大震災の旅への影響・・・大塚国際美術館の続き:エル・グレコ
大変でしょうが、被災者のみなさんの頑張りや関係者のご努力、お祈りするばかりです。
前回の記事で書いたようにほとんどのコンサートは中止になりました。
特に次の旅の前日のサントリーホールのコンサートも中止になり、成田出発の前泊の予定変更も余儀なくされました。
当初はお大尽で、コンサート終了後にホテル・オークラに前泊し、早朝のリムジンバスで成田空港に移動する予定でした。
コンサートの中止でこの予定は不必要になり、ホテル・オークラは早速キャンセル。
でも、現状の交通状況を考えると成田空港周辺での前泊は必須です。
で、空港そばの格安ホテルを確保。旅も近づくなか、バタバタです。
本来は旅のスケジュールも見直すべきかも知れませんが、既に旅の手配は完了し、ほとんどの費用も支払い済み。
特にオペラ・コンサートのチケットの再手配は困難です。
何とか、このまま、旅を実行したいと思っています。
さて、大塚国際美術館の続きです。
大塚国際美術館もB3Fにあるシスティーナ礼拝堂、フェルメール作品群と見てきましたが、お次はエル・グレコです。
エル・グレコというと昨年の11月に倉敷の大原美術館で見た素晴らしいエル・グレコの「受胎告知」が記憶に新しいですが、この大塚国際美術館のエル・グレコもオリジナルではないとはいえ、彼のまさに代表作中の代表作で感動します。
配偶者も感を同じくしたようで、真剣にスペインへ見に行かないといけないと語り合いました。それもトレドに行かないとオリジナルが見られません。マドリッドの美術館と合わせて、近々にスペイン美術の旅を検討したいと思います。
そのエル・グレコですが、まずはスペインのドーニャ・マリア・デ・アラゴン学院にあった大祭壇衝立画です。この大祭壇衝立画はナポレオン戦争で破壊され、現存しない作品です。その作品を推定復元したもので、世界初の試みだそうです。個々の絵画はプラド美術館などで見られるようですが、このように全体が構成されているのはここでしか見られないものです。

この大祭壇衝立画を構成する各絵画はスペインのプラド美術館にあるエル・グレコの5点の作品
「キリストの復活」(左上)

「キリストの磔刑(たっけい)」(中央上)

「受胎告知」(中央下)

「聖霊降臨」(右上)

「キリストの洗礼」(右下)

さらにルーマニア国立美術館の1点
「羊飼いの礼拝」(左下)

ということで一括して見られるのはここだけということになりますね。
上の写真はこの巨大な大祭壇衝立画を下から見上げたものですが、上の階にはこの大祭壇衝立画を見ることのできる窓があり、そこからの写真が次のものです。

この大祭壇衝立画が展示してある部屋にはこの衝立画に向かって、左右の壁面にそれぞれ1枚ずつ大作が展示されています。
1枚目はトレドの《サント・トメ聖堂》にある「オルガス伯爵の埋葬」です。
これはまさにエル・グレコ渾身の素晴らしい作品です。テレビの美術番組では何度も見た作品ですが、実物大の大きな絵の前に立つと感動してしまいます。実はこの絵を見て、オリジナルをスペインまで見に行きたくなる衝動を覚えました。
絵の構成、精緻な表現、そして、傑作のみが持つ絵の輝き、すべてが最高です。

もう1枚はエル・エスコリアル修道院にある「聖マウリティウスの殉教」です。
この絵も素晴らしい絵ですが、どうしても先程の「オルガス伯爵の埋葬」が素晴らし過ぎて、そちらに関心が向いてしまったという感じでした。この絵も「オルガス伯爵の埋葬」同様に大きな絵で圧倒されます。祭壇画なんですね。

これらのエル・グレコの名作は大塚国際美術館に行かれるかたは必見です。
大塚国際美術館の紹介は次回以降まだまだ続きます。
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