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戦慄のオペラ《サロメ》 何とカミラ・ニュルンドが代役に立つ嬉しい驚き@ウィーン国立歌劇場 2019.9.27

ウィーン国立歌劇場で本当に久しぶりにオペラを聴きます。最後に聴いたのは2015年6月のヒンデミットの歌劇「カルディヤックCardillac」。今日は4年ぶりです。そして、ウィーン国立歌劇場で聴くR.シュトラウスは格別です。ここでR.シュトラウスを聴くのは、2014年6月に歌劇「ナクソス島のアリアドネ」を聴いて以来、5年ぶりです。

ここで《サロメ》を聴くのは8年ぶり。サロメの演出はそのときから今でも変わっていません。演出家のボレスラウ・バルロクは既に故人です。8年前の2011年10月に聴いたサロメは最高に素晴らしい公演でした。オーケストラの究極の美に酔いしれました。このときの記事はここです。そして、タイトルロールのサロメを歌ったカミラ・ニュルンドが素晴らしく、その年のsaraiの音楽総決算でもネトレプコとガランチャ、デノケ、フリットリなどを尻目に、第1位に選出したほどでした。
そして、今日の驚きはそのカミラ・ニュルンドが代役で歌うことになったことです。正直、今日はあまり歌手には期待していなくて、もっぱら、オーケストラの演奏を聴くつもりでチケットを購入したんです。代役でがっかりすることが多いのに、代役で大喜びすることは稀です。以前、Yさんの代役でヒラリー・ハーンが登場したとき以来でしょうか。

今日は気合いを入れて、最前列で聴きます。こんなに明確にサロメのオーケストラパートを聴くのは初めての体験です。いやはや、ほとんどがウィーン・フィルのメンバーの演奏ですが、その熱の入った演奏に興奮します。とりわけ、木管奏者が目の前なので、うるさいくらい、よく聴き取れます。交響詩《英雄の生涯》を継承するフレーズが多いことに初めて気が付きます。交響詩をすべて完成させたR.シュトラウスが交響詩で磨き上げた管弦楽法を投入し、その上に声楽パートを積み上げて、20世紀の新しい形のオペラを築き上げたのはこの《サロメ》だったんですね。つい先日、R.シュトラウスは1940年代の晩年の作品が素晴らしいと書いたばかりですが、ちょっと修正しないといけません。晩年に加えて、初期のオペラ作品の《サロメ》、《エレクトラ》の前衛性・先進性は何物にも代えがたい魅力を放っています。続く《ばらの騎士》、《ナクソス島のアリアドネ》も素晴らしいので、結局、どれも素晴らしいとしか言えません。オペラに先立つ交響詩群も素晴らしいしね・・・。
ともあれ、この《サロメ》はオーケストラの素晴らしい演奏で目が眩みそうです。そして、サロメを歌うカミラ・ニュルンドは出だしこそ、ちょっと物足りない歌唱でしたが、アラン・ヘルドの歌うヨカナーンの登場以降の高域の透き通った歌声と強烈な叫び声にも似たフォルテの圧倒的な歌唱には圧倒されるだけです。オーケストラの遠慮ない音量の演奏にも負けない強靭な歌唱で、管弦楽と声楽の融合したR.シュトラウスの最高の演奏が続き、saraiはもう感動で胸が張り裂けんばかりです。8年ぶりに聴く《サロメ》はやはり凄かった! ウィーン国立歌劇場はR.シュトラウスの楽劇を聴く場なのでしょうか。恐ろしいほどの熱い演奏に感動一入でした。
なお、他の歌手陣も素晴らしく、ヘロディアスのリンダ・ワトソンはサロメを歌わせてもいいんじゃないかと思うほどの声量の素晴らしい歌唱。今まで聴いたヘロディアスで最高の歌唱。ヘロデのイェルク・シュナイダーは実は前回はナラボートを歌いましたが、今回はヘロデ。堂々たる歌唱でした。そして、期待のアラン・ヘルドのヨカナーンですが、絶好調のカミラ・ニュルンドに毒気を抜かれたかの如く、少し、存在感に欠けました。素晴らしい歌唱ではありましたが、カミラ・ニュルンドに張り合いきれませんでしたね。
また、演出と舞台装置は以前からと同じですが、7つのヴェールの踊りのカミラ・ニュルンドの踊りはダンサー顔負け。クリムト風の舞台装置と衣装もやはり、お洒落で20世紀初頭のモダンな雰囲気が醸し出されています。この《サロメ》は名作ですね。しばらくはこの演出が続くのでしょう。

