なんというマーラー、ノットでしかなしえないマーラー!・・・ジョナサン・ノット&東京交響楽団@サントリーホール 2019.11.16
前半のベルクの管弦楽のための3つの小品はノットの優雅な指揮が印象的。ベルクのあのねっとりした雰囲気は希薄で、ノットが音を整理するとこんなすっきりした音響になるのねって感じです。新ヴィーン学派の音楽を得意にするノットの手にかかると、ベルクも見通しのよい音楽に変身します。それでも後半のマーラーと比較すると、やはり、ベルクの音楽は前衛的に思えます。いいものを聴かせてもらいました。こうなると、《ルル》組曲も聴きたくなりますね。
今日のプログラムは以下です。
指揮:ジョナサン・ノット
管弦楽:東京交響楽団 コンサートマスター:水谷晃
ベルク:管弦楽のための3つの小品 op.6
《休憩》
マーラー:交響曲 第7番 ホ短調 「夜の歌」
最後に予習について、まとめておきます。
1曲目のベルクの管弦楽のための3つの小品を予習したCDは以下です。
クラウディオ・アバド指揮ウィーン・フィル 1992年4月、ウィーン セッション録音
ベルクらしく、ウィーンのねっとりとした雰囲気がむんむんという感じの好演。
2曲目のマーラーの交響曲 第7番を予習したCDは以下です。
ジョナサン・ノット指揮バンベルク交響楽団 2011年7月11-15日、バンベルク、ヨゼフ・カイルベルト・ザール セッション録音
ノットは当時、音楽監督をしていたバンベルク交響楽団とマーラーの交響曲全集を完成させています。第5番から始まった録音は最後にこの第7番が録音されました。この演奏では抑制された表現ながら、丁寧な仕上げが目立ちます。もう少し、自分の個性を出したらいいのにと現在のノットを知っている者としては思ってしまいますが、好演であることは間違いありません。
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