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これがショスタコーヴィチの5番か!驚きの演奏・・・ノット&東京交響楽団@サントリーホール 2019.5.25

こんなに立て続けに凄い演奏を聴かせられると、もはや、何の感想も書き得ません。ジョナサン・ノット、それに東京交響楽団の演奏は今、まさに旬の時を迎えているようです。どんなショスタコーヴィチの演奏を聴かせてくれるか、期待していましたが、まさか、これほどとはね・・・(絶句)。ショスタコーヴィチの交響曲第5番と言えば、有名なヴォルコフの「ショスタコーヴィチの証言」以来、その音楽的解釈が問題になってきました。今回もsaraiはその線でどんな解釈での演奏になるのか、いろいろと想像していました。で、実際の演奏と言えば、そんなsaraiの浅知恵を嘲笑うようなもので、そもそも音楽と言うものは、決して文学的解釈の上にたつものではなく、音楽自体が自律性を持って、その芸術的な美を追求するものだということをまざまざと知らしめてくれるようなものでした。ですから、言葉で何を書き連ねても野暮にしかならないということです。音楽それ自体の“美”がすべてだということを思い知らせてくれるような演奏でした。とりわけ、第3楽章の静謐の美、そして、第3楽章の終盤の高潮には耐え切れないほどの緊張と感動を与えられました。息つく間もなく始まった第4楽章の白熱した演奏の連続には身を固くして聴き入るのみ。コーダの高揚感は何にも例えられない素晴らしさ。最後は音楽と一体化した自分がいました。圧巻のショスタコーヴィチでした。

それにしても、ノットが振ると、どうしてこんなに東響が素晴らしい響きで鳴るんでしょう。まるで音楽の神ミューズが舞い降りてきたかのようです。特に弦楽パートの凄絶さは驚異的としか言いようがありません。マーラーのように弦楽パートを細かく分割した、このショスタコーヴィチの交響曲を聴いていると、弦楽奏者、一人一人の力量がどれほど凄いかがよく分かります。東響の弦楽奏者たちは名人揃いだと断じましょう。その名人たちがノットの指揮棒によって、魔法にかかったように驚異の演奏を繰り広げます。金管のささいなミスがありましたが、それが大局に与える影響は皆無。弦楽パートの凄まじさ、そして、フルートを始めとした木管の美しい音色によって、究極のショスタコーヴィチの演奏になりました。

先週のベートーヴェンの交響曲第7番に続くノット&東響の会心の演奏でした。今後、このコンビはさらに精緻を極めた演奏に突き進むでしょうが、現在の勢いは素晴らしく、あえて、旬の時を迎えたと表現しておきましょう。こんな聴き逃せないような演奏が続くのに、満席にならないのは不思議としか言えません。音楽ファンはすべからく、ノット&東響の演奏会場に駆けつけるべし!!

おっと、前半のブリテンのヴァイオリン協奏曲に触れるのを忘れていました。ダニエル・ホープのヴァイオリンはこれまで聴く機会がなくて、初聴きです。素晴らしい音色で安定した演奏でした。ブリテンのスペイン内戦への思いに満ちた美しい音楽を見事に奏でてくれました。彼も要チェックのヴァイオリニストですね。


今日のプログラムは以下です。

  指揮:ジョナサン・ノット
  ヴァイオリン:ダニエル・ホープ
  管弦楽:東京交響楽団  コンサートマスター:水谷晃

  ブリテン:ヴァイオリン協奏曲 ニ短調 op.15
《アンコール》 シュルホフ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタから、第2楽章 

   《休憩》

  ショスタコーヴィチ:交響曲 第5番 ニ短調 op.47


最後に予習について、まとめておきます。

1曲目のブリテンのヴァイオリン協奏曲を予習したCDは以下です。

 フランク・ペーター・ツィンマーマン、マンフレート・ホーネック指揮スウェーデン放送交響楽団 2007年
 
ツィンマーマンの美しいヴァイオリンの響きがすべてです。CDに一緒にはいっているシマノフスキの2曲のヴァイオリン協奏曲も見事な演奏です。そう言えば、最近、ツィンマーマンの実演を聴いていません。そろそろ聴きたいですね。


2曲目のショスタコーヴィチの交響曲第5番を予習したCDは以下です。

 ベルナルト・ハイティンク指揮ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団 1981年5月

バーンスタインやムラヴィンスキーの直線的で劇的な演奏の対極にあるような演奏。スローなテンポには驚かされますが、このテンポが重要です。外面的な派手さを避けて、音楽に秘められた作曲家の内面に迫るような知的なアプローチ。とても音楽的に美しい演奏です。コンセルトヘボウ管弦楽団の響きの厚さと美しさも最高です。この曲を聴き込んだ人にお勧めしたい隠れた名盤です。



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ジャンル : 音楽

       ジョナサン・ノット,

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首都圏の様々なジャンルのクラシックコンサート、オペラの感動をレポートします。在京オケ・海外オケ、室内楽、ピアノ、古楽、声楽、オペラ。バロックから現代まで、幅広く、深く、クラシック音楽の真髄を堪能します。
たまには、旅ブログも書きます。

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aokazuyaさん

コメントありがとうございます。デジタルコンサートホールは当面、これきりですが、毎週末、聴かれているんですね。ファゴットのシュテファン・シュヴァイゲ

03/03 23:32 sarai

DCHは私も毎週末、楽しみに聞いています。
・スーパースターには、ファゴットのシュテファン・シュヴァイゲルトの名も挙げたいところです。
・清水直子さん後半のみ登場、D

03/01 19:22 aokazuya

金婚式、おめでとうございます!!!
大学入学直後からの長いお付き合い、素晴らしい伴侶に巡り逢われて、幸せな人生ですね!
京都には年に2回もお越しでも、青春を過ごし

10/07 08:57 堀内えり

 ≪…長調のいきいきとした溌剌さ、短調の抒情性、バッハの音楽の奥深さ…≫を、長調と短調の振り子時計の割り振り」による十進法と音楽の1オクターブの12等分の割り付けに

08/04 21:31 G線上のアリア

じじいさん、コメントありがとうございます。saraiです。
思えば、もう10年前のコンサートです。
これがsaraiの聴いたハイティンク最高のコンサートでした。
その後、ザル

07/08 18:59 sarai

CDでしか聴いてはいません。
公演では小沢、ショルティだけ

ベーム、ケルテス、ショルティ、クーベリック、
クルト。ザンデルリング、ヴァント、ハイティンク
、チェリブ

07/08 15:53 じじい@

saraiです。
久々のコメント、ありがとうございます。
哀愁のヨーロッパ、懐かしく思い出してもらえたようで、記事の書き甲斐がありました。マイセンはやはりカップは高く

06/18 12:46 sarai
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