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アンリ・ルソー展@ポーラ美術館

さて、ポーラ美術館でのランチも終え、いよいよsaraiと配偶者の二人でずっと楽しみにしていた『アンリ・ルソー展』。
特に配偶者はアンリ・ルソーが大のお気に入りです。

配偶者「アンリ・ルソーって素朴派とか言われてて、人物だけが異常に大きく描かれ全体のバラスを欠いた絵とか、妙な南国のジャングルと動物の絵とか・・・ま、素人画家で下手くその代表のようにも言われてるよね。だけど、数年前にプラハの国立美術館の近現代部門で観た彼の絵は不思議なくらい初めて魅力を感じてしまって、そんな自分にビックリしてしまったわ。そんなわけで、是非まとめて彼の作品を観てみたいと思っていたのよ。」

sarai「オルセー美術館なんかにあるジャングルの妙な雰囲気のある絵はとても感じるところがあるよね。フランス人画家の心象風景って感じかな。日本でまとめて彼の作品を見られるのは楽しみだね。」

さあ、観てみましょう。
まずはレストランから出たところにある窓口でチケットを購入します。事前に美術館のサイトからインターネット割引券を印刷しておいたので100円引きの1700円です。それにしても高いですね! 
ところで、一度この美術館に入館するとスタンプカードを貰え、2度目からは200円引きです。そして、5回目は無料になります。sarai達も多分この美術館はこれで3度目ですが、残念ながら今までのスタンプカードは捨ててしまっています。悔しいですね。これからはちゃんと保存します。
ちなみにシニア割引も200円引きですが、65歳以上なのでsarai達はまだまだです。
で、3400円をクレジットカードで払いました。まあ、今日のランチよりは安いです。


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エスカレータを下りたところが展示会場です。

配偶者は「いやぁ、いいわね。確かになんだか変な絵だけど、写実的に描かなければいけないということはないわね。当時のサロンで評価されていた絵とは違うこのアンリ・ルソーの絵を、ピカソが大絶賛したらしいけど、ピカソの目指すところもこんな所にあったのかもしれないわね。そして、ピカソが主となってアンリ・ルソーを囲む会を開いたらしいけど、その会に集まった面々の名前には驚くわね。こんな人達が集まり、音楽を奏でながら絵画論に花を咲かせたかと思うと、羨ましいったらありゃしない!いい時代だったのね。」などとブツブツ言いながらご機嫌です。

展示はいくつかに分類して並べられていました。
2枚目に展示されていたのは、今回の展示会のポスターにもなっている「エッフェル塔とトロカデロ宮殿の眺望」ですが、暖かい色調の絵からはしみじみとした思いが伝わってきてほのぼのとします。エッフェル塔の先端の3色旗は妙に大きいような気もしますが、そんなことは絵の価値と関係ありませんね。


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色々と絵を見て歩くと、飛行船を描いた印象的な絵に出会いました。「飛行船《レピュブリック号》とライト飛行機のある風景」です。


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関連展示を見ると、ルソーは飛行船の写真やライト飛行機の写真を参考にこの絵を構成したようです。自分の興味の大きいものを自分の心の中で再構成しているんですね。題材が何であれ、彼の心の風景が具現化されるわけで、題材が異なってもすべてルソー・ワールドになっており、一貫性のある絵画群になっています。そして、その肌触りは暖かく素朴です。このよい意味での絵の下手さ加減が、ピカソの心を捉えたのでしょう。ピカソのようにあまりに絵が上手過ぎる人にとっては、その上手さが作品表現上の足枷になる部分があると思います。ピカソはアフリカの民俗品に触発されて自分の上手過ぎる絵の転換を図りますが、ルソーはそのあたりが自然にできているところが素晴らしいと思います。ピカソがルソーの作品を評価したのも分かります。しかしながら、ピカソの芸術的鑑賞眼の素晴らしさには舌を巻きますね。この感性がピカソの最高の美質かもしれません。

で、この展示会での最も素晴らしかった作品は「エデンの園のエヴァ」です。隣にはゴーギャンの同一題材の絵画が展示されていましたが、この絵はアンリ・ルソーの絵の方が素晴らしい。絵の構成、植物の仕上げの精緻さ、多彩な緑色の描き分け、パーフェクトに感じる絵です。この絵に関する限り、幻想的な作風の練達したプロ画家と言えます。


