レンバッハハウス美術館は閉館中、トホホ・・・で、ノイエ・ピナコテークに
ホテルからミュンヘンMünchenの街に出かけます。
夜のオペラまで少々時間があるので、美術館に行くことにします。アルテ・ピナコテークAlte Pinakothekとノイエ・ピナコテークNeue Pinakothekは、10年ほど前にミュンヘンを訪れた時に行ったので、青騎士der Blaue Reiter(ミュンヘンの絵画集団の名称、彼らが発刊した総合芸術誌の名称でもあります。)の絵画があるレンバッハハウス美術館Städtische Galerie im Lenbachhausに行くことにします。
ところが、レンバッハハウス美術館の最寄り駅ケーニヒスプラッツKönigsplatzから、その周辺を探します。ファサードの美しい建物が並んでいます。

探しても探しても見つからない。その筈です。レンバッハハウス美術館は2年先(2012年)まで閉館中とのこと。
代わりの特別展はやっていますが、油絵は一切展示されていないとのことなので泣く泣くあきらめます。

(これは後日談ですが、この年の秋に日本でも三菱1号館美術館でレンバッハハウス美術館からの青騎士の展覧会が開催されたので、この時の痛手を何とかリカバリーすることができました。また、この4年後の2014年6月にようやく、再オープンしたレンバッハハウス美術館を訪れることになります。)
それではと、またまた、ノイエ・ピナコテークに行くことにします。最寄りの地下鉄駅、テレジエンシュトラーセTheresienstraßeからノイエ・ピナコテークに向かっていると、また、お寿司屋さんの天満屋の前を通り掛かります。ミュンヘンはお寿司屋さんが本当に多いですね。

ミュンヘン工科大学Technische Universität Münchenのモダンな建物の間を抜けていくと、緑多い公園地区に出ます。まっすぐに歩いていくと、右手にアルテ・ピナコテークの建物が見えてきます。

やがて、左手にモダンな建物が現れます。ノイエ・ピナコテークです。

入館チケット(7ユーロ)を購入して、入館します。

すると、いきなり、ゴッホの名作3点が目に飛び込んできます。有名な「ひまわり」(日本やアムステルダムにもありますが)や「オーヴェールの麦畑」、「アルルの風景」です。
これが「ひまわり」です。1888年にアルルで描かれました。ゴッホが描いた3番目の「ひまわり」で描かれたひまわりの本数は12本です。4番目以降の「ひまわり」はすべて、この作品をもとに制作されたものです。(ナショナルギャラリー(ロンドン):15本、東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館(東京):15本、ファン・ゴッホ美術館(アムステルダム):15本、フィラデルフィア美術館(フィラデルフィア):12本) saraiとしては、7点ある「ひまわり」の中では、アムステルダムのゴッホ美術館のものが一番好きです。もっとも、東京、アムステルダム、ミュンヘンの3点しか見ていませんけどね。

これが「オーヴェールの麦畑」です。1890年にオーヴェールで描かれました。麦畑の明るい色調が印象的です。とても好きな絵です。

これが「アルルの風景」です。1889年にアルルで描かれました。これもとてもよい絵ですね。

他にはこれと言うほどのものはないと思っていたら、最後にクリムトの素晴らしい作品がありました。このところ、クリムトばかり見ている感じですね。
「マルガレーテ・ストンボロー=ヴィトゲンシュタインの肖像」です。1905年にこの肖像画に描かれた女性の父親、カール・ヴィトゲンシュタインの注文によって描かれました。カール・ヴィトゲンシュタインは、鉄と鉱物を扱う大実業家・大富豪でしたが、クリムトのパトロンでもありました。この肖像画はマルガレーテの結婚の記念にクリムトに注文されましたが、出来上がった肖像画を見て、気に入らなかったマルガレーテはそのまま、この肖像画を夏の家の屋根裏部屋に放り込んでしまったそうです。この作品はご覧のとおり、大変、素晴らしい出来栄えですが、肖像画は自分の姿が描かれているので、意に合わないこともあるのでしょう。ちなみにマルガレーテの兄弟には有名な人物が二人います。ルートヴィヒ・ヴィトゲンシュタインは哲学者でウィーンにあるヴィトゲンシュタインの家は有名な建築物です。また、パウル・ヴィトゲンシュタインはピアニストで、第1次世界大戦で負傷し、右腕を失いますが、その後、左手だけで演奏活動を続け、ラヴェルは彼のために《左手のためのピアノ協奏曲》を書きました。

美術鑑賞欲を満たしたところで少しお買い物モードにはいります。
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