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モーツァルトのハ長調の協奏曲に感動! 読売日本交響楽団@サントリーホール 2018.11.28

最初と最後は現代音楽で、その真ん中は古典中の古典のモーツァルトという変わった構成のプログラムです。現代音楽は何とも感想が書けませんが、その凄まじい音響はいたく、耳を刺激しました。まあ、それでいいのかもしれません。ジョン・アダムズのシティ・ノワールはシンフォニック・ジャズの現代版っていうところでしょうか。金管楽器が奏するブルース調の響きが印象的でした。

真ん中で演奏されたモーツァルトのフルートとハープのための協奏曲はソリストにベルリン・フィルの首席奏者を招いてのものでしたが、そのソロの演奏も読響のアンサンブルも見事なもので、あまりの素晴らしさに胸が熱くなりました。圧巻だったのは第2楽章。第2楽章はヘ長調ですが、この調はフルートがよく響きます。オーケストラもこのアンダンティーノの楽章は弦楽器だけの演奏とシンプルでフルートとハープがさらによく響きます。モーツァルトの長調はその純粋な美しさが極まると、哀しみ色に染まります。幸福感にあふれていながら、何故か哀しくなります。今日の素晴らしい演奏も胸に迫ってきて、感動の極致に至りました。旅の音楽家、モーツァルトが3度目のパリ訪問時に作った傑作です。モーツァルトは22歳。求職中の身の上でしたが、前途洋々の思いを持った青年になっていました。しかし、この曲を作った2~3カ月後、彼を襲ったのは一緒に旅をしていた母の突然の死でした。もちろん、そういう不幸を予感して作った曲ではありませんし、あふれんばかりの幸福感に満ちた作品です。でも、つい、saraiは感傷的になって、この作品を聴いてしまいます。第1楽章と第3楽章のシンプルなハ長調の出来栄えはどうでしょう。今日の演奏はそれを十全に示してくれました。フルートのパユとハープのラングラメに感謝です。

今日のプログラムは以下です。

  指揮:デニス・ラッセル・デイヴィス
  フルート:エマニュエル・パユ
  ハープ:マリー=ピエール・ラングラメ
  管弦楽:読売日本交響楽団 長原 幸太(コンサートマスター)

  スクロヴァチェフスキ:ミュージック・アット・ナイト
  モーツァルト:フルートとハープのための協奏曲 ハ長調 K.299(297c)
   《アンコール》 イベール:フルートとハープのための間奏曲

   《休憩》

  ジョン・アダムズ:シティ・ノワール


最後に予習について、まとめておきます。

スクロヴァチェフスキのミュージック・アット・ナイトは予習なし。スクロヴァチェフスキが指揮活動以外に作曲していたことさえ知りませんでした。読響ではしばしば自作を指揮していたんですね。

モーツァルトのフルートとハープのための協奏曲を予習したCDは以下です。

 クリストファー・ホグウッド指揮エンシェント室内管弦楽団(AAM)、リザ・ベズノシウク(フルート)、フランシス・ケリー(ハープ) 1986年録音

リザ・ベズノシウクはバロックのピリオド奏法のスペシャリストのフルート奏者ですが、その音色の玉を転がすような絶妙な響きに驚かされます。このフルートを聴くだけでもこのCDを聴く価値があります。全体の演奏も極上です。この曲はランパル、ラスキーヌ、パイヤールという鉄板の演奏をいつも聴いていますが、予習なので別の演奏を聴こうと思ったら、当たりの演奏でした。

ジョン・アダムズのシティ・ノワールを予習したCDは以下です。

デイヴィッド・ロバートソン指揮セントルイス交響楽団 2013年改訂版 2013年録音 セントルイス、パウエルホール

2009年に作曲された現代音楽ですが、最近の現代音楽に共通する特徴である聴きやすさに満ちています。初めて聴きましたが、無理なく、するっと耳に入ってきました。初演したドゥダメルの演奏が聴きたかったのですが、音源が入手できませんでした。比較はできませんが、このCDの演奏も水準以上のものです。



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