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この絵をまったくイマジネーションのなかで作り上げたのは驚嘆すべきことです。パーツは植物園で写生したかもしれませんが、この風景は彼のイマジネーションによるものです。完成度の高い絵です。
このような素晴らしい絵画が日本の美術館に所蔵され、いつでも見に行けるのは嬉しいことですね。

事実、どこからこれらの作品を借り集めてきたのかと思ったら、ほとんどがポーラ美術館のものなんです。ポーラ美術館の基となった作品を蒐集した鈴木常司さんに感謝ですね。特にアンリ・ルソーに着目して収集したのは素晴らしいことです。
莫大な財産を築いた人は、こういうことに使ってもらいたいですね。

今回の展示会は総合的な展示になっていて、ルソーの音楽まで紹介していました。彼はヴァイオリンが得意で、音楽の面でも秀でていたようです。彼の作曲したワルツがヴァイオリン独奏で聴けるようになっていたので、ヘッドフォンで聴いてみました。譜面を見ながら聴きましたがなかなかの力作。音楽の面でのセンスも感じました。

また、彼を取り巻く仲間たちとの交遊についても紹介されています。ピカソ主催の「アンリ・ルソーを讃える夜会」は詩人アポリネールのこの日のための詩の朗読もあり、大変歴史的に意義深いものです。
また、ルソーが貧しい生活のなかで催していた夜会も音楽などの出し物で楽しいものだったようです。彼の人柄が偲ばれます。この夜会でアコーデオン担当だったのが、かのジョルジュ・ブラックだったということで大変驚きました。

ということで彼にゆかりの画家たちの作品も一緒に展示されていました。いちいち挙げていたらキリがないので省略しますが、それらの展示も楽しめました。

この展示会の会場の1階下の階では常設展もやっていましたが、saraiはこのあたりで疲れてしまいグロッキー。
それでも、もう一踏ん張り元気を出して一通り見て歩きました。
この美術館には印象派以降の名品がぞろっと揃っています。ルノワール、モネ、ゴッホ、・・・・
そのなかで今回一番気に入ったのはデュフィの絵です。配偶者とも意見一致。
「食道楽」という作品でレストランの光景を絵にしています。


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ワイドな横長のカンヴァスにバラ色で描いています。下のブルーとの自然な対比・融合がとても素晴らしいですね。
デュフィの絵のなかでもとても良い絵だと感じました。こういう絵を見ていると気分が高揚します。

絵を鑑賞した後は定番のミュージアムショップに向かいます。それは次回で。
大涌谷からの夕刻の富士山もお楽しみにね。


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ジャンル : 学問・文化・芸術

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オペラ・美術が大好きでヨーロッパの旅にはまっています。音楽の聖地ウィーンが中心で、イタリア、フランス、ドイツも巡っています。国内外のオペラ・コンサートの体験もレポートします。

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えりちゃさん、お久しぶりです。saraiです。

なかなか、海外渡航の見通し、立ちませんね。来年あたりはどうでしょうね。長期戦覚悟で我慢するしかありませんね。

こちら

04/10 02:37 sarai

saraiさま、
お久しぶりです!
お元気にコンサートや旅行を楽しんでおられますね!
ブログ、楽しく拝見しています。おフランス、良いね😊
私は春だというのに、仕事と用事以

04/09 05:29 えりちや

気になってたずねても 
誰にも知らんと言われなんやろ
と思いつづけて居ました❗
写真みつけてこれだと思いました❕スッとしました
教えて下さって嬉しいです
ありがとうご

02/13 22:26 みーちゃん

みーちゃんさん、saraiです。

あの謎の建物は雄琴沖総合自動観測所という施設で琵琶湖の水質を測定しているそうです。

https://www.water.go.jp/kansai/biwako/html/repo

02/13 21:40 sarai

ずーと前にうきみどうに行きました
やはり、琵琶湖の真ん中の建物が何なのか気になったままです
分かりましたか
教えてください

02/13 20:54 みーちゃん

五十棲郁子さん、コメントありがとうございます。

水道水のこと、tap waterって言うんですね。知らなかった。単にwaterで通していました。ましてや、フランス語はほとんど

02/11 00:12 sarai

フランスも地方へ行くと英語が通じないでしょう。tap water ぐらいフランス語で言えないとね。

02/10 12:54 五十棲郁子
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