ザルツブルク音楽祭:偉大なバッハ、偉大なシフ、平均律クラヴィーア曲集第2巻
さすが、ザルツブルク音楽祭。素晴らしいバルトリの《アルジェのイタリア女》でした。
この後は、もう一つピアノ・リサイタルがあります。会場のモーツァルテウム大ホールMozarteum Grosser Saalへは、ぶらぶらとザルツァッハ川Salzachに架かるマカルト橋Makartstegを渡っていきます。暑くもなく、風が心地よいです。開演までにはちょっと時間があるので、どこかで一服していきましょう。マカルト広場Makartplatz近くのモーツァルトの家Mozart-Wohnhausの中庭にカフェがあったはずです。行ってみると素敵な木陰のカフェです。

そこそこお客さんはいますが、席は空いています。

まずはジュースで喉を潤します。

小腹も空いたので、ホットサンドを頂くことにします。野菜サラダも付いてきます。

さて、会場のモーツァルテウム大ホールに向かいます。今日はアンドラーシュ・シフのピアノ・リサイタルなのですが、昨年のザルツブルク音楽祭でも彼のピアノ・リサイタルに3回も通いました。その時、3回ともお隣の席となり、楽しくおしゃべりをさせていただいた老婦人がいました。大のシフのファンで、ウィーンからいらしたとのこと。シフの奥様は日本人のヴァイオリニストの塩川悠子さんなのですが、その奥様が老婦人の席までわざわざご挨拶にいらっしゃるほどの仲です。きっと、今日もいらしてるだろうと、日本からささやかなお菓子をお土産に持ってきました。会場をのぞくと、やはり最前列にいらっしゃいます。近づくと、覚えていて下さった様子で、優しく握手してくださいます。懐かしくおしゃべりし、お土産を渡します。エッ、私にって・・・とても喜んでくださいます。
このピアノ・リサイタルももちろん、最前列中央で聴きます。これがチケット。

ステージにはシフの愛用のベーゼンドルファーのピアノがちょっと斜めに置かれています。昨年と同様の光景です。

今日はシフがバッハの平均律クラヴィーア曲集第2巻全曲を弾きます。第1巻全曲のコンサートは既に完了。それはスケジュール的に聴けなくて残念。今日の第2巻をしっかりと聴かせてもらいましょう。一気に全曲を弾くとばかり思っていましたが、12番目のプレリュードとフーガの後で休憩を挟みます。さすがのシフも一気に全曲を弾き通しません。驚きです。ここまで、第4番、第8番、第12番のプレリュード、そして、フーガに魅了されました。
休憩時間には、モーツァルテウムの中庭に出ます。もう、夜の9時近くです。とっぷりと暮れて、宵闇に包まれています。

この中庭には移設された魔笛小屋があります。モーツァルトが歌劇《魔笛》を作曲したときの作曲小屋です。この魔笛小屋も夜の闇に包まれています。

さて、平均律クラヴィーア曲集第2巻の後半を聴きましょう。
もちろん文句なく素晴らしい演奏でした! 後半は第14番、第18番、第22番のプレリュード、そして、フーガに魅了されました。とりわけ、第22番のロ短調のフーガはありえない素晴らしさでした。さすがのシフもロ短調のフーガを弾き終えたところで、長い溜息をつくほど、体力と知力を捧げ尽くした演奏でした。
そして、最後の24番目のプレリュードとフーガを聴き終えて、バッハの偉大さ、アンドラーシュ・シフの偉大さが強く感じられました。
このコンサートの詳細な記事はここに既にアップ済みです。
老婦人ともお別れし、大満足で帰路につきます。もう、寒いほどの夜風です。夏も終わり、秋ですね。夜空には、大接近した金星が大きく輝いています。
夜のザルツァッハ川からはライトアップされたザルツブルクの街の美しい夜景が眺められます。ホーエンザルツブルク城estungHohensalzburgも燦然と輝いています。

岩山のトンネルを抜けて、夜11時前にはホテルに無事帰着。
さて、買い込んであった食料で、夕餉としましょう。お肉も美味しい、お寿司も美味しい。身も心も、満腹です。
明日は夜のコンサートを一つ聴くだけです。お昼はザルツブルクをちょっと散策しましょう。
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