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西洋音楽の最高峰:バルトーク、大野和士&東京都交響楽団@サントリーホール 2014.12.9

今日は来年から都響の音楽監督に就任する大野和士が魅力的なプログラムを組んで、発進開始。
バルトークの最高傑作《弦楽器、打楽器とチェレスタのための音楽》。これは意外に演奏機会が少なく、saraiは生で聴くのは初めてかもしれません。
そして、フランツ・シュミットとは・・・絶句です。これもなかなか聴けません。saraiが生で聴くのは初めてです。

こういうプログラムでコンサートに登場するとは、大野和士は只者ではないと思いました。この調子で今後も続けてくれれば、とても楽しみです。

さて、バルトークの《弦楽器、打楽器とチェレスタのための音楽》はsaraiが学生時代にLPレコードで初めて聴いて、大変な衝撃を受けた曲です。そのとき、バルトークを聴いたのが初めてでしたが、それ以来、saraiにとって、バルトークは神のような存在です。その後、弦楽四重奏曲を聴いて、バルトークへの尊敬の念はさらに高まりました。西洋音楽はバッハからベートーヴェンを経て、20世紀はマーラーという高みを迎えましたが、孤高の天才バルトークによって、西洋音楽は未曽有の頂点に立つことができました。その記念碑的作品が《弦楽器と打楽器とチェレスタのための音楽》です。この作品は聴く者に大変は緊張感を与えずにはおかない音楽です。ある意味、音楽というジャンルを別次元の芸術に変容させたとも思えます。

今日の演奏はどうなるか、期待感と不安感を持って臨みました。これ以上の演奏もありうるかも知れませんが、十分に期待感を満足させてくれる素晴らしい演奏でした。変な言い方ですが、ちゃらちゃらした演奏ではなく、実に真摯な演奏でした。真正面から、この音楽へ向かい合った、渾身の演奏だと感じました。都響の素晴らしい弦楽セクションにはいつも魅了されますが、今日は弦楽の各セクションの首席奏者が2人ずつ揃った万全の布陣。その彼らが実に見事な演奏を聴かせてくれました。静謐さを感じさせる演奏から、乗りのよいリズミックな演奏まで、この曲の真髄に迫る演奏でした。特に第1楽章の緊張感と不安感のみなぎる演奏には強烈なインパクトがありましたし、第4楽章の後半の高揚感は大変なものがありました。都響のこういう素晴らしい演奏を引き出した大野和士の音楽力も高く評価するものです。

後半のフランツ・シュミットの交響曲第4番の演奏ですが、これは正直なところ、評価は・・・分かりません。フランツ・シュミットらしい濃厚なロマンは表出できていたと思います。マーラーの演奏に卓越した都響の強力なアンサンブルは諸処にマーラーかと思わせるような美しく濃密なロマンティックさを感じさせてくれましたが、果たして、それがフランツ・シュミットと言えるのか・・・難しいところです。全般にハーモニーが分厚過ぎるようにも感じました。まあ、そういう解釈での演奏だったんでしょうが、少し、違和感がありました。しかしながら、都響もこれがフランツ・シュミットの滑り出しならば、上々のスタートかもしれません。マーラー演奏と同様に、フランツ・シュミットの音楽も熟成させていけば、高いレベルに到達できることでしょう。今後もフランツ・シュミットの音楽をレパートリーに加えていってほしいと念願します。

ところで、今日のプログラムは以下です。

  指揮:大野和士
  管弦楽:東京都交響楽団

  バルトーク:弦楽器、打楽器とチェレスタのための音楽 sz.106

   《休憩》

  フランツ・シュミット:交響曲第4番 ハ長調

最後になりましたが、予習について触れておきます。
バルトークの《弦楽器、打楽器とチェレスタのための音楽》は実演こそ聴いていませんが、LPレコード、CDを聴き続けてきており、今更、予習でもありませんが、いい機会なので、また、いくつかのCDを聴き直しました。

 フリッチャイ&RIAS交響楽団(1953年録音、モノラル)
 ライナー&シカゴ交響楽団(1958年録音、LIVING STEREOのSACD Hybrid盤)
 ドラティ&フィルハーモニア・フンガリカ(1974年録音)
 クーベリック&バイエルン放送交響楽団 (1981年録音)
 ショルティ&シカゴ交響楽団(1989年録音)
 ブーレーズ&シカゴ交響楽団(1994年録音)

何と言っても、ライナー&シカゴ交響楽団は名盤中の名盤。これまで何度聴いたか分かりませんが、聴くたびに戦慄を覚えるような素晴らしい演奏です。もちろん、昔はLPレコードで聴いていましたが、今はSACD Hybrid盤の素晴らしい音質です。今回新たに聴いて、このライナー&シカゴ交響楽団を超えるかもしれないと思ったのは、ドラティ&フィルハーモニア・フンガリカです。ドラティはほかの演奏は聴いていましたが、このハンガリーのオーケストラとの演奏は素晴らしいものです。フリッチャイ&RIAS交響楽団も素晴らしい演奏ですが、モノラルなのが惜しまれます。なお、このRIAS交響楽団というのは現在のベルリン放送交響楽団の前身だったオーケストラです。他のCDはちょっと緊張感において、物足りなく感じました。

フランツ・シュミットの交響曲第4番はあまり、たくさんのCDは発売されていません。予習したのは以下。

 ネーメ・ヤルヴィ&デトロイト交響楽団(全集盤)
 メータ&ウィーン・フィル

どちらもなかなかの演奏です。


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