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ジョナサン・ノット&東響のダ・ポンテ3部作も大団円、感動!感動!《フィガロの結婚》@ミューザ川崎シンフォニーホール 2018.12.7

オペラの醍醐味を満喫しました。一昨年から始まったジョナサン・ノット&東響のダ・ポンテ3部作も大団円になり、最後は《フィガロの結婚》です。《コジ・ファン・トゥッテ》、《ドン・ジョヴァンニ》と素晴らしい公演が続き、いやがうえにも期待が高まる《フィガロの結婚》です。期待しながら、開演を待ちます。意外に空席もあるのが不思議です。評判になっている公演だと思いますけどね。いよいよ、ジョナサン・ノットが満面の笑みを浮かべながら、入ってきて、タクトを振り始めます。序曲です。あれっ、妙にくぐもった響きです。特に第1ヴァイオリンが響きません。さてはガット弦での演奏なのかなと推測します。管楽器はホルンはナチュラルホルンのようですが、ほかは普通の楽器のように思えます。ヴァイオリンは対向配置で絞った構成です。まあ、悪くはない演奏ですが、こんなに響かない演奏は好みではありません。序曲が終わり、フィガロとスザンナが登場します。フィガロ役のマルクス・ヴェルバは張りのある素晴らしい歌唱を聴かせてくれます。スザンナ役のリディア・トイシャーは高域はともかく、中低域の声が響きません。万全のスタートではありませんね。今回は2幕目の後に1回の休憩が入ります。第1幕から第2幕までは通しで演奏されますが、もう一つ、乗り切れない演奏が続きます。saraiも途中、集中を欠いてしまいます。第2幕の終盤の7重唱になって、俄然、音楽が高潮し、素晴らしい重唱に耳を奪われます。演奏もさることながら、モーツァルトの天才ぶりに今更ながら感嘆します。盛り上がったところで休憩です。

休憩後、第3幕が始まります。このあたりになるとスザンナ役のリディア・トイシャーの声の響きがとても美しくなります。その透明な高域の声は魅惑的です。アルマヴィーヴァ伯爵役のアシュリー・リッチズも「わしがため息をついて嘆いている間に家来が幸せになるのか」のアリアを見事に歌い上げます。柔らかな声質のバリトンです。裁判の後、すったもんだの挙句、フィガロの身の上が分かって、六重唱「この抱擁は母のしるし」が歌われますが、第2幕終盤と同様にモーツァルトの天才ぶりが再び、発揮されます。ため息の出るような素晴らしい重唱です。次いで、待ち望んでいたアルマヴィーヴァ伯爵夫人のアリア「あの楽しい思い出はどこに」です。今回、一番、楽しみにしていた名花、ミア・パーションの歌唱です。遂に実力を発揮してくれました。本当は彼女のスザンナを聴きたかったのですが、声質が少し重くなり、スザンナ役は卒業して、伯爵夫人になりました。結局、彼女のスザンナを生で聴く機会は失ってしまいました。でも、彼女のピュアーな高音は健在で素晴らしいアリアを歌ってくれました。一昨年、《コジ・ファン・トゥッテ》ではフィオルディリージを歌う筈でしたが、体調不良で残念なキャンセルになり、その美声を聴き逃がしましたが、ようやく、彼女の美声を聴くことができました。2012年にウィーン国立歌劇場で彼女の素晴らしいゾフィーを聴いて以来ですから、6年ぶりです。その感激も束の間。スザンナ役のトイシャーが登場して、パーションと二人で手紙の二重唱「そよ風によせて…」を歌います。二人の透き通るようなソプラノが織りなす歌唱に大変な感銘を受けます。で、第2幕終盤の結婚式の場に突入します。主役はノット指揮東響のアンサンブルです。序曲では不満足だったアンサンブルが最高の響き、音楽を奏でます。素晴らし過ぎる演奏に絶句します。第3幕は最高の音楽が続き、saraiはすっかり、満足。これ以上のフィガロは望むべくもありません。第4幕もそのままの高いレベルのアンサンブルと歌唱が続きます。マルチェリーナ役のジェニファー・ラーモアがとんでもなく素晴らしいアリア「牡山羊と牝山羊は」を歌ってくれます。このアリアって、こんなに素晴らしいアリアだとは今まで気が付きませんでした。ジェニファー・ラーモアは以前、《ルル》のゲシュヴィッツ伯爵令嬢でも主役のルルを食ってしまいそうな歌唱を聴かせてくれましたし、新国のオペラ《イェヌーファ》のコステルニチカでも鬼気迫る歌唱を聴かせてくれました。驚くべき歌唱力の持ち主ですね。素晴らしいアリアが続き、やがて、フィナーレに差し掛かります。音楽が色合いを変えて、伯爵が許しを乞い、伯爵夫人が許しを与える最高の場面です。これには参りました。これで感動しなければ、今日の演奏を聴く意味がありません。モーツァルトの最高の音楽です。伯爵役のアシュリー・リッチズ、伯爵夫人役のミア・パーションの渾身の歌唱に感動のあまり、涙が流れます。そして、一同の祝祭的な重唱に勢いよく突入し、最後はノットが勢い余ったような凄い演奏で締めます。幸福感に満たされて、最高の充足感に浸ります。

これでジョナサン・ノット&東響のダ・ポンテ3部作が終わってしまうのはあまりにもったいない。そうです。今日は配偶者と一緒にこのミューザ川崎で聴きましたが、明後日のサントリーホールの公演にも今度はsarai一人で出かけます。絶対に素晴らしい公演になるという確信がありましたから、両方の公演のチケットを入手しておきました。こんな美味しい公演を聴き逃がすわけにはいきません。空席があったのが不思議です。
ジョナサン・ノット&東響のダ・ポンテ3部作の公演、全体を通しての感想はサントリーホールの公演を聴いた後にアップします。


プログラムは以下です。

 モーツァルト 歌劇「フィガロの結婚」全4幕

  指揮&ハンマーフリューゲル:ジョナサン・ノット
  演出監修:アラステア・ミルズ

フィガロ:マルクス・ヴェルバ
スザンナ:リディア・トイシャー
アルマヴィーヴァ伯爵:アシュリー・リッチズ
アルマヴィーヴァ伯爵夫人:ミア・パーション
ケルビーノ:ジュルジータ・アダモナイト
マルチェリーナ:ジェニファー・ラーモア
バルバリーナ:ローラ・インコ
バジリオ/ドン・クルツィオ:アンジェロ・ポラック
  バルトロ/アントニオ:アラステア・ミルズ

合唱:新国立劇場合唱団
管弦楽:東京交響楽団


予習したのは以下の映像作品です。

 2015年ザルツブルク音楽祭
  2015年8月9日 モーツァルト劇場(ザルツブルク)

 <歌手>
 ルカ・ピサローニ(アルマヴィーヴァ伯爵 / バス・バリトン)
 アネット・フリッチュ(伯爵夫人 / ソプラノ)
 アダム・プラチェツカ(フィガロ / バリトン)
 マルティナ・ヤンコヴァ(スザンナ / ソプラノ)
 マルガリータ・グリシュコヴァ(ケルビーノ / メゾ・ソプラノ)
 アン・マレー(マルチェリーナ / メゾ・ソプラノ)
 カルロス・ショーソン(ドン・バルトロ / バス)
 パウル・シュヴァイネスター(ドン・バジリオ / テノール)
 フランツ・ズッパー(ドン・クルツィオ / テノール)
 クリスティーナ・ガンシュ(バルバリーナ / ソプラノ)
 エリック・アンスティーネ(アントニオ / バス)

 <合 唱> ウィーン国立歌劇場合唱団
 <管弦楽> ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
 <指 揮> ダン・エッティンガー
 <演 出> スヴェン・エリック・ベヒトルフ

2013年からスヴェン=エリック・ベヒトルフの演出で始まったモーツァルトのダ・ポンテ・オペラ三部作の締めくくりとなる「フィガロの結婚」です。同じシリーズの「コジ・ファン・トゥッテ」は実際にザルツブルグ音楽祭で一昨年に聴いて(見て)、大変、感動しました。この「フィガロの結婚」はその「コジ・ファン・トゥッテ」ほどの出来ではありません。ただし、saraiが見たのはモーツァルト劇場ではなく、フェルゼンライトシューレでしたから、劇場の違いも影響しているのかもしれません。エッティンガー指揮のウィーン・フィルの演奏は素晴らしいです。



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ジャンル : 音楽

       ジョナサン・ノット,

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