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ロココ建築の傑作、ヴィースの巡礼教会の美を堪能

2017年7月31日月曜日@ザルツブルク~ガルミッシュ=パルテンキルヒェン/11回目

ザルツブルクSalzburgを離れて、ガルミッシュ=パルテンキルヒェンGarmisch-Partenkirchenへ向かっているところです。現在、世界遺産のヴィースの教会Wieskircheを訪れています。教会内部の美しいロココ様式の装飾に魅了されています。
一応、小さな教会内部は見尽くしましたが、もう一度、じっくりと眺めましょう。この教会の建築を委託されたのはドミニクス・ツィンマーマンです。彼は彼の兄のヨハンと力を合わせて、この教会を作り上げました。当時の名のある工匠たちもこの建築に力を貸しました。計画も含めて、わずか10数年の工期で完成させたのは驚異的です。献堂式が行われたのは1754年のことでした。ロココ様式の代表的な建物として、1983年にユネスコの世界遺産に登録されました。

これは北側(左側)の壁面にある説教壇です。説教壇壁は見事なスタッコ造りになっています。このスタッコ造り(漆喰の一種でコテやローラーなどで表面に凹凸模様をつける手法であり、作り手に多大の労力・苦難を強いるといわれています。)こそがロココ様式の大きな特徴です。ツィンマーマン兄弟の兄、ヨハン・バプティスト・ツィンマーマンの作です。説教壇胸壁には三つの浮彫があります。十字架(信仰)、錨(希望)、燃える心臓(愛)の三つです。ヨハネ福音書の言葉を表したものです。説教壇天蓋は光輪に包まれた鏡に描かれた神の目によって、その頭部を飾られています。豪華な意匠の中には、ヨーロッパの四大教父の象徴が作り込まれています。ミツバチの巣箱はアンブロシウス、教皇冠はグレゴリウス一世、ライオンの頭はヒエロニムス、燃える心臓はアウグスティヌスを示しています。説教壇の下にはイルカに乗った素晴らしい天使像があります。これはイルカと少年の物語を描いたものです。イルカと友情を結んだ少年はイルカに乗って、海に出ますが、イルカの背びれで傷ついて死んでしまいます。イルカはその少年の墓を探し出して、そこで死ぬために身を横たえたという物語です。もちろん、これは人間とキリストを象徴した物語でもあります。

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再び、内陣に目をやります。2段構成の中央祭壇については既に述べた通りですが、内陣の天井フレスコ画が見えています。大天井画と同じく、ツィンマーマン兄弟の兄、ヨハン・バプティスト・ツィンマーマンが描いたものです。上昇する天使たちが神の御前にキリストを苦しめた道具の数々を運び上げています。鞭打ちの柱、鞭、十字架と釘、槍と海綿、いばらの冠、ヴェロニカの聖骸布などです。

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振り返って、教会の後部(西側)を眺めます。2階のバルコンに設置されているパイプオルガンのまわりは美しい装飾で飾られています。そして、上方の大天井画も合わせた美しい風景を作っています。

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これは中央祭壇の上部、天蓋の下にある小羊の像です。大きくズームアップしたので、画像がぶれてしまいました。悪しからず。もちろん、小羊はキリストを象徴するものです。

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もう一度、中央祭壇をご覧ください。祭壇の上部に小羊の像がありますね。

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北側(左側)の側面全体です。北側の脇祭壇とその左にアウグスティヌスの彫像、右には教皇グレゴリウス一世の彫像が見えています。大きな窓からは北からの光が差し込み、白い壁面が明るく輝きます。円柱の上には大天井画が続いています。素晴らしい内部空間です。

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こちらはその反対側、南側(右側)の側面です。南側の脇祭壇の左手には、聖アンブロシウスの彫像があります。

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信者席に腰掛けて、後方の空間を眺めます。西からの柔らかい光に包まれています。美しいですね。

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これは南側(右側)の側廊前にある聖アンブロシウスの彫像です。アントン・シュトゥルムが作り上げたヨーロッパの四大教父の像の一つです。アンブロシウスはミラノの司教でした。

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これは北側(左側)の脇祭壇で《貧しい魂のための信心会》の祭壇です。祭壇画はヨハン・ゲオルク・ベルクミュラーの作で、罪の女がシモンの家でイエスの足に香油を塗る場面が描かれています。祭壇画の両脇にはエジプトの聖マリアと十字架の神秘家コルトナのマルガレタの小さな彫像が置かれています。

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教会の空間全体を眺めます。と言っても、前方のほぼ半分くらいの空間が見えるだけです。内陣の前方の両脇の柱には、左手に説教壇、右手に修道院長席が設置されています。

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同じ前方の空間を縦向きに撮影してみます。大天井画が少し見えています。

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角度を変えて、左側に寄って、撮影してみました。

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同じ場所から縦向きに撮影。大天井画がよく見えます。

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今度は右側に寄って、撮影。

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同じく、縦向きに撮影。

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最後にもう一度、美しい大天井画を見上げます。素晴らしいですね。

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小さな教会なので、ゆっくりと見ても、鑑賞するのにそれほどの時間はかかりません。滞在時間はわずか15分ほどでした。この後は教会の周りを散策してみましょう。

あっ、そうそう、肝心のこの教会のご本尊の姿をご紹介していませんでした。2段構成の祭壇の下部に収められている《鞭打たれる救い主》の恵みの像です。この像に起きたヴィースの奇跡が巡礼者を集め、結果として、この美しいヴィースの巡礼教会を作り上げました。この簡素な像の秘めているパワーを感じ取ってくださいね。

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