耐えきれない優しさ「アッシジの聖フランチェスコ」:カンブルラン&読売日本交響楽団@サントリーホール 2017.11.26
音楽的には、カンブルランの見事な指揮はもちろん、読売日本交響楽団の最高のアンサンブル、新国立劇場合唱団の美しい合唱、さらに独唱者たちの健闘が光りました。聖フランチェスコ役のヴァンサン・ル・テクシエは役に没入するような熱い歌唱でした。声も素晴らしかったのですが、何と言っても表現力が圧倒的でした。彼は6年前に一度、パリ・オペラ座(ガルニエ)で聴いていますが、今日ほどの印象はありませんでした。天使役のエメーケ・バラートもピュアーで美しいソプラノ。sarai好みの声でした。それにきらきら光る瞳が魅惑的でした。他のテノール、バリトン、バスのいずれも素晴らしい歌唱でした。コンサート形式での上演でしたが、この難しい演目はかえって妙な演出はないほうがよかったかもしれません。オペラというよりもオラトリオみたいなものですからね。
今日のプログラムは以下です。
指揮:シルヴァン・カンブルラン
天使:エメーケ・バラート(ソプラノ)
聖フランチェスコ:ヴァンサン・ル・テクシエ(バリトン)
重い皮膚病を患う人:ペーター・ブロンダー(テノール)
兄弟レオーネ:フィリップ・アディス(バリトン)
兄弟マッセオ:エド・ライオン(テノール)
兄弟エリア:ジャン=ノエル・ブリアン(テノール)
兄弟ベルナルド:妻屋秀和(バス)
兄弟シルヴェストロ:ジョン・ハオ(バス)
兄弟ルフィーノ:畠山茂(バス)
合唱:新国立劇場合唱団
びわ湖ホール声楽アンサンブル
管弦楽:読売日本交響楽団 長原 幸太(コンサートマスター)
メシアン:歌劇「アッシジの聖フランチェスコ」(演奏会形式)
日本のオーケストラがコンサート形式でのオペラ上演に積極的なのは大歓迎です。来月はノット&東京交響楽団によるモーツァルト・オペラ・シリーズの《ドン・ジョヴァンニ》が楽しみです。また、メシアンの大作の上演も続き、来年1月には大野&都響の《トゥランガリーラ交響曲》が楽しみです。音楽の楽しみは尽きません。
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