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伝説の名演:チェリビダッケのブルックナー交響曲第8番

コンサート(パーヴォ・ヤルヴィ指揮フランクフルト放送交響楽団)に向けて、ブルックナーの交響曲第8番を集中的に予習していました。
この曲は名指揮者による名盤揃いだし、とにかく演奏時間が長いので、絞りに絞っての予習です。これまでに聴いていないものを中心に聴きました。因みにこれまで聴いたCDでのsaraiの好きなものは以下です。

 ヨッフム、シュターツカペレ・ドレスデン
 ジュリーニ、ウィーン・フィル
 ヴァント、ケルン放送交響楽団
 ハイティンク、アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団

で、今回は世評に高いものを聴き、以下のものが気に入りました。
 クナッパーツブシュ、ミュンヘン・フィル(1962)
 ヨッフム、ベルリン・フィル(シュターツカペレ・ドレスデンと同程度に評価)
 ヴァント、ベルリン・フィル(ケルン放送交響楽団と同程度に評価、北ドイツ放送交響楽団は今一つ)

クナッパーツブシュ+ミュンヘン・フィルは世評通り、素晴らしい演奏。特に第4楽章は力強さと美しさが交錯する空前絶後の演奏で最高の演奏でした。一方、これも世評に高いシューリヒト+ウィーン・フィルは音質ももうひとつであまりピンときませんでした。最新のCDは音質がよくなっているようですから、聴き直す必要があるかもしれません。

というところで、最後に手にしたのがこの運命のCDです。
 チェリビダッケ、ミュンヘン・フィル(1993年ミュンヘン・ライブ)

これは物凄い演奏です。特に第3楽章の究極の美しさは圧倒的です。第4楽章も実に美しい。第1楽章と第2楽章はそこまではいきませんが、他の指揮者の演奏も第1楽章と第2楽章はすべて物足りないので、この演奏は異次元の素晴らしさに感じ入りました。

ここまでの予習で最大の収穫はチェリビダッケのミュンヘンライブを聴けたことです。白状すると、これが初めて聴いたチェリビダッケの演奏です。もちろん、評判は知っていましたが、これほどのものとは露とも知らず、これまで聴いていませんでした。あやうく、ブルックナーの最高峰とも言うべき演奏を聴かずして、人生を終えるところでした。

ここで、パーヴォ・ヤルヴィ指揮フランクフルト放送交響楽団のコンサート(みなとみらいホール)を聴き、その演奏に唖然としてしまいました。

気持ちを取り直し、また、チェリビダッケの伝説のCDを聴くことにしました。
 チェリビダッケ、ミュンヘン・フィル(1994年リスボン・ライブ)

これはいわゆる海賊盤ですが、とてもそうは思えない素晴らしい音質です。さらにそれ以上にライブの雰囲気が実にうまく捉えられており、臨場感に満ちています。演奏は第1楽章と第2楽章も最高に素晴らしく、第3楽章と第4楽章の美しさはミュンヘン・ライブに優るとも劣らないものです。ブルックナーのCDのなかで最高の1枚であるだけでなく、クラシックCDすべてのなかで最高の1枚にも思えます。これに匹敵するCDはとっさに思い当りませんが、ワルター指揮ウィーン・フィルのマーラー交響曲第9番あたりでしょうか。このCDを聴かずにクラシック音楽ファンと言ってきた自分が恥ずかしいくらいです。CDを聴いて、こんなに深く感動したのは久しぶりです。この実演を聴いたら、感動して倒れてしまったかもしれません。

こうなると、さらにもう一つチェリビダッケの伝説のCDを聴かないといけません。
 チェリビダッケ、ミュンヘン・フィル(1990年TOKYO・ライブ)

これは正規盤です。NHKがサントリーホールで収録したものです。これもリスボン・ライブと並び立つ名演のCDです。読者のなかには生で聴かれたかたもいらっしゃるでしょう。凄いものがサントリーホールで演奏されたんですね。第1楽章と第2楽章はリスボン・ライブ以上の素晴らしさです。第3楽章と第4楽章の美しさはリスボン・ライブと比べるようなものではなく、どちらも最高とだけ言っておきます。

チェリビダッケ初心者のsaraiですが、この3枚のライブ盤(ミュンヘン、リスボン、TOKYO)はあらゆるクラシック音楽愛好者に聴くことをお勧めします。もっとも、saraiが聴いていなかっただけなんでしょうか。これらのCDをご紹介いただいたハルくんさんには感謝あるのみです。
ところで、これらのCDを聴くときには注意事項があります。ともかく、第2楽章以外は超スローテンポなので、ただでさえ長いこの曲がともかく長くなり、たっぷりと時間と体力がないと聴けません。ただ、聴いていると、そのあまりの美しさに時間の経過を忘れてしまいます。

チェリビダッケにはシュトゥットガルト放送交響楽団と初期に録音したCDがあり、それはそんなにスローテンポではなさそうです。これも聴かないとね。あと、TOKYOライブはNHKが録画したヴィデオ映像もあるので、これも鑑賞してみます。

その前に明日はサントリーホールで2回目のパーヴォ・ヤルヴィ指揮フランクフルト放送交響楽団のコンサートがあります。チェリビダッケはともかくとしても前回よりもいい演奏であってほしいものです。

最後にですが、こんなにブルックナーの交響曲第8番にこだわっているのは、来年4月にアムステルダムでハイティンク指揮ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団の演奏を聴くからです。現在、チェリビダッケの素晴らしい演奏に対抗できるのは、このコンビだと信じています。



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この記事へのコメント

1, 風太さん 2012/06/10 01:09
チェリのブルックナーはどれもこれも大変素晴らしいもので、特に8番のリスボンライブはブルックナー演奏数ある中でも最高峰でしょうか。
他には5番の演奏が私は気に入っています。
5番の2楽章のアダージュの美しさはチェリ以外に考えられないとまで惚れ込んでいます。
あとチェリではリムスキーコルサコフのシェラザードのミュンヘンフィル盤がお薦めです。
昔昔まだチェリが知られていなかった頃、新宿の丸井の地下にあったタワーレコードで、このチェリの紫色のジャケットのライブ盤(METEORレーベル)のシェラザードが千枚単位で売れた伝説が残っています。
ここの店長氏がじつは日本におけるチェリブームの火つけ人だったのですね。
とんでもない人です。w

2, 風太さん 2012/06/10 01:10
ちなみにチェリ以外ではヴァントがチェリの手兵ミュンヘンフィルを振ったシューベルトの未完成は、恐らく未完成の中でも最高峰に位置する名演でしょうね。
もう天から神が舞い降りてきたかのような荘厳な演奏です。
そして同じくヴァントがミュンヘンフィルを振ったブルックナーの4番も超名演です。
この美しさもたとえようもないものです。

3, saraiさん 2012/06/10 17:20
風太さん、初めまして、saraiです。

チェリビダッケはまだブルックナーの8番しか聴いていない初心者です。5番というと、ミュンヘン・フィルの1993年ガスタイクでのライブ録音ですね。1986年の同じくミュンヘン・フィルの東京ライブもありますね。あと、1985年の同じくミュンヘン・フィルのガスタイク・ライブもありますね。時間をみて、聴いてみます。
ヴァントのシューベルトはケルンの全集を聴きましたがとても気に入ってます。ミュンヘン・フィルともやっているんですね。チェックです。ブルックナーの4番はprofilから出ているやつですね。
貴重な情報、ありがとうございました。
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ジャンル : 音楽

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首都圏の様々なジャンルのクラシックコンサート、オペラの感動をレポートします。在京オケ・海外オケ、室内楽、ピアノ、古楽、声楽、オペラ。バロックから現代まで、幅広く、深く、クラシック音楽の真髄を堪能します。
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久々のコメント、ありがとうございます。
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06/18 12:46 sarai

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