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復活のコンサートで生きる喜びを感じるも・・・グッタリ!! 高木綾子、ダン・エッティンガー&東京フィルハーモニー交響楽団@ミューザ川崎シンフォニーホール 2019.8.11

今日もフェスタサマーミューザKAWASAKI2019のコンサートです。先週は緊急入院のため、購入済のチケットを無駄にしましたが、今日は退院の翌々日。ネットでもいろいろとお気遣いもいただきましたが、体調は頗る良くて、それでも慎重にコンサートホールに向かいます。とっても近いミューザ川崎ですが、さすがに着いたときには、既にぐったり。あえて、公開リハーサルに行くのは回避したんですけどね。

それでも、こうして、コンサートホールで音楽を聴くと、これでこそ、生きている証だと胸が熱くなります。

さて、今日の指揮者はダン・エッティンガー。以前は東京フィルの音楽監督でしたから、古巣へ帰ってきたんですね。若いと思っていたエッティンガーももう48歳。ベテランの域に入ってきました。その指揮は昨年、東響の定期演奏会で聴きました。最高の幻想交響曲でした。とても期待できます。最初のワーグナーの楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」の第1幕 前奏曲から、思い切った指揮です。素晴らしい切れ込みの指揮です。しかし、オケがもう一つ響きませんね。この曲は重厚な響きが魅力ですが、ちょっと不発で終わった感じです。満席の聴衆が音響を邪魔したのかな。

続くモーツァルトのフルート協奏曲 第1番は高木綾子の独壇場。その美しいフルートの響きが圧巻です。清楚な表現もモーツァルトにぴったり。素晴らしい演奏に聴き惚れました。ちょっと気になったのはオーケストラの演奏。この曲ではもっと透明な響きがほしいものです。

後半はチャイコフスキーの名曲、交響曲 第6番「悲愴」です。これはエッティンガーの指揮が光りました。実に劇的な表現です。やり過ぎという意見もあるかもしれませんが、こういう有名曲はこれくらいの個性的な表現こそ、実演で聴きたいものです。前半では不満だった東京フィルのアンサンブルも確実によくなっていました。エッティンガーの自在な棒にもよく付いていっていました。しかしながら、その上で、弦と木管の響きにもう少しの物足りなさを感じます。比較して、申し訳けないのですが、昨年聴いた東響の幻想交響曲ではエッティンガーの指揮と一体化した素晴らしい演奏でした。今日もこの素晴らしいエッティンガーの指揮に対して、東響であれば、最高の演奏だっただろうと思ってしまいました。こんなことを書いて、東京フィルのファンの方にはごめんなさい。全体的には素晴らしい演奏ではあったんです。場合によれば、指揮者コールをしてもいいと思ったほどです。

コンサートが終わって、精魂尽き果てたという感じでしばらく客席に座っていました。コンサートを聴くということはこんなに体力を使うものなのですね。

明日は東響のコンサート。ダン・エッティンガーが振ってくれればと思ってしまいます。


今日のプログラムは以下です。

  指揮:ダン・エッティンガー
  フルート:高木綾子
  管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団  コンサートマスター:三浦章宏

  ワーグナー:楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」から 第1幕 前奏曲
  モーツァルト:フルート協奏曲 第1番ト長調 K.313(285c)

   《アンコール》 ドビュッシー:シランクス

   《休憩》

  チャイコフスキー:交響曲 第6番 ロ短調 Op.74 「悲愴」


最後に予習について、まとめておきます。

1曲目のワーグナーの楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」の第1幕 前奏曲を予習したCDは以下です。

 ベルナルト・ハイティンク指揮ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団 1974年

敬愛する巨匠ハイティンクもこの時期は発展途上にありました。マーラーもブルックナーも80年代以降に素晴らしい演奏を繰り広げます。ただ、この時期は若さの勢いに満ちた演奏をしていたのも魅力ではあります。ワーグナーについては、この時期の後、実際の舞台でハイティンクが重点的に振るようになり、ワーグナー指揮者としての名声を高めていきます。残念ながら、この録音はそれ以前のもので、それなりの演奏レベルにはありますし、意外に深みもありますが、ワーグナーらしい重厚さと栄光感が不足しています。15年後か、20年後に再録音していれば、全然、違った演奏になったでしょう。


