こうして、トラブルとミスを連発したイタリアから抜け出して、スイスに到着。着いた日と翌日は好天でしたが、アルプスはずっと悪天候。旅の前半はなんだか不調でした。
その2 音楽編
この後、旅の後半はザルツブルク音楽祭。素晴らしい音楽に浸って、満足、満足。とりわけ、3つのコンサート、オペラに大変な感銘を受けました。
・ハイティンク&ウィーン・フィルのマーラー:交響曲第9番
意外に平静な気持ちで聴けました。決して、最高の出来ではなかったかもしれませんが、saraiの究極の目標であった音楽が聴けたという事実がすべてです。28年前から続けてきたヨーロッパ音楽の旅が終わったという感慨でいっぱいです。これだけ音楽を聴けて、素晴らしい人生だったと深い思いにかられました。今も幸せの実感をかみしめています。
・クルレンツィス&ムジカエテルナのモーツァルト:オペラ《皇帝ティートの慈悲》
まさに新時代の音楽が始まったという驚きと感銘でいっぱいです。クルレンツィスのまばゆいほどの才能と音楽性。その彼にふさわしい素晴らしい音楽集団ムジカエテルナ。彼らの未来こそ、音楽の新地平という確信を持ちました。ただ、saraiの音楽人生はもう終焉間近。彼らの未来への前進を見届けることはないでしょう。少し寂しくはありますが、新しい時代の幕開きを見られたということだけで満足しましょう。
・ヤンソンス&ウィーン・フィルのショスタコーヴィチ:オペラ《ムチェンスク郡のマクベス夫人》
クルレンツィス&ムジカエテルナで驚かされましたが、どっこい、ヤンソンス&ウィーン・フィルもそうそう簡単に引き下がるものではありません。ショスタコーヴィチのオペラ《ムチェンスク郡のマクベス夫人》というまだまだ未開拓な音楽に新しい光を与えるような見事な演奏を聴かせてくれました。伝統のオーケストラが20世紀のオペラに挑戦し、巨匠ヤンソンスの棒が猛々しい響きを引き出して、ショスタコーヴィチのオペラで最高とも思える演奏を残しました。多分、ヴィデオが発売されるでしょうが、このオペラの決定版になるでしょう。
当記事を持って、今回の旅のしめくくりにします。いったん、昨年のチロルの旅、そして、昨年のザルツブルク音楽祭に戻って、その後に今回の旅の詳細編を書く予定です。
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