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ハンブルク市立美術館:ホドラー、アンリ・ルソー、ドニ、そして、ベックマンの作品群

2018年8月22日水曜日@ハンブルク/3回目

今日はハンブルクHamburgでゆったり散策。まずはハンブルク市立美術館Hamburger Kunsthalleで名画鑑賞。
2階の常設展示室で20世紀の作品の展示を見て回っているところです。アルプ、アンソール、ムンクと見てきました。

次はフェルディナント・ホドラーの《シュトックホルン山系を背景にしたトゥーン湖》。1910年、ホドラー、57歳頃の作品です。この絵はパッと見ると、単なる風景画に見えますが、手前の湖岸、トゥーン湖の水面、対岸、シュトックホルン山系、空が層のように重なって、人工的な構造に作り上げられています。セザンヌの風景画と同様に具象的な風景をもとにした抽象的な絵画とも思えます。どこか日本の浮世絵の技法も連想させます。そう言えば、シュトックホルン山系は墨絵のようにも見えます。淡い色彩も見事に機能しています。ホドラーの熟達の筆が冴え渡った秀作です。

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アンリ・ルソーの《地上の楽園のイヴ》。1906~1907年、アンリ・ルソー、62~63歳頃の作品です。この絵はアンリ・ルソーが繰り返し描いたモチーフ、熱帯の密林の中に裸のイヴが立っています。蛇が差し出すリンゴに手を伸ばすイヴというありきたりの画題ですが、アンリ・ルソーが描くと、何とも幻想的、かつ、ほほえましい絵に仕上がっています。ある意味、主役は熱帯の密林です。1910年までに彼は20枚以上のジャングルの絵を描いています。ジャングルの楽園の庭には、シダ、アガベ、ヤシの木、ゴムの木などが描き込まれていますが、彼がパリの「植物園の温室」に行くことはなく、すべて、エキゾチックな動物や風景の写真を載せた雑誌から描き写したことはよく知られています。確かに素朴な画風ですが、ユニークであることが何よりも重要ですね。いやはや、素晴らしい作品です。

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モーリス・ドニの《アドリアン・ミトゥアール夫人と彼女の息子ジャック》。1903年、ドニ、33歳頃の作品です。ドニは大好きな画家の一人です。オルセー美術館では彼の絵の前で長い時間を過ごします。この作品もドニらしいバラ色系の色彩と輪郭がぼやかされた柔らかいタッチの美しい絵画です。顔の表情が描かれずに人物自体が絵の対象ではなく、あくまでも構図の一部としての人物が描かれています。それにしては絵の題名に具体的な人名がはいっていて、肖像画みたいですが、もちろん、肖像画とは対極のような作品です。

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次はマックス・ベックマンの展示スペースです。ベックマンはドイツ表現主義の画家です。彼はナチスに退廃芸術と烙印を押された芸術家の一人で、同じ烙印を押されてピストル自殺を遂げたキルヒナーと同様にとても気になる存在です。そのベックマンの作品がまとめて展示されていることは稀有なことです。実はこの後、キルヒナーの作品もまとめて展示されているのを見ることになるのですが、この二人の作品がまとめて展示されている美術館はあまりありません。ちなみに今回の旅の初めにデュッセルドルフのK20美術館でベックマンの代表作の《夜》を見ています。凄い迫力の絵に感銘を受けました。

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マックス・ベックマンの《ミンナ・チューブの肖像》。1905年、ベックマン、21歳頃の作品です。ミンナ・チューブはドイツ人の画家でオペラ歌手でもありました。ベックマンの最初の妻です。素晴らしく美しく描かれた肖像画です。この絵を見て、ベックマンの作品だとは分からないでしょう。写実的なベックマンの作品は初めて見ました。

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マックス・ベックマンの《母親の肖像》。1906年、ベックマン、22歳頃の作品です。ベックマンの母親は1906年の夏に亡くなりました。この絵が描かれたのはその死の少し前でした。母親の顔は緊張感と疲れが感じられますが、実に明確に描き出されています。

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マックス・ベックマンの《パーゲル夫人の肖像》。1907年、ベックマン、23歳頃の作品です。ベックマンは1907年の夏を画家仲間のシーザー・クンヴァルトと共にバルト海のヴィエツケルストランドで過ごしました。パーベル家は夏のゲストを定期的に連れて行った家です。パーゲル夫人は12人の子供のうちの一人を妊娠中で、ベックマンは妊娠中の女性の印象に惹かれて、この作品を描いたようです。印象派風のタッチの肖像画になっています。

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マックス・ベックマンの《十字架》。1911年、ベックマン、27歳頃の作品です。十字架を背負って、ゴルゴタの丘に上って行くキリストが大変な迫力で描かれています。表現主義の画風を確立したことが分かります。大作です。

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マックス・ベックマンの《悪夢》。1903年、ベックマン、19歳頃の作品です。題名通りの作品ですね。3人の奇怪な巨人に踏みつけられているのは画家自身でしょう。実際に見た悪夢なのか、画家の心の葛藤なのか・・・。

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マックス・ベックマンの《嘆き》。1908年、ベックマン、24歳頃の作品です。椅子に座った裸の男の死に対して、皆が深い嘆きにくれている様が描かれています。普通の男に描かれていますが、きっとキリストなんでしょうね。日常風景で描かれた宗教画がこの時代、結構、流行っていたような気がします。そうそう、フリッツ・フォン・ウーデの作品がそうですね。その影響でしょうか。

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マックス・ベックマンの《自分自身の肖像》。1936年、ベックマン、52歳頃の作品です。珍しく彫刻作品です。初めて見ました。

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マックス・ベックマンの《灰色の大波》。1905年、ベックマン、21歳頃の作品です。ベックマンはヴァイマールの絵画スクールで学んだ後、1905年の夏に北海からユトランドに行き、そこで絵を描きました。海の風景を見て、その形と色の抽象化を探求し、フランスの前衛を指針とした作品を仕上げました。印象派よりも輪郭が堅固で、自身の道を進むベックマンの姿が明確に見えます。

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当ブログでこんなにまとめてベックマンの作品をご紹介するのは初めてです。残念ながら、表現主義的な作品がほとんどなかったのですが、ベックマンの一端はお伝えできたでしょう。
20世紀の絵画はまだまだ続きます。是非、お付き合いくださいね。



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06/18 12:46 sarai

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06/18 08:33 五十棲郁子
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