fc2ブログ
 
  

カンディンスキーと青騎士展@三菱一号館美術館

数日前に、電車に乗っていてこの展覧会の広告を見つけ、目が点に!
これは行かなくては!ということになりました。
善は急げとばかりに、その2日後には展覧会に来ていました。
もちろん、東京都響の会員券の確保のついででもありましたが。

ところで、目下ブログで進行中の《スイス・オーストリアの旅》は、現在ザルツブルグのことを書いています。
次はミュンヘンに移動します。
そのミュンヘンで、是非行こうと真っ先に向かったのが青騎士の館として知られるレンバッハ美術館です。
10年程前のミュンヘン滞在では、アルテ・ピナコテークとノイエ・ピナコテークには行きましたが、日程上、レンバッハ美術館には行きそびれました。もっとも、その頃はまだ美術知識が未熟で青騎士の何たるかもあまり分かっていませんでしたが・・・。
で、今回は絶対にレンバッハ美術館に行くぞと勇んで出かけたわけです。
ところが、地図にある筈の美術館が探しても探しても見つかりません。それもその筈で、2012年までの長期閉館中だったんです。
ちょっとした特別展は仮設の会場でやっていましたが、油絵は展示していないとのことだったので諦めました。
が、日本での展覧会を準備中だったんですね。それならそれで「秋には日本で展覧会があるよ」って窓口のおばさんも教えてくれればよかったのにと思いますが、おばさんも知らなかったのか、saraiが日本人って分からなかったのかもしれませんね。
というわけで、今年の7月にミュンヘンで見ぞこねたレンバッハ美術館の所蔵品を、東京で見られるということにルンルン気分になったわけです。それに本場ミュンヘンのレンバッハ美術館は閉館中なので、きっとよい作品を東京に持ってきてくれただろうという期待もありました。

さて、この《カンディンスキーと青騎士展》が開催されるのは、最近できた三菱一号館美術館です。前回はマネ展をやっていましたが、まだ行ったことのない美術館です。TVでは、BS日テレの《ぶらぶら美術・博物館》のマネ展を見たので、何となく様子は分かっています。レンガ作りの昔の建物を忠実に再現した施設です。東京駅から歩いて7~8分でしょうか。

既に時間指定のオンラインチケットを購入していましたが、特に行列もなく閑散としています。ゴッホ展やデューラー展ならいざ知らず、カンディンスキーと青騎士では日本では人気がありませんね。
で、苦労せずに入場し、ゆっくりと鑑賞と相成ったわけです。

実に膨大なカンディンスキーの作品が展示されていました。
カンディンスキーと言えば、色彩が散りばめられた難解な絵という印象があります。
が、今回の展示では、時代別に展示されており、その歴史的な変化を追うことができます。
ロシアからドイツに来た頃はまだ具象的な分かりやすい綺麗な絵を描いていたようです。
この絵なんかはセンスがよくて、好きな絵です。


deraV1iINE1f78.jpg



その後、パートナーのミュンスター女史とともに、ミュンヘン郊外のムルナウという美しいアルプス山麓の街を発見したことを契機に、画風が一変します。ムルナウの街を描いた絵は輪郭を失い、形も極端にデフォルメするようになり、鮮やかな色彩の饗宴と化していきます。
芸術家が環境に触発されて如何に変容していくかの過程がつぶさに体感できて、あの難解なカンディンスキーも少しは理解できるようになりました。でも、やっぱり、実際の絵を見ると難解です。この絵は彼の代表作の《印象Ⅲ〈コンサート〉》です。


8S7_rl1QaRaf5a.jpg



この絵は、同時代の12音技法を開拓したシェーンベルクのコンサートで、いたく感動して描いた作品だそうです。真ん中の黒いのがグランド・ピアノで、その下は聴衆で、縦の太い2本の白い帯はホールの柱、そして全体を覆う黄色は演奏で喚起される気分または演奏そのものということです。妙に具象的に言われても分かりませんね。それに絵に説明は基本的に不要というのがsaraiの意見です。

