fc2ブログ
 
  

ゴッタルド・パノラマ・エキスプレスの旅:ゴッタルド鉄道トンネル~ヴァッセンの教会

2017年7月23日土曜日@ベリンツォーナ~ルツェルン/17回目

ベリンツォーナBellinzonaからルツェルンLuzernに向けて、ゴッタルド・パノラマ・エキスプレスGotthard Panorama Expressの旅を楽しんでいます。

スイス・イタリア語圏のティチーノ州TicinoにあるアイロロAiroloの駅に着いたところです。このアイロロの村はアルプスのゴッタルド峠越えの南側の交通拠点になっています。現在はここからゲシェネンGöschenenまでは1882年に開通した旧ゴッタルド鉄道の15kmの長さのゴッタルド鉄道トンネルを走るので、山越えするわけではありません。自動車道路も1980年に16.8kmの長さのゴッタルド道路トンネルが完成しました。それまでは自動車はこのアイロロからゲシェエンの間は列車に積まれて、輸送されていたそうです。ちなみにゴッタルド・パノラマ・エキスプレスはこの歴史的なゴッタルド鉄道トンネルを通るルートを走りますが、通常の高速列車は2016年6月1日に開通したばかりのゴッタルドベーストンネルGotthard-Basistunnelを走るようになりました。このゴッタルドベーストンネルはウーリ州エルストフェルトとティチーノ州ボディオを結ぶ全長57kmのトンネルで青函トンネルを抜いて世界最長の鉄道トンネルとなりました。従来のゴッタルド鉄道トンネルやゴッタルド道路トンネルよりもさらに深いところを掘ったそうです。
ともあれ、ゴッタルド・パノラマ・エキスプレスは昔ながらの旧ルートを走っています。観光列車ですから。これが停車中のゴッタルド・パノラマ・エキスプレスから撮ったアイロロの村の様子です。山の中の小さな村とは言え、観光地らしく、綺麗な建物がびっしりと建ち並んでいます。

2018031801.jpg



駅前の広場にある記念碑が目を引きます。これは1871年〜1881年まで長い年月をかけて完成されたゴッタルド道路とゴッタルド鉄道トンネルの工事の際に亡くなった労働者の方たちの慰霊碑で、彫刻家のヴィンチェンツォ・ヴェラVincenzo Velaによってつくられた殉職者慰霊碑Monumento alle vittime del lavoroです。哀悼の気持ちの込められた素晴らしいレリーフですね。

2018031802.jpg



ゴッタルド・パノラマ・エキスプレスはすぐにアイロロの駅を離れます。駅のホームの先はすぐにゴッタルド鉄道トンネルが始まります。ゴッタルド・パノラマ・エキスプレスがトンネルに入ると、また、同乗している鉄道関係者が何やら、車窓を見ろと騒いでいます。もちろん、トンネルの中は真っ暗闇です。と、トンネルの壁に明るい光が浮かび上がります。トンネル工事の様子が光の映像として淡く映されています。

2018031803.jpg



目を凝らして見ますが、あんまり、よくは見えません。でも退屈なトンネル内で楽しませてくれようとする気持ちは伝わってきます。

2018031804.jpg



光のショウの間はスローダウンして走っていたゴッタルド・パノラマ・エキスプレスはまたスピードを上げます。しかし、15kmの長さのゴッタルド鉄道トンネルはなかなか通り過ぎることができません。延々と長大な真っ暗なトンネルの中を走っていきます。このゴッタルド鉄道トンネルの上にゴッタルド峠San Gottardoがあるんですが、残念ながら鉄道ルートだと見ることができません。有名な悪魔の橋もトンネルの上にあるので見られません。

2018031805.jpg



ようやく15分ほどでゴッタルド鉄道トンネルを抜けて、ゲシェネンの村に出ます。山の中の可愛い村ですね。

2018031806.jpg



そこからはまた少しトンネルが続き、高台の線路に出ます。やがて、前方の低い開けたところに村が見えてきます。

2018031807.jpg



右手の車窓に村全体が見渡せます。ヴァッセンWassenの村です。中央に建つ教会の姿がとても印象的です。

2018031808.jpg



ヴァッセンの村を眺めていると、手前のすぐ下に鉄道線路が見えることに気が付きます。ここも鉄道が方向を変えながら、この村の下の方まで高度を下げていくんです。ヴァッセンの村を3段階の高さの線路で眺められるという鉄道ファン必見の写真撮影スポットになっています。今は一番高い線路を走っています。一つ下に見えている線路は逆方向から戻ってくるときに走ります。