今日のキャストは以下です。

指揮:デニス・ラッセル・デイヴィス
演出:ボレスラウ・バルロク
舞台デザイン:ユルゲン・ローゼ
管弦楽:ウィーン国立歌劇場管弦楽団 コンサートミストレス:アルベナ・ダナイローヴァ

ヘロデ:イェルク・シュナイダー
ヘロディアス:リンダ・ワトソン
サロメ:カミラ・ニュルンド (アウシュリネ・シュトゥンディーテの代役)
ヨカナーン:アラン・ヘルド
ナラボート:ルカニオ・モヤケ


予習の内容は以下です。

満を持して、予習したのはアンゲラ・デノケがサロメを歌ったブルーレイ・ディスク。凄いオペラです。それを実感させてくれる、素晴らしい演奏でした。デノケの絶唱とヨカナーンを歌ったアラン・ヘルドが素晴らしかったです。特に二人が絡み合うシーンでは聴き惚れてしまいました。歪んだ形の愛、聖と俗の対照、若きシュトラウスの天才たる音楽をデノケとヘルドは見事に歌い切ります。R.シュトラウスの音楽は今でも前衛を走ります。フィナーレでは言葉を失いました。

キャストは以下です。

サロメ:アンゲラ・デノケ(S)
ヘロデ:キム・ベグリー(T)
ヘロディアス:ドリス・ゾッフェル(Ms)
ヨカナーン:アラン・ヘルド(Br)
ナラボート:マルセル・レイヤン(T)
ベルリン・ドイツ交響楽団
指揮:シュテファン・ゾルテス

演出:ニコラス・レーンホフ
舞台デザイン:ハンス=マルティン・シュローダー

収録時期:2011年
収録場所:バーデン・バーデン祝祭劇場(ライヴ)



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ジャンル : 音楽

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オペラ・美術が大好きでヨーロッパの旅にはまっています。音楽の聖地ウィーンが中心で、イタリア、フランス、ドイツも巡っています。国内外のオペラ・コンサートの体験もレポートします。

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ありがたいコメント、嬉しいです。マーラーのファンのかたにこそ、読んでいただきたかったので、気持ちを共有できた思いです。自然の中にこそ、マーラーの音楽の本質はあり

04/23 23:45 sarai

マーラーの作品を聴きながら、ブログを読ませていただいています。
読みながら画像を見て、マーラーの過ごした風景に想いを馳せて楽しんでいます。
素敵なブログをありがと

04/23 21:47 

マーラー6番ですか・・・ハンマー打撃は勘弁してほしいものです。あったとしても、3回目の打撃だけは・・・

04/11 18:10 sarai

まさにマーラー6番な状況です笑

04/11 17:51 kico

お互い、残念でしたね。今年でヨーロッパ遠征を終わりにする予定でしたが、悲劇的な状況になりました。天はまだ我に旅を続けよというご託宣を与えたのでしょうか。1年延期

04/11 03:13 sarai

以前にもコメントさせていただいた者です。来ましたね、楽友協会からのメール。私たちはとりあえず1年延期としましたが、どうでしょうね。困っている人が多い中贅沢な悩み

04/11 00:33 kico

お返事ありがとうございます。
本当に!私もレイルジェットや美術館の手配もしているので、祈るような気持ちです。

03/10 19:06 kico
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