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小川典子ピアノ・リサイタル@ミューザ川崎シンフォニーホール 2017.10.21

ミューザ川崎シンフォニーホールのホールアドバイザーの任についている小川典子が企画したNoriko's Day Vol.5と題するピアノ・リサイタルに出かけてみました。デビュー30周年記念演奏会でもあるそうです。彼女が英国でピアノを学んでいるときに出場したリーズ・ピアノ・コンクールでいきなり3位になって、それを機にプロ・デビューを果たして30年だそうです。本人は歳がわかってしまうせいか、30周年は隠しておきたかったそうです(笑い)。

今日の小川典子の演奏ですが、saraiはもう一つに感じました。期待が大き過ぎたのかもしれません。今日のゲストでもあった若い日本人女性作曲家の山根明季子のなかなかの難曲を弾いたために、肝心のベートーヴェンとリストまで力がまわり切らなかったのかもしれません。

今日のプログラムは以下です。

  ピアノ:小川典子

  ベートーヴェン:英国国歌 「ゴッド・セイヴ・ザ・キング」による7つの変奏曲 WoO 78
  ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第23番 ヘ短調 Op.57「熱情」
  
   《休憩》

山根明季子:イルミネイテッドベイビー(第9回浜松国際ピアノコンクール課題曲)
  リスト:ピアノ・ソナタ ロ短調
    


最初の曲のベートーヴェンの《英国国歌 「ゴッド・セイヴ・ザ・キング」による7つの変奏曲》は珍しい曲ですね。初めて聴きました。もちろん、予習はしました。何とか以下の2つのCDを見つけて聴きました。

 ブレンデル ベートーヴェン:変奏曲&バガテル集より
 ムストネン ドイツ・グラモフォン ベートーヴェン大全集より


ブレンデルは正統的で美しい演奏。ムストネンはチャレンジャブルな独創性あふれる素晴らしい演奏。小曲ながら堪能しました。

小川典子は最初の主題(英国国歌)のしっかりした明快な演奏が素晴らしいです。続く変奏はまあまあ、普通の演奏です。

2曲目はベートーヴェンの大傑作の「熱情」です。昨日のブログで書いた通り、大予習を敢行して、今日の演奏に備えました。それほど、期待していました。でも、期待に応えてくれる演奏にはなりませんでした。残念です。無論、演奏に傷があったとか、テクニックが不足したというレベルの話ではありません。何と言うか、彼女がどういうコンセプトで演奏しているのか、ちっとも伝わってこなかったんです。こういう有名曲はそれなりに演奏者が考え抜いた構想を示してもらいたいと思っています。彼女くらいのレベルのピアニストなら、立派な演奏をすることは当然のことです。我々ファンはその上を期待してしまいます。まあ、今日の演奏は普通の演奏。極論すると誰が弾いても同じという演奏でした。少し手厳しいかもしれませんが、この曲を弾くのであれば、それなりの覚悟で弾いてもらいたいと望みます。彼女ならば、できる筈ですからね。

休憩後、作曲者の山根明季子がハロウィン用のキュートな衣装で登場。自作の紹介をしてくれます。ベートーヴェン、リストの作品から200年後の自作への思い入れを語ってくれました。で、小川典子の演奏は素晴らしかったです。曲もポップな感じでカワイイ系の雰囲気。音響系の作品だそうですが、トナーリティを感じます。もっとノントナールな感じでもよかったかもしれませんが、将来性を感じる作風です。それにしても小川典子の演奏は見事でした。よほど練習したんでしょう。「熱情」がある意味、準備不足になったのはその余波かもしれません。とても楽しめる作品と演奏でした。

最後はリストの《ピアノ・ソナタ ロ短調》。これまた、ロマン派を代表する名曲中の名曲です。これはなかなか素晴らしい演奏でした。完璧なテクニックで聴く者を魅了する演奏です。惜しむらくは恍惚感がもうひとつ足りなかった点です。それさえあれば、これまで聴いたアヴデーエワグリモーの演奏とも肩を並べるレベルだったんですけどね。ちなみに予習したCDはラザール・ベルマンの個性的な演奏。ベルマンもなかなかのピアニストです。


最後にアンコールに代えて、7人のアマチュアのピアニストが登場するということでしが、それは失礼させてもらいました。


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オペラ・美術が大好きでヨーロッパの旅にはまっています。音楽の聖地ウィーンが中心で、イタリア、フランス、ドイツも巡っています。国内外のオペラ・コンサートの体験もレポートします。

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ありがたいコメント、嬉しいです。マーラーのファンのかたにこそ、読んでいただきたかったので、気持ちを共有できた思いです。自然の中にこそ、マーラーの音楽の本質はあり

04/23 23:45 sarai

マーラーの作品を聴きながら、ブログを読ませていただいています。
読みながら画像を見て、マーラーの過ごした風景に想いを馳せて楽しんでいます。
素敵なブログをありがと

04/23 21:47 

マーラー6番ですか・・・ハンマー打撃は勘弁してほしいものです。あったとしても、3回目の打撃だけは・・・

04/11 18:10 sarai

まさにマーラー6番な状況です笑

04/11 17:51 kico

お互い、残念でしたね。今年でヨーロッパ遠征を終わりにする予定でしたが、悲劇的な状況になりました。天はまだ我に旅を続けよというご託宣を与えたのでしょうか。1年延期

04/11 03:13 sarai

以前にもコメントさせていただいた者です。来ましたね、楽友協会からのメール。私たちはとりあえず1年延期としましたが、どうでしょうね。困っている人が多い中贅沢な悩み

04/11 00:33 kico

お返事ありがとうございます。
本当に!私もレイルジェットや美術館の手配もしているので、祈るような気持ちです。

03/10 19:06 kico
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