2曲目のモーツァルトのフルート協奏曲 第1番を予習したCDは以下です。

 リザ・ベズノシウク、クリストファー・ホグウッド指揮AAM(エンシェント室内管弦楽団) 1986~87年録音

この演奏はリザ・ベズノシウクのフルートの響きが聴きものです。彼女の使用しているフルートは、1790年頃のハインリヒ・グレンザー製のコピーで象牙製です。中音域ではリコーダーのような響きがして、あれっと驚きます。同じCDにカップリングされているフルートとハープのための協奏曲では、真珠の珠を転がすような素晴らしいフルートの響きに驚かされましたが、このフルート協奏曲では、なぜか、そこまでの響きが聴けないのが残念です。ですから、期待したほどの演奏ではありませんが、まあ、一聴すべきCDではあります。ちなみにsaraiの永遠の愛聴盤はランパル盤(グシュルバウアー指揮)です。


3曲目のチャイコフスキーの交響曲 第6番「悲愴」を予習したCDは以下です。

 レナード・バーンスタイン指揮ニューヨーク・フィル 1986年

実はこのバーンスタイン&ニューヨーク・フィルのコンビの旧盤(1964年録音)はsaraiが少年時代以降、愛聴してきたレコードです。ストレートな表現でぐいぐいと心に迫る名演でした。新盤は晩年のバーンスタインが心のたけを吐き出したような鬼気迫る演奏です。ともかく、その丁寧過ぎるほどの演奏に驚かされます。旧盤ではある意味、粗っぽいほど、若さの勢いに任せた演奏でした。まあ、それがよかったわけですが、この新盤では、大事な宝物を愛でるように音符一つもおろそかにしない演奏で、バーンスタインがいかにチャイコフスキーに心を注いでいたかが分かります。この演奏について、特に第4楽章の遅さに対して、マーラーのようだという評をよくみかけますが、ちゃんとチャイコフスキーの音楽の枠内に留まっています。レニーの音楽を愛するものにとって、かけがえのない、新旧2つのチャイコフスキーです。若さの熱狂にあふれる旧盤と円熟の高みに達した新盤、どちらも最高の音楽です。



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オペラ・美術が大好きでヨーロッパの旅にはまっています。音楽の聖地ウィーンが中心で、イタリア、フランス、ドイツも巡っています。国内外のオペラ・コンサートの体験もレポートします。

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ありがたいコメント、嬉しいです。マーラーのファンのかたにこそ、読んでいただきたかったので、気持ちを共有できた思いです。自然の中にこそ、マーラーの音楽の本質はあり

04/23 23:45 sarai

マーラーの作品を聴きながら、ブログを読ませていただいています。
読みながら画像を見て、マーラーの過ごした風景に想いを馳せて楽しんでいます。
素敵なブログをありがと

04/23 21:47 

マーラー6番ですか・・・ハンマー打撃は勘弁してほしいものです。あったとしても、3回目の打撃だけは・・・

04/11 18:10 sarai

まさにマーラー6番な状況です笑

04/11 17:51 kico

お互い、残念でしたね。今年でヨーロッパ遠征を終わりにする予定でしたが、悲劇的な状況になりました。天はまだ我に旅を続けよというご託宣を与えたのでしょうか。1年延期

04/11 03:13 sarai

以前にもコメントさせていただいた者です。来ましたね、楽友協会からのメール。私たちはとりあえず1年延期としましたが、どうでしょうね。困っている人が多い中贅沢な悩み

04/11 00:33 kico

お返事ありがとうございます。
本当に!私もレイルジェットや美術館の手配もしているので、祈るような気持ちです。

03/10 19:06 kico
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