カンディンスキーには、このほか音楽を記号のようなもので表現したシリーズもありますが、これはこの展示会には展示されていませんでした。

いずれにせよ、カンディンスキーの《印象Ⅲ〈コンサート〉》が、芸術運動の青騎士の中核的な作品だと思います。パートナーのミュンスター女史はちょっとこれとは距離を置いている印象があります。2人が別れることになったのも雰囲気としては分かるような気もします。しかし、そのミュンスターがカンディンスキーの主要な作品を保管し、それがレンバッハ美術館の所蔵品のベースとなったのです。彼女の大きな功績ですね。美術は表に出ない人の努力で後世に引き継がれ、我々が現在鑑賞し、感動できるんですね。

芸術運動の青騎士ですが、カンディンスキーとマルクらが中心に推進していきます。青騎士の年鑑の表紙はまさに青騎士っていう感じで素晴らしいですね。


HiuJpBIvzV287a.jpg



この表紙も馬の絵ですが、実は青騎士に惹かれているのはsaraiというよりも配偶者です。配偶者はマルクの馬の絵がいたくお気に入りなんです。それを見たくてレンバッハ美術館に行こうとしたんです。今回の東京の美術展も狙いはマルクの馬。
残念ながら、展示されていたマルクの作品は虎と牛の絵でした。
それでも虎の絵は大迫力でした。


PdCX5Ys2YDda05.jpg



お蔭で7月の旅のレンバッハ美術館閉館のダメージは、幾分なりとも解消できました。
でもやはり、2012年以降にレンバッハ美術館が開館したら、是非、見に行きたいと思っています。


↓ saraiのブログを応援してくれるかたはポチっとクリックしてsaraiを元気づけてね

 いいね!



関連記事

テーマ : 絵画・美術
ジャンル : 学問・文化・芸術

コメントの投稿

非公開コメント

人気ランキング投票、よろしくね
ページ移動
プロフィール

sarai

Author:sarai
首都圏の様々なジャンルのクラシックコンサート、オペラの感動をレポートします。在京オケ・海外オケ、室内楽、ピアノ、古楽、声楽、オペラ。バロックから現代まで、幅広く、深く、クラシック音楽の真髄を堪能します。
たまには、旅ブログも書きます。

来訪者カウンター
CalendArchive
最新記事
カテゴリ
指揮者

ソプラノ

ピアニスト

ヴァイオリン

室内楽

演奏団体

リンク
Comment Balloon

金婚式、おめでとうございます!!!
大学入学直後からの長いお付き合い、素晴らしい伴侶に巡り逢われて、幸せな人生ですね!
京都には年に2回もお越しでも、青春を過ごし

10/07 08:57 堀内えり

 ≪…長調のいきいきとした溌剌さ、短調の抒情性、バッハの音楽の奥深さ…≫を、長調と短調の振り子時計の割り振り」による十進法と音楽の1オクターブの12等分の割り付けに

08/04 21:31 G線上のアリア

じじいさん、コメントありがとうございます。saraiです。
思えば、もう10年前のコンサートです。
これがsaraiの聴いたハイティンク最高のコンサートでした。
その後、ザル

07/08 18:59 sarai

CDでしか聴いてはいません。
公演では小沢、ショルティだけ

ベーム、ケルテス、ショルティ、クーベリック、
クルト。ザンデルリング、ヴァント、ハイティンク
、チェリブ

07/08 15:53 じじい@

saraiです。
久々のコメント、ありがとうございます。
哀愁のヨーロッパ、懐かしく思い出してもらえたようで、記事の書き甲斐がありました。マイセンはやはりカップは高く

06/18 12:46 sarai

私も18年前にドレスデンでバームクーヘン食べました。マイセンではB級品でもコーヒー茶碗1客日本円で5万円程して庶民には高くて買えなかったですよ。奥様はもしかして◯良女

06/18 08:33 五十棲郁子

 ≪…明恵上人…≫の、仏眼仏母(ぶつげんぶつも)から、百人一首の本歌取りで数の言葉ヒフミヨ(1234)に、華厳の精神を・・・

もろともにあはれとおもへ山ざくら 花よりほか

月別アーカイブ
検索フォーム
RSSリンクの表示
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR