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名曲の豊かな響き:RSBクァルテット@鶴見サルビアホール 2019.3.18

鶴見サルビアホールが豊かな響きに満たされて、室内楽ファンとしては満足の時間を過ごしました。まったく、ホールトーンの優れていることにまたまた驚愕。ここで聴くと失礼ながら、カルテットの実力が2~3段階優れているように聴こえます。かのロンドンのウィグモアホールと比べて、どうなんでしょう。

ともあれ、今日聴いたのはRSBクァルテット。初聴きです。ベルリン放送交響楽団Rundfunk-Sinfonieorchester Berlin(略称RSB)のトップ奏者たちで組織されているとのことです。以下の写真は当日、入り口で配布された葉書大のフォトカードです。珍しいものをいただきました。

2019031801.jpg



演奏は豊かな響きで厚みのあるもので、実に分かりやすいです。それほどの繊細さはありませんが、そういう精緻な演奏よりも深い和声の響きを目指しているのでしょう。そういう意味では成功していると思いますし、十分に楽しめました。意外に精緻な演奏は理解が難しい演奏になりがちなので、こういう厚みのある演奏もいいものです。

最初のモーツアルトは彼らの厚い響きがもっとも適していて、素晴らしい演奏でした。とても17歳のモーツアルトが書いたとは思えない充実した音楽に仕上がっていました。

2番目のドビュッシーの弦楽四重奏曲は最初、その厚みのある響きに違和感を覚えましたが、次第に納得の演奏になります。ドイツ的なアプローチかもしれませんが、これはこれで分かりやすいドビュッシーです。ドビュッシーの和音の美しさを堪能しました。

最後のシューベルトの弦楽四重奏曲 第14番 「死と乙女」ですが、なかなかの熱演。長大な作品ですが、集中して聴き入りました。細部の詰めが甘い点もありますが、全体的には納得の演奏です。今日の演奏で素晴らしかったのは第1楽章と第4楽章のダイナミックな演奏に尽きます。この作品がいかに堂々たる重厚な作品なのかが再認識されます。見事な演奏でした。

今日のプログラムは以下です。

  弦楽四重奏:RSBクァルテット(ベルリン放送交響楽団弦楽四重奏団)
    アンドレアス・ノイフェルト vn マックス・シモン vn サミュエル・エスピノーザ va リンゲラ・リエムケ vc

  モーツァルト:弦楽四重奏曲 第3番 ト長調 K.156
  ドビュッシー:弦楽四重奏曲 ト短調 Op.10

   《休憩》

  シューベルト:弦楽四重奏曲 第14番 ニ短調 D.810 「死と乙女」

   《アンコール》
    なし

最後に予習について触れておきます。

1曲目のモーツァルトの弦楽四重奏曲 第3番は以下のCDを聴きました。

 バリリ四重奏団 1955年2月録音 ウィーン
 アマデウス弦楽四重奏団 1975年12月録音 ミュンヘン、ヘルクレスザール

アマデウス弦楽四重奏団の演奏も素晴らしいのですが、やはり、バリリ四重奏団の演奏は圧巻でうっとりと聴いてしまいます。モーツアルトの弦楽四重奏曲はバリリ四重奏団のCDさえあれば、ほかには何もいらないとさえ思ってしまうほどです。


2曲目のドビュッシーの弦楽四重奏曲は以下のCDで予習をしました。

 アルカント・カルテット  2009年10月録音
 ベルチャ四重奏団 2000年5月録音

いずれも素晴らしい演奏です。気になっていたカルテットの演奏を聴いてみたら、当たりでした。ドビュッシーの弦楽四重奏曲もよい録音が出てきたなという感じです。音楽の理解が進みます。今まではあまり気に入った演奏がなかったんです。


3曲目のシューベルトの弦楽四重奏曲 第14番 「死と乙女」はブッシュ四重奏団の演奏が愛聴盤なんですが、今回は予習というよりも新たな演奏を楽しむという観点で以下のCDを聴きました。

 キアロスクーロ四重奏団 2017年3月録音 ケルン、ドイッチュラントフンク・カンマームジークザール
 コパチンスカヤによる弦楽合奏編 パトリツィア・コパチンスカヤ(ヴァイオリン、指揮)、セントポール室内管弦楽団 2015年3月27-29日録音 ミネソタ州セントポール、オードウェイ音楽堂
 パーヴェル・ハース四重奏団 2013年4月27,28日録音
 リンゼイ四重奏団 1988年12月12-15日録音 キャッスルトン・パリッシュ・チャーチ シェフィールド イギリス

アリーナ・イブラギモヴァ率いるキアロスクーロ四重奏団はさすがの演奏。素晴らしいと思いましたが、パーヴェル・ハース四重奏団は若さと勢いに満ちた異次元の演奏。こういう「死と乙女」もあるんですね。第4楽章の後半以降の迫力には圧倒されました。期待したリンゼイ四重奏団はほぼ満足の演奏。もっと美しい演奏を期待しましたが、まあ、これでも十分でしょう。注目したコパチンスカヤの編曲と指揮による弦楽合奏版は結構フツーの演奏で期待外れ・・・一体、何を期待していたのかしらね。


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