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ザルツブルク音楽祭:素晴らしいシューマン、ムーティ&ウィーン・フィル@ザルツブルク祝祭大劇場 2018.8.15

saraiの今年のザルツブルク音楽祭の皮切りはムーティ指揮ウィーン・フィルのコンサートからです。やはり、ウィーン・フィルはザルツブルク音楽祭の顔です。ムーティを聴くのも久しぶりです。10年ぶりくらいになります。この間、精悍な感じから丸い感じに変わりましたね。77歳とお歳を召されたようです。

前半のシューマンの交響曲第2番はとても素晴らしい演奏でした。予習したムーティが若い頃の演奏に比べて、颯爽としたロマンは変わりませんが、さらに深い陰影が表現されるようになりました。単にオーケストラの違いではないようです。それが如実に感じられたのは緩徐楽章の第3楽章です。今日の演奏の白眉でもありました。その陰影の深さは交響曲というよりも、まるでミサ曲でも聴いているように錯覚してしまうほどです。この頃、シューマンはバッハの音楽を研究していたそうですが、弦楽がカノンで旋律を受け渡すあたりがその成果でしょうか。この部分では、さらにフーガを展開していくのではなく、その弦楽によるフーガの上に管楽器が楽章のメインの主題を重ねるあたりが美しい演奏になっていました。バッハというよりもモーツァルトが木管の天国的な旋律を重ねる手法を思い起こしてしまいます。そういうテクニカルな部分もさることながら、シューマンの苦しい胸の内の吐露を聴いている沈んだ表現が見事であると思いました。第4楽章は一転、明るく祝祭的な音楽が展開されますが、ここでもどこか、一抹の不安感を内包しているような微妙な表現が素晴らしいと思いました。ムーティも本当の意味で巨匠と言える領域に足を踏み込んでいるのではないかしらね。ムーティの評価がsaraiの中ではかなりアップです。もちろん、ムーティのこういう繊細な表現を支えたのはウィーン・フィルの力です。今日はシュトイデとダナイローヴァのダブルコンマスでの演奏でした。実はシューマンの交響曲第2番を生で聴くのは初めてでしたが、すっかり魅了されました。今後は第1番から第4番まで、すべて、高い意識で聴かせてもらいましょう。

後半はシューベルトのミサ曲第6番。亡くなる4か月前の作曲で、まさに最晩年の作品。シューベルトの作品はD.899以降の晩年の作品には目がありませんが、これまでミサ曲はその意識に入っていませんでした。大規模なオーケストラ作品もこれが最後の作品でしょうか。ただ、宗教曲のせいか、シューベルトの晩年の作品によくみられるデモーニッシュな表現が感じられず、実に正攻法の音楽になっています。ちょっと面白みに欠けるきらいがあります。まあ、宗教曲に面白みを求めるのは間違っているのかもしれません。全体に合唱が多く、ほんの少し、独唱者たちの重唱があります。きっちりしたソロはありません。これが少し寂しいですね。シューベルトならば、独唱でこそ才能を発揮できそうです。それでも美しい合唱も多々ありました。その中でソロ歌手の4重唱によるベネディクトゥスは美して、深みのある音楽で、ミサ曲全体の中でも白眉と言えるでしょう。とりわけ、ソプラノのクラッシミラ・ストヤノヴァの歌唱は印象的でした。終曲のドナ・ノビス・パーチェムの合唱が弱音で閉じられるところは感動的でした。このシューベルトのミサ曲はもう少し、聴き込まないといけないと反省しました。

今日のプログラムは以下です。

 指揮:リッカルド・ムーティ
 ソプラノ: クラッシミラ・ストヤノヴァ
 コントラルト: アリサ・コロソヴァ
 テノール: マイケル・スパイレス、マチェイ・クワスニコフキー
 バス: ジャンルカ・ブラット
 合唱: ウィーン国立歌劇場合唱団
 管弦楽:ウィーン・フィル

 シューマン: 交響曲第2番ハ長調 Op.61

  《休憩》

 シューベルト: ミサ曲第6番変ホ長調 D.950 

最後に予習したCDをご紹介しておきましょう。

まず、シューマンの交響曲第2番ですが、これは生で聴くのは初めてですから、少し力を入れて、以下のCDを聴きました。

 レナード・バーンスタイン指揮ウィーン・フィル 1984~85年録音
 ジョン・エリオット・ガーディナー指揮オルケストル・レヴォリューショネル・エ・ロマンティーク 1997年録音 オリジナル楽器
 リッカルド・ムーティ指揮フィルハーモニア管弦楽団 1977年10月録音

ウィーン・フィルのシューマンの代表的な録音はやはり、バーンスタインです。なかなかの演奏です。今時ですから、オリジナル演奏も聴きます。代表格はガーディナー指揮でしょう。それほどの感銘は受けませんでした。ムーティ指揮のものも聴いてみました。若い頃の演奏です。これはロマンと爽やかさに満ちて、楽しく聴けます。ただし、深みには欠けます。

次にシューベルトのミサ曲第6番は以下のCDを聴きました。

 クラウディオ・アバド指揮ウィーン・フィル 1986年11月1日 ウィーン、ムジークフェラインザール(第10回万聖節記念コンサートにおけるライヴ・レコーディング)
 カリタ・マッティラ (ソプラノ)
 マルヤナ・リポフシェク (メゾ・ソプラノ)
 ジェリー・ハドリー (テノール)
 ロベルト・ホル (バス・バリトン)
 ホルヘ・ピータ (テノール)
 ウィーン国立歌劇場合唱団

きっちりした演奏で大変、聴きごたえがありました。ウィーン・フィルということで選択したCDです。



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オペラ・美術が大好きでヨーロッパの旅にはまっています。音楽の聖地ウィーンが中心で、イタリア、フランス、ドイツも巡っています。国内外のオペラ・コンサートの体験もレポートします。

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えりちゃさん、コメントありがとうございます。
最終公演に行きますが、ムーティ&ウィーン・フィルは渾身の力で凄い演奏を聴かせてくれますよ。特にシューベルトは有終の

11/09 22:13 sarai

尻上がりに素晴らしくなりました!
あの弦の響きにもうハマるのですよ!
あと2公演ありますが、もう既に同じプログラムを2回演奏しているので、ますます良くなるか、ち

11/09 10:56 えりちゃ

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