FC2ブログ
 
  

ハイドン《天地創造》に感動!・・・東京都交響楽団@サントリーホール 2017.09.11

久々のサントリーホールです。改修前の1月に聴いた後、ほぼ8か月ぶりですが、saraiのホームグラウンドのようなホールですから、ここで聴く音楽はやはり、落ち着くし、いいものです。都響の定期演奏会を聴くのも8か月ぶりになります。都響の定期演奏会自体は場所をオペラシティコンサートホールに移して続いていましたが、何となく行く気がしなくて、サントリーホールに戻ってくるのをお待ちしていました。そして、ようやく、都響のサントリーホール定期が再開です。再開の曲目はハイドンのオラトリオ《天地創造》・・・まさに再開にふさわしい曲を選んだものです。この曲は思い出があります。今は亡きアーノンクールを最後に聴いたのがこの曲でした。そして、ありえないような素晴らしい演奏でした。そのコンサートの記事はここに書きました。
今日の演奏はそのアーノンクールの素晴らしい演奏にも匹敵する会心のものでした。独唱者、合唱団、オーケストラのすべてが素晴らしかったのですが、一番の立役者は指揮の大野和士でしょう。キャスティングも含めて、音楽作りのすべてが見事でした。正直言って、初めて、彼の素晴らしさを認識しました。前任者のインバルのカリスマ性の高さとはまた違ったタイプの音楽性を持っているのですね。特に声楽を含めた音楽への知的なアプローチが彼の持ち味なのかもしれません。今後、コンサート形式のオペラでも上演してくれればいいのではないでしょうか。

今日の公演は第2部第1場(第19曲)までが前半で、そこでいったん休憩が入りました。その前半を聴いただけでも素晴らしい演奏だと思いましたが、圧巻だったのは後半です。ハイドンの平明でかつ端正な音楽をとことん、丁寧に演奏してくれます。バリトンのディートリヒ・ヘンシェルも後半に体力を温存していたのか、後半冒頭から、力のはいった歌唱を聴かせてくれます。ソプラノの林 正子がハイドンの書いた優し気なメロディーを都響の美しい弦とともにしっとりと歌い上げてくれます。テノールの吉田浩之はある意味、日本人離れした、張りのある歌唱を前半から続けています。久しぶりに聴くスウェーデン放送合唱団は相変わらずの美しいハーモニーです。珍しく対向配置の都響は抑えた演奏ですが、両翼のヴァイオリン群の演奏は光っています。フルートの柳原佑介の音色も素晴らしいです。そして、これらをまとめ上げた大野和士の指揮が最高です。じわじわとハイドンの古典的な端正さを極めた演奏が心に響いてきます。第2部の最後を飾るハレルヤ・コーラスでいったん、頂点に上り詰めます。このあたりの迫力は晩年のハイドンならではのものですが、それを最高の形で示してくれた大野和士にも脱帽です。圧巻だったのは第3部です。ハイドンが書いた最高に美しい音楽、それは音楽による理想郷の実現ですが、大野和士を中心とした独唱者、合唱団、オーケストラの共同作業で天国的な世界を描き尽すことに成功していました。特にソプラノの林 正子とバリトンのディートリヒ・ヘンシェルによるアダムとイヴの素晴らしさと言ったら、うっとりというレベルではありませんでした。フィナーレのアーメン・コーラスは高揚し、最後にテンポを落として、アーメン、アーメンというあたりではもう鳥肌ものでした。古典派の究極の完成形を聴かせてもらいました。素晴らしく美しい音楽に深く感動しました。

今日のプログラムは以下のとおりでした。

  指揮:大野和士
  ソプラノ:林 正子
  テノール:吉田浩之
  バリトン:ディートリヒ・ヘンシェル
  合唱:スウェーデン放送合唱団
  管弦楽:東京都交響楽団

  ハイドン:オラトリオ《天地創造》 Hob.XXI:2
   (第2部第1場(第19曲)の後で休憩)

再開した都響のサントリーホール定期演奏会の今後は大いに期待が持てそうです。


↓ saraiのブログを応援してくれるかたはポチっとクリックしてsaraiを元気づけてね

 いいね!



関連記事

テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

コメントの投稿

非公開コメント

人気ランキング投票、よろしくね
ページ移動
プロフィール

sarai

Author:sarai
オペラ・美術が大好きでヨーロッパの旅にはまっています。音楽の聖地ウィーンが中心で、イタリア、フランス、ドイツも巡っています。国内外のオペラ・コンサートの体験もレポートします。

来訪者カウンター
CalendArchive
最新記事
カテゴリ
指揮者

ソプラノ

ピアニスト

ヴァイオリン

室内楽

演奏団体

リンク
Comment Balloon

天野さん

saraiです。初めまして。コメントありがとうございます。ブログを書く励みになります。当日は快晴で素晴らしい日でしたが、夏の陽光がまぶしいほどで暑さに悩ま

09/27 14:15 sarai

充実した心豊かなご様子に励まされます.
情報、有り難うございました.
いつか、ふらっと訪ねてみたいです.

09/27 09:23 天野哲也

昨日投稿した記事の一部に誤りがありました。ドイツ騎士団の中庭はパスしないで、ちゃんと見ていました。追記・修正しました。申し訳ありません。

08/07 00:28 sarai

えりちゃさん、saraiです。お久しぶりです。

これは昨年の9月のウィーンですが、現在のコロナ禍では、古き良き日という風情ですね。もう、ポスト・コロナでは、行けたにし

07/20 12:41 sarai

Saraiさま、
お元気ですか?
新型コロナウィルス、自粛中。
このウィーンの散策を読んでいると、なんだか切なくて悲しくなってきました。
次はいつ行けるのかな、とか思う

07/20 05:08 えりちゃ

はじめまして。ブログ拝見させていただきました。私は、個人ブログを運営しているyuichironyjpと申します。フリーランサーとして活動しており、フリーランスで稼ぐ方法や、

06/14 23:46 Yuichironyjp

ありがたいコメント、嬉しいです。マーラーのファンのかたにこそ、読んでいただきたかったので、気持ちを共有できた思いです。自然の中にこそ、マーラーの音楽の本質はあり

04/23 23:45 sarai
月別アーカイブ
検索フォーム
RSSリンクの表示
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR