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もう一つの《アメリカ》~ドヴォルザーク・プロジェクト第3夜:ウィハン・カルテット@鶴見サルビアホール 2018.9.26

昨夜は弦楽四重奏曲第12番《アメリカ》の素晴らしい演奏を聴きましたが、今日はドヴォルザークがその《アメリカ》の作曲完了の3日後に書き始めて1か月で書き上げたという弦楽五重奏曲第3番を聴きました。この弦楽五重奏曲第3番も《アメリカ》と呼ばれることがあるそうです。同じくアメリカに滞在していたときの作曲だからです。アメリカ的な旋律があるわけではなく、やはり、スラヴ風の旋律が美しい作品です。その弦楽五重奏曲第3番の第3楽章が素晴らしく美しい演奏でホールに響き渡り、強い感銘を受けました。《アメリカ》は弦楽四重奏曲だけではなく、こんなに美しい弦楽五重奏曲もあったのですね。今回のSQSドヴォルザーク・プロジェクト2018と題したドヴォルザークの室内楽シリーズの白眉でした。今夜は第3夜で、まだ、第4夜も残っているのですが、saraiは第4夜は聴かない(ほかのコンサートに行きます)ので、今日がこのシリーズの打ち止めです。最後に素晴らしいものを聴かせてもらいました。

冒頭はこれまでと同様に弦楽四重奏のための「糸杉(Cypresses)」です。今回の第7/8曲はとりわけ美しい曲で、その素晴らしい演奏に大変、感銘を受けました。第7曲の哀しみにあふれた響きには胸がいっぱいになります。糸杉の最高の1曲です。ウィハン・カルテットのアンサンブルも見事です。糸杉を初めて聴けたのも今回の収穫でした。

続いて演奏された弦楽四重奏曲 第11番も初聴きながら、規模が大きくて、魅力にあふれた作品です。ウィハン・カルテットの演奏も素晴らしくて、集中して聴くことができました。もっと聴き込むとその魅力に引き込まれるでしょう。

後半は前述した弦楽五重奏曲第3番《アメリカ》です。ウィハン・カルテットにヴィオラの小峰航一が加わっての演奏でしたが、まるで5人編成のウィハン・カルテットみたいで隙のないアンサンブルでした。第1楽章からボヘミア風のメロディーが流れ、その美しい響きに引き込まれます。しかし、第3楽章にはいると、ホールの空気が一変します。美しい音楽、美しいアンサンブルに聴衆の緊張感が高まるのが分かります。そういうsaraiも数段階高い集中で音楽を聴き始めます。一つの音も聴き洩らさないという前のめりの感じで全身の感覚が耳に集中します。5つの弦楽器が様々な構成でボヘミア風の旋律を歌い上げます。磨き抜かれたアンサンブルの響きが素晴らしい室内楽専用ホールの空気を振動させていくのが何と心地よいものか・・・名曲プラス名演奏プラス名ホール。これ以上のものはありません。第4楽章にはいると、一変して、きびきびした音楽が始まります。やはり、第3楽章のほうがよかったなあと思っているうちに、コーダに突入していきます。ユニゾン風に5つの弦楽器が響き渡り、音楽の頂点を形作っていきます。いったん、スローダウンし、それから最後の決めの和音。感動のフィナーレでした。

アンコールはもう一度、あの素晴らしい第3楽章が聴きたいと思っていたら、第3楽章の最後の短いパートだけを弾いてくれました。満足と言えば、満足。残念と言えば、残念ですが、耳に美しい旋律の残像が残りました。これで3夜にわたるドヴォルザークの室内楽シリーズもおしまい。心に残るコンサートになりました。

今日のプログラムは以下です。

  弦楽四重奏:ウィハン・カルテット
   レオシュ・チェピツキー vn    ヤン・シュルマイスター vn
   ヤクブ・チェピツキー va   ミハル・カニュカ vc

 SQSドヴォルザーク・プロジェクト2018 第3夜

  弦楽四重奏のための「糸杉(Cypresses)」 第7-9曲
     7. 私はあの家の周りを忍び歩く
     8. 私は深い森の中の空き地に立ち
     9. おお、ただ一人のいとしい人

  弦楽四重奏曲 第11番 ハ長調 Op.61

   《休憩》

  弦楽五重奏曲 第3番 変ホ長調 Op.97
   ヴィオラ:小峰航一

   《アンコール》
    弦楽五重奏曲 第3番 変ホ長調 Op.97 第3楽章ラルゲットから最終パート

最後に予習について触れておきます。
「糸杉(Cypresses)」と弦楽四重奏曲第11番はこれまでと同様に以下の全集盤で予習しました。

 プラハ弦楽四重奏団(全集盤) 1973年録音

糸杉の第7/8曲は最高の名演です。


弦楽五重奏曲第3番は、以下のCDで予習しました。

 エマーソン四重奏団、ポール・ニューバウアー(ヴィオラ) 2008年 ニューヨーク セッション録音

さすがにエマーソン四重奏団です。とても美しい演奏です。


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オペラ・美術が大好きでヨーロッパの旅にはまっています。音楽の聖地ウィーンが中心で、イタリア、フランス、ドイツも巡っています。国内外のオペラ・コンサートの体験もレポートします。

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