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リゲティ、R.シュトラウス、モーツァルトの極美の響き・・・ノット&東京交響楽団@東京オペラシティコンサートホール 2019.11.23

今日のノット&東響もウーンと唸らされる最高の演奏。そもそも、リゲティ、R.シュトラウス、モーツァルトと並べたプログラムが素晴らしいので、成功は最初から約束されていたようなものです。

どれも素晴らしかったのですが、特にリゲティはスペシャリストのノットならではの極上の演奏。《メロディーエン》はあたかも漆黒の闇を光の粒が飛び舞う様を思い浮かべるような未体験のオーケストラの響きに魅了されます。冒頭から、その光の粒はキラキラと飛び交い、いったん、上昇して、天頂に留まります。その後、地上に降り立って、魅惑の動きをした後、閃光がほとばしって、また、天頂に上り詰め、次第に消え去っていきます。リゲティ、畢生の名作をノットと東響は至高の演奏で魅惑してくれました。わずか13分ほどの曲ですが、美しい響きがぎゅっと凝縮されたような傑作の名演でした。

R.シュトラウスのオーボエ協奏曲は晩年の名作です。最後のオペラ《ダナエの愛》、《カプリッチョ》の残影のような誠実さと諦観に満ちた隠れた名曲です。今日の演奏は東響の誇るオーボエ奏者の荒 絵理子の見事な演奏、美しい響きがすべてです。とりわけ、第2楽章はまるで歌詞のないオペラのアリアを聴いているような気になりました。《ダナエの愛》の終盤のダナエのモノローグのようなアリア、《カプリッチョ》の終幕の伯爵令嬢のモノローグのアリアの世界です。きっと荒 絵理子も意識して演奏していたんでしょう。最高のR.シュトラウスを堪能しました。もちろん、ノット指揮の東響の伴奏も完璧でした。

後半のモーツァルトの交響曲 第41番「ジュピター」は前半と一転して、古典の音塊(字の誤りではありませんよ)がバンバン鳴り響きます。小気味よい演奏が心地よく感じられます。特に両端楽章が素晴らしい演奏で、これぞ現代のモーツァルト演奏の規範という感じでした。中間の2つの楽章は美しい響きにかえって集中力がそがれて、夢見心地・・・。終楽章の素晴らしいフーガに心奪われながら、ノットのモーツァルトを満喫しました。聴きようによっては、モーツァルトのオペラに通じるところもあるような演奏スタイルでしたし、ノットの指揮の姿の華麗さも見ものでした。特に指揮棒を持っていない左手の動きが素晴らしく、見事にオーケストラを操っていました。

ちなみに明日もR.シュトラウス、モーツァルトの2曲を聴きます。明日はさらにダブルヘッダーでバッハ・コレギウム・ジャパンの名人たちのブランデルブルク協奏曲全曲も聴きます。毎日、音楽三昧でこんなに人生が楽しくてよいものか・・・。

  指揮:ジョナサン・ノット
  オーボエ:荒 絵理子(東京交響楽団首席奏者)
  管弦楽:東京交響楽団 コンサートマスター:グレブ・ニキティン

  リゲティ:管弦楽のためのメロディーエン
  R.シュトラウス:オーボエ協奏曲 ニ長調

   《休憩》

  モーツァルト:交響曲 第41番 ハ長調 K.551 「ジュピター」


最後に予習について、まとめておきます。

1曲目のリゲティの管弦楽のためのメロディーエンを予習したCDは以下です。

 ジョナサン・ノット指揮スイス・ロマンド管弦楽団 2018年6月 ジュネーヴ、ヴィクトリア・ホール セッション録音
 
これは同曲の決定盤でしょう。リゲティの譜面を精緻に読み込んだノットの指揮が光ります。これを上回る演奏があるとすれば、ノット&東響の演奏のみ。


2曲目のR.シュトラウスのオーボエ協奏曲を予習したCDは以下です。

 ローター・コッホ、ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 1969年9月、ベルリン、イエス・キリスト教会 セッション録音

ローター・コッホの安定した演奏とその表現力が見事です。R.シュトラウスを得意とするカラヤンも晩年のシュトラウスの穏やかな諦念を美しく表現します。素晴らしい演奏です。この曲でここまでの演奏は初めて聴きました。名曲ですね。もっと、これからよい演奏が現れることを念願します。


3曲目のモーツァルトの交響曲 第41番「ジュピター」を予習したCDは以下です。

 ジョージ・セル指揮クリーヴランド管弦楽団 1963年10月11日&25日、クリーヴランド、セヴェランス・ホール
 ラファエル・クーベリック指揮バイエルン放送交響楽団 1985年5月10日、ヘラクレスザール ライヴ
 ブルーノ・ワルター指揮ニューヨーク・フィル 1956年3月5日 ニューヨーク、30th Street Studio モノラルのセッション録音

セルの引き締まった素晴らしい響きの演奏はまさに決定盤。クーベリックは意外にゆったりした正攻法の演奏で味わい深いものがあえいます。しかし、モーツァルトと言えば、ワルター。saraiが子供の頃から聴いてきたのはコロンビア交響曲とのステレオ録音。これは耳に焼き付いていますから、予習の必要はありません。ニューヨーク・フィルとの演奏はもっときびきびしています。演奏時間も短い筈です。第2楽章だけはこのニューヨーク・フィルともテンポを落とし、音量も小さくして、極めて美しい演奏をしています。これは誰にも真似できないワルターの至芸です。



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テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

       ジョナサン・ノット,

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