2018031809.jpg



いったん、ヴァッセンの村の横を通り過ぎていきます。

2018031810.jpg



また、トンネルに入ります。このトンネルで大きく孤を描いて、向きを180度変えながら、高度を落としていきます。トンネルを抜けたときは先ほどとは逆方向に進んでいます。左手の車窓には高速道路A2が見えています。再び、逆の方からヴァッセンの村に近づいていきます。

2018031811.jpg



やがて、木々の向こうにヴァッセンの教会がちらっと見えてきます。今度は真ん中の高度の線路に下りてきたので、先ほどよりも見下ろすという感じがなくなります。

2018031812.jpg



教会は木々の間に見え隠れしています。

2018031813.jpg



すぐに教会の正面に出ます。最高層の線路からの眺めと異なり、ほぼ同じ高さからの風景です。

2018031814.jpg



ここまでのゴッタルド・パノラマ・エキスプレスの鉄道ルートを地図で確認しておきましょう。

2018031815.jpg



さらにヴァッセンの村を巡る3階層の線路をズームアップした地図で確認しておきましょう。現在は中層の線路を走っているところです。

2018031816.jpg



これから中層の線路を走って、最下層の線路に下りていきます。



↓ saraiのブログを応援してくれるかたはポチっとクリックしてsaraiを元気づけてね

 いいね!



関連記事

テーマ : ヨーロッパ
ジャンル : 海外情報

コメントの投稿

非公開コメント

人気ランキング投票、よろしくね
ページ移動
プロフィール

sarai

Author:sarai
首都圏の様々なジャンルのクラシックコンサート、オペラの感動をレポートします。在京オケ・海外オケ、室内楽、ピアノ、古楽、声楽、オペラ。バロックから現代まで、幅広く、深く、クラシック音楽の真髄を堪能します。
たまには、旅ブログも書きます。

来訪者カウンター
CalendArchive
最新記事
カテゴリ
指揮者

ソプラノ

ピアニスト

ヴァイオリン

室内楽

演奏団体

リンク
Comment Balloon

 ≪…長調のいきいきとした溌剌さ、短調の抒情性、バッハの音楽の奥深さ…≫を、長調と短調の振り子時計の割り振り」による十進法と音楽の1オクターブの12等分の割り付けに

08/04 21:31 G線上のアリア

じじいさん、コメントありがとうございます。saraiです。
思えば、もう10年前のコンサートです。
これがsaraiの聴いたハイティンク最高のコンサートでした。
その後、ザル

07/08 18:59 sarai

CDでしか聴いてはいません。
公演では小沢、ショルティだけ

ベーム、ケルテス、ショルティ、クーベリック、
クルト。ザンデルリング、ヴァント、ハイティンク
、チェリブ

07/08 15:53 じじい@

saraiです。
久々のコメント、ありがとうございます。
哀愁のヨーロッパ、懐かしく思い出してもらえたようで、記事の書き甲斐がありました。マイセンはやはりカップは高く

06/18 12:46 sarai

私も18年前にドレスデンでバームクーヘン食べました。マイセンではB級品でもコーヒー茶碗1客日本円で5万円程して庶民には高くて買えなかったですよ。奥様はもしかして◯良女

06/18 08:33 五十棲郁子

 ≪…明恵上人…≫の、仏眼仏母(ぶつげんぶつも)から、百人一首の本歌取りで数の言葉ヒフミヨ(1234)に、華厳の精神を・・・

もろともにあはれとおもへ山ざくら 花よりほか

通りすがりさん

コメント、ありがとうございます。正直、もう2年ほど前のコンサートなので、詳細は覚えておらず、自分の文章を信じるしかないのですが、生演奏とテレビで

05/13 23:47 sarai
月別アーカイブ
検索フォーム
RSSリンクの表示
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR