リディア・バイチ・ヴァイオリン・リサイタル@横浜上大岡ひまわりの郷 2013.10.5
美貌のヴァイオリニスト、リディア・バイチのリサイタルです。
リディア・バイチはロシアのサンクト・ペテルブルグ生まれでオーストリア育ち。現在、ウィーン在住です。
今日のリサイタルは名曲アワーのようなものでしたが、彼女の実力の片鱗は聴き取れました。ただ、本格的な曲目を聴いてみないと、本当の実力は分かりませんね。ロリン・マゼールが評価していたそうですから、これからが注目かもしれません。
今日のプログラムは以下です。
ヴァイオリン:リディア・バイチ Lidia Baich
ピアノ:マティアス・フレッツベルガー Matthias Fletzberger
プロコフィエフ:「ロメオとジュリエット」組曲
前奏曲、少女ジュリエット、騎士たちの踊り、
バルコニーの情景、マーキュシオ、決闘とティボルトの死
ポンキエッリ: 時の踊り
ブラームス(ヨアヒム編):ハンガリー舞曲集 第1番、第6番、第5番
リスト:ハンガリー狂詩曲第2番
《休憩》
ムソルグスキー: はげ山の一夜
バイチ&フレッツベルガー:「ウィーンの森の物語」
ヨハン・シュトラウスのテーマによるファンタジー
リムスキー=コルサコフ: シェエラザード
《アンコール》
ハチャトゥリアン:バレエ音楽「スパルタクス」より、アダージョ、変奏曲、バルカロール
編曲はバイチ&フレッツベルガーによる(ブラームスを除く)
まず、プロコフィエフの「ロメオとジュリエット」組曲。笑顔の可愛いバイチですが、ヴァイオリンは力強い響きです。その豊かな響きに驚かされますが、愛用のヴァイオリンはガルネリ・デル・ジェスだそうです。特に低域のたっぷりした響きが印象深いところです。《騎士たちの踊り》の有名なメロディーはその力強い響きで圧巻の演奏です。バイチのヴァイオリンは自由奔放な感じの弾き方で、少し荒っぽくはありますが、突っ込みの鋭さには好感を抱きました。少々、ピアノとずれるのは、かえって小気味いいくらいです。おとなしく、合わせるだけの演奏はつまりませんからね。それでも、世界のトップクラスになるためには、演奏の精度を上げる必要はあるでしょう。
次はポンキエッリの「時の踊り」。あの「レモンのキッス」の原曲ですね。有名なメロディーは美しい演奏。終盤のアップテンポなパートはなかなかの迫力でした。
ブラームスのハンガリー舞曲はこの日一番の演奏。特にたっぷりした低音を響かせた第1番は素晴らしい演奏。ピアノとのずれは鑑賞上、まったく、気になりませんでした。
リストのハンガリー狂詩曲もブラームスのハンガリー舞曲と同様に素晴らしい演奏。耳馴染んだ旋律を楽しみことができました。バイチは濃厚なロマン派の演奏が得意なのではと思われます。
休憩後、後半の3曲は今一つ、集中して聴くことができませんでした。綺麗な演奏なのですが、インパクトに欠けるという感じ。シェエラザードのテーマは美しく響きましたが、全体として、ヴァイオリンとピアノでの演奏はちょっと無理のある感じでしょうか。
久しぶりの名曲コンサートとしては、美しい演奏で出色の出来。十分、楽しませてもらいました。
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