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鬼神のごとき、盛り上がり 幻想交響曲 インバル&東京都交響楽団@サントリーホール 2018.3.26

今年最後の東京都交響楽団のサントリーホール定期公演はsaraiの最後に聴く都響の定期公演でもあります。今日を最後に長年続けた都響の定期会員を止めるんです。何故かと言うと、来シーズンのプログラムがまったくsaraiの趣味に合わなかったからです。でも、今シーズン最後の3月はサントリーホール定期を含めて、巨匠エリアフ・インバルの怒涛のプログラムが続きます。皮肉なことに最後に聴く都響は素晴らしい演奏を続けます。

今日の幻想交響曲は5日前にコバケン&読響で人生最高の演奏を聴いたばかりです。さすがにインバル&東京都交響楽団といえども、あの演奏を超えることはできません。しかし、素晴らしい演奏であることには間違いありません。特に都響の誇る第1ヴァイオリン群の素晴らしさは文句なしです。一度、コバケン指揮で都響の幻想交響曲を聴いてみたいと思いながら、演奏を聴いていました。いえいえ、インバルの指揮が悪かったわけではないんです。コバケンの思いっきり突っ込んだ個性的な曲作りが凄過ぎたんです。読響も都響もいずれ劣らぬ素晴らしいアンサンブルを誇っています。インバルはマーラーを指揮するときほどの深読みがこのベルリオーズには欠けていたかもしれません。
ちなみにコバケン&読響の幻想交響曲が人生最高の演奏と書きましたが、厳密に言えば、少し不正確です。saraiが人生で初めて生演奏で幻想交響曲を聴いたのは1970年ごろにバーンスタインが当時の手兵、ニューヨーク・フィルを率いて来日したときの京都公演の折でした。これが人生初めての一流オーケストラを聴いた体験だったような気がします。まだ、耳が肥えていなかったsaraiはその素晴らしい響きで魅了された記憶があります。それがどれほどのものだったのか、ほぼ50年前のことですから、分かりません。ところで結局、このときが唯一のバーンスタインを聴いたコンサートになってしまいました。残念ですね。彼のマーラーを聴かなかったのは悔やまれます。その頃はもっぱらCDでのみバーンスタインのマーラーを聴いていました。実演の価値に気がついていなかったんです。財政的な問題もありましたけどね。
話を今日の演奏に戻しましょう。素晴らしい演奏ではありましたが、最高とまでは言えない演奏と思って聴いていました。しかし、第5楽章の後半に至り、演奏が熱くなっていきます。フィナーレでは全員が物凄く熱く盛り上がり、まさに鬼神のような雰囲気で高潮します。最後の最後で帳尻を合わせたような演奏でした。最後よければ、すべてよし! 終わってみれば、見事な演奏でした。できうれば、最初からこんな演奏をしてくれれば、よかったのですが・・・。

前半のプログラムのショスタコーヴィチのピアノ協奏曲第2番はピアノのアレクサンドル・タローの繊細なタッチの弱音の美しさが心に沁みる演奏でした。サポートした都響の演奏は少し重い感じ。タローの一人舞台って感じでした。とりわけ、第2楽章の抒情的な美しい演奏が見事でした。ラフマニノフを思わせるような映画音楽的な美しさですが、聴いていて、うっとりできたんですから、難しいことはなしにしましょう。トッパンホールでのタローのピアノ・リサイタルも聴けばよかったと少し後悔しました。これだけ、美しい弱音の響きを出せるピアニストはそうはいないでしょう。アンコールでもう一度、第2楽章が聴けて、満足でした。

今日のプログラムは以下のとおりです。

  指揮:エリアフ・インバル
  ピアノ:アレクサンドル・タロー
  管弦楽:東京都交響楽団


  ショスタコーヴィチ:ピアノ協奏曲第2番 ヘ長調 Op.102

   《アンコール》 ショスタコーヴィチ:ピアノ協奏曲第2番 ヘ長調 Op.102より、第2楽章 アンダンテ

   《休憩》

  ベルリオーズ:幻想交響曲 Op.14


最後に予習について、まとめておきます。

ショスタコーヴィチのピアノ協奏曲第2番を予習したCDは以下です。

 アレクサンドル・メルニコフ、テオドール・クルレンツィス指揮マーラー・チェンバー管弦楽団 2011年
 デニス・マツーエフ、ワレリー・ゲルギエフ指揮マリインスキー劇場管弦楽団 2009年

この2枚はとても同じ曲とは思えないほど、演奏が異なっています。マツーエフとゲルギエフも普通なら、凄い演奏と言いたいところですが、メルニコフとクルレンツィスを聴いてしまうと物足りない演奏に思えてしまいます。メルニコフの抑えたタッチのピアノが凄いです。そして、クルレンツィスののりのいい演奏は別次元のものです。いやはや、二人の才能が爆発している名演です。

ベルリオーズの幻想交響曲を予習したCDは以下です。

 シャルル・ミュンシュ指揮ボストン交響楽団 1962年

先日、読響のコンサートの予習にミュンシュ指揮パリ管弦楽団(1967年)の演奏を聴きましたこの曲の決定盤はそれですが、やはり、古典的名演のボストン交響楽団も聴いてみました。耳にタコができるほど聴いた演奏ですが、今回はXRCDの素晴らしい音質のCDで聴きました。何も語る必要のない素晴らしさです。それに音質が最高です。


さて、インバル&東京都交響楽団のコンサートも残すところ、1回だけになりました。有終の美を飾るのはミューザ川崎での名曲コンサート。未完成と悲愴です。じっくりと聴かせてもらいましょう。



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オペラ・美術が大好きでヨーロッパの旅にはまっています。音楽の聖地ウィーンが中心で、イタリア、フランス、ドイツも巡っています。国内外のオペラ・コンサートの体験もレポートします。

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ありがたいコメント、嬉しいです。マーラーのファンのかたにこそ、読んでいただきたかったので、気持ちを共有できた思いです。自然の中にこそ、マーラーの音楽の本質はあり

04/23 23:45 sarai

マーラーの作品を聴きながら、ブログを読ませていただいています。
読みながら画像を見て、マーラーの過ごした風景に想いを馳せて楽しんでいます。
素敵なブログをありがと

04/23 21:47 

マーラー6番ですか・・・ハンマー打撃は勘弁してほしいものです。あったとしても、3回目の打撃だけは・・・

04/11 18:10 sarai

まさにマーラー6番な状況です笑

04/11 17:51 kico

お互い、残念でしたね。今年でヨーロッパ遠征を終わりにする予定でしたが、悲劇的な状況になりました。天はまだ我に旅を続けよというご託宣を与えたのでしょうか。1年延期

04/11 03:13 sarai

以前にもコメントさせていただいた者です。来ましたね、楽友協会からのメール。私たちはとりあえず1年延期としましたが、どうでしょうね。困っている人が多い中贅沢な悩み

04/11 00:33 kico

お返事ありがとうございます。
本当に!私もレイルジェットや美術館の手配もしているので、祈るような気持ちです。

03/10 19:06 kico
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