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美しきグラズノフの響き:東京都響@サントリーホール 2013.7.22

ヨーロッパから戻って以来、音楽は夏の閑散期に向かい、コンサートは久しぶり。
今日も前回と同様に東京都交響楽団のサントリーホールでの定期演奏会です。
ただし、今日のプログラムは地味な内容で正直、もうひとつ。でも、今日の都響はダブルコンマス(矢部達哉、四方恭子)をはじめ、充実したメンバーで、さすがに演奏は素晴らしいものでした。都響はマーラーでなくても、どんな曲でも素晴らしく演奏してくれることを再認識させてくれました。

この日のプログラムは以下の内容です。

 指揮:小泉和裕
 チェロ:ニコラ・アルトシュテット
 管弦楽:東京都交響楽団

 ドヴォルザーク:チェロ協奏曲

 《アンコール》J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲第1番から「サラバンド」

  《休憩》

 グラズノフ:バレエ音楽「四季」

初めはドヴォルザークのチェロ協奏曲です。チェロは名前も聞いたことのないニコラ・アルトシュテット。1982年生まれというから、31歳くらいの若手で、ウィーン・フィルとも共演しているそうで、実績もあるようです。
ステージに登場した彼は逞しい青年です。いかにもばりばりと弾きまくりそうに見えます。
まずは長いオーケストラによる主題提示部が続きます。都響がドヴォルザークをこんなに美しい響きで演奏するとは驚いてしまうほどです。6月のウィーンでのウィーン交響楽団の同じ曲の演奏を確実に上回っています。ただ、あのときはチェロがひど過ぎたので、ウィーン交響楽団のメンバーのやる気も喪失していただろうことを考慮すると比較にはならないかも・・・。いずれにせよ、都響が5月の「プラハの春」に参加し、また、フルシャの薫陶を受けていることで表現力が増しているのかもしれません。
アルトシュテットのチェロがはいってきます。チェロの響きは柔らかい響きではなく、少し金属的な響きです。saraiの好みではありません。しかし、響きを別にすると、繊細な表現力を感じます。ばりばりと弾くのではなく、心の歌を聴かせるタイプのようです。したがって、ピアノッシモで抑えた演奏の部分ではぐっと惹きつけられるものがあります。そもそも、このドヴォルザークのチェロ協奏曲はあまり向いてないのかもしれません。スケールの大きさも求められますからね。ということで、チェロはまあまあの演奏ですが、都響の演奏は最後まで冴えわたっていました。ですから、トータルにはとても満足できた演奏でした。
独奏チェロのアンコールは定番のバッハです。とても有名な曲ですが、これは参りました。実に繊細で、しかもロマンも感じさせる演奏で、魂にぐっと食い込んできます。見事です。そして、魅力たっぷりの演奏。この人はバッハの無伴奏チェロ組曲の全曲を聴いてみたい人です。

休憩後、グラズノフのバレエ音楽「四季」です。そもそも、グラズノフって人の名前は知っていますが、その音楽はこれまで聴いた覚えがありません。古い人かと思っていましたが、20世紀初頭に活躍した人です。バレエ音楽を4曲書いていて、これは最後の曲。有名なのはバレエ「ライモンダ」です。このバレエ「四季」はストーリー性はないバレエで、自然や妖精が登場するだけで、人間は登場しません。また、題名の「四季」でヴィヴァルディのように四季の折々が表現されているかと思っていたら、一応、表題は冬、春、夏、秋の4つが付けられて、4部構成になっていますが、あまり、季節らしさは感じられない音楽です。季節は感じないものの、ロシアっぽい抒情的なメロディーが美しく、聴きやすい音楽です。ただ、これが20世紀の音楽とは驚きですが、バレエの振付けに合わせて作曲されたから、こういう音楽になったのかも。
都響はこの美しい音楽をまさに美しく演奏しました。定評のある弦の美しさはもちろん、木管の響きの素晴らしいこと! 特にフルートの演奏にはうっとりです。まあ、こういう曲は滅多に聴けませんから、こういう気持ちのよい演奏で聴けたので、満足です。

今日は都響の実力を再確認するコンサートでした。


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テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

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首都圏の様々なジャンルのクラシックコンサート、オペラの感動をレポートします。在京オケ・海外オケ、室内楽、ピアノ、古楽、声楽、オペラ。バロックから現代まで、幅広く、深く、クラシック音楽の真髄を堪能